▼「燃えよドラゴン ハンの爪」「(ドラクエ)アリーナ姫の武器」と言えばどんな形が想像できるだろうか。20世紀最大の発明と名高い「トランジスタ」だ。自分で言いながら、比喩がとても下手である。米ショックレーらが1940年代後半に実用化、ノーベル賞も受賞した。

 

▼このトランジスタ、PCやスマホ作動に使われる半導体に必須の材料。昨年発売のiPad Proには100億個トランジスタが集積する。現在、半導体チップの回路線幅が7ナノメートルの小ささだ。原子直径が0.1ナノと考えれば、人類は果てなく小さな領域に踏み込んでしまった。

 

▼昨今ニュースは半導体で盛り上がるが、日本はこの分野で大きく後れをとる。半導体シェア世界15%の韓国サムスンの時価総額は273億㌦(世界18位)。米半導体インテルは214億㌦、台湾TSMCが203億㌦と続く。時価総額で見れば日系企業の存在感はまるでない。トヨタですら175億㌦(19兆円、世界46位)。これが現実だ。

 

▼道端で見つけたバラ科「ボケ」。花言葉は「先駆者」「平凡」という。半導体を生んだ「先駆者」にかまけ発明品スマホでゴロゴロ。そんな毎日も憧れる。だがボケと言われぬよう「平凡」な知識はせめて身につけたい。ボケ(木瓜)だって春には赤い花が咲く。短絡的な洞察は避けたい。