こんにちは
黒カレーのJDcafeです。
今日はカレーとは全く関係ありませんが
素敵なお店をご紹介![]()
東区北23条東7丁目にある、我が心の師匠の店「一兆」さん。
一見さんは、まず無理です。
お断りではなく、入店に勇気が必要だからです。
ビリビリの暖簾も先日伺った時にはありませんでした。
繊維としての寿命を全うしたとのことです。
スライド式の入り口です。
左右、どちらを開けるか悩みます。
私は左です。
なかなか開きません。
錆びてるのでしょう。
指先に力を込めドアを浮かせるように引けば開きます。
時刻は深夜1時。
当然、外は暗いのですが店内はさらに暗い。
「いらっしゃい」
奥のほうに広げてあったスポーツ新聞が、声をかけてきます。
目を凝らすと声の主は新聞ではなく
それを読むマスターだということに、ハッと気がつきます。
大体、この辺で店の感じは理解していただけるかと思います。
女性を連れていくとこの時点で帰ろうと言い出します。
でもなんかスゴイんです。
飲食店に対する概念が大きく変化します。
メニューもなく壁のお品書きも煤と油で読解不能です。
TVもラジオもなく無音状態、冷蔵庫のコンプレッサー音が、はっきり聞こえます。
でもなんかスゴイんです。
5000日以上、店を休んでいないことや
発泡スチロールの箱から活の標津産ホタテや生うに、生牡蠣、毛蟹が出てきたり
痛風で動かない左手で握った、ホロホロのツクネが絶品だったり
さんざ飲み食いしたのに会計がいつも2000円だったり ![]()
(そんなわけありません。
私は5000円を置いてきます。)
VISAもJCBも使えません。
食べログには写真はもちろん一件の口コミすらありません。
ミシュランガイドもポロコの取材も絶対来ません。
そんなもの、ここではどうでもいいんです。
少しでも原価率を下げようとしたり、市場調査をしてみたり、飲食店には常に変化と企業努力が求められています。
しかし変えていけないもの、ブレてはいけないものもあるかと思います。
褒められるばかりが仕事じゃないよ。
5年、10年変わらず、続けて初めて「仕事」って呼べんじゃないかい?
会計の時、とっくの昔に電池の切れた電卓をたたく背中が、そう言っている気がしてなりません。
なかには、こんな店、絶対嫌だ![]()
とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、興味のおありの方は是非![]()
場末感たっぷり、つくねは絶品![]()
種類は少ないですが新鮮な刺身が落としても割れない皿に盛られて出てきます。
私の心の師匠の店「一兆」さんでした。



