今日は私の誕生日。何だか思う事も色々あります。

 

仕事柄終活、また長期介護のご相談を受けることが多々あります。

先週金曜日に、ホームケアの患者さん2組のご夫婦を訪問させていただきました。

 

一組目は80代前半のご夫婦。奥様が患者さんで、糖尿病とパーキンソン病を疾患。ご主人が24時間体制で介護されています。お二人共再婚同士で、ご結婚されてから32年だそう。ご主人も今年初めに心臓バイパス手術を受け、現在もリハビリを続けていらっしゃり、介護しながらも介護が必要な状態。お二人のお子さん達もたまに手伝いに来てくれるそうですが、唯一の頼りは週に3日来てくれる介護のお手伝いさんで、この方がいる間、ご主人は心臓のリハビリに行ったり、食料品の調達をされたり、と忙しい時間を過ごされるそうです。奥様は、私がお邪魔している間ソファーで何度も寝落ちしてしまい、あまりお話しが伺えなかったのですが、ご主人とは一時間半、時には涙をうけべながらもたっぷりお話しを聞かせていただき、奥様への愛の深さ、また夫としての忠誠、献身さをひしひしと感じさせられました。

 

二組目は90代前半のご夫婦。ご主人が肺炎で入院され、退院後のフォローアップの訪問でした。正におしどり夫婦、といった感じ。16歳で知り合い、今年でご結婚73年だそうです。市街地からかなり離れた丘の上に40年前に自分たちでデザインした家を建て、その家に今でもお二人で生活されています。お年柄、お二人共歩行が頼りなく、車の運転も無理な様子。ご本人たちもご家族もいつまでこの家に住んでいられるのか、と思い始めたそう。週に3日、こちらもお手伝いさんが来てくれているそうで、その上既に介護付きホームなどは検討されているとの事。私のお役に立てることはあまりないようなので早々にお暇させて頂きました。帰り際にご主人から、”何かいい提案はないのかい?”と聞かれたのですが、”共に73年間ご一緒に歩まれてきたお二人に、たった1時間ほどお邪魔した私からご提案など、もっての外です。”とお伝えすると、二人は満面の笑顔で”またいつでもいらっしゃい”。と言って見送ってくださいました。

 

話変わって、私の義姉の話。主人の姉で4人目の旦那さんの介護中。義姉のご主人はパーキンソン病持ちで長い間投薬による闘病を続けてきたのですが、今月に入り、DBS (Deep Brain Stimulation)の手術を受けました。(*日本語は下記のリンクご参照ください。お借りしました。)未だ手術の結果は2週間先まで分かりませんが、術後の経過は順調なようです。

 

義姉はとても優しく、面倒見がいいので文句ひとつ言わず誰の面倒でも見てしまうのですが、心配なのは、山奥の電波の届かないようなところに住んでいて、すぐに飛んでいける身内が3時間圏内にいないという事。3人目の旦那さんを癌で亡くした時も、山奥に住んでいてお手伝いに行かれず申し訳ない思いでいっぱいでした。”一人で大丈夫?”と連絡を入れるのですが、”大丈夫”との返事。さぞかし心細い思いをすることもあるのでしょう。
 
夫婦であれ、家族であれ、友人であれ、愛が無ければ寄り添い続けることは出来ません。愛が沢山あれば嬉しさは何倍にも、そして哀しみは最小限になりますよ。ぜひお試しを。