相振り四間の可能性 | ノーマル四間飛車32銀型のブログ

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四間飛車一本の筆者が四間飛車にまつわる定跡・研究をアップします。

注!)四間飛車側は▽44歩と突くものとする。

 

前回の記事で述べたように、私は現在は後手相振り四間飛車を採用している。 私が後手とすると▲96歩には▽94歩と突き返すと決めていることに加え、後手の私が▽94歩と突き返さなくても先手三間の▲97角が間に合い、先手は後手の向かい飛車を牽制できる。

 

 今回は▲三間飛車vs▽四間飛車で、後手の四間飛車の可能性を 考察する。

 

実際に手順を探る前に、四間飛車側の狙いを確認する。

  1. 序盤▽45歩からの乱戦。
  2. 4.2筋の連続歩交換。
  3. 序盤4筋だけ歩交換して向かい飛車に振り直す
  4. 4筋歩交換は諦めて▽44角~▽22飛で手損なしの向かい飛車
  5. 22角32銀42飛45歩などで矢倉の方に手を掛ける

 

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まず先手が早々に歩交換した局面で▽45歩から乱戦を仕掛ける順を調べる。 見ての通り、下の局面で角交換後に後手が先手の飛車をいじめられないようなら他の局面では絶対無理である。 少なくともこの局面は後手優勢であってほしいが・・・

 

【1】上図以下▲78飛▽46歩▲同歩▽同飛▲22角成▽同銀▲55角

 先手勝勢。

 

先手に▲78飛とおとなしくされて、先手陣に角打ちの隙はない。▲55角があるため、後手が安全に4筋歩交換しようと思えば82銀72玉の形くらいしかなく、結論として後手から乱戦は仕掛けられない。

 

 

【2】上図以下▲34飛▽88角成▲同銀▽25角▲36飛▽35歩▲56飛▽47角成▲65角

 先手良し。

 

先手に▲34飛と積極的に来られても後手まずい。▽47角成で後手優勢かと思いきや、▲65角が好手。結果図以下▽29馬などは▲53飛成で先手勝勢。よって結果図以下は▽56馬だが以下▲同角▽46歩▲48歩で角を手持ちにした先手が良い。

 

 

したがって▽45歩からの乱戦狙いは後手よろしくない。

 

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次は、後手が囲ったあと歩交換を狙う構想を調べる。

上図までは31銀41金の形で▽45歩と突き、先手が▲77桂と角交換を拒否した経緯だ。

 

上図では後手は76飛の横利きが消えた瞬間に▽46歩▲同歩▽26歩▲同歩▽46飛▲47歩▽26飛▲27歩▽24飛で連続歩交換を狙いたいが、先手は上図以下▲87銀~▲86銀~▲75銀で76飛の横利きを消さずに攻める権利がある。 よって先手次第では後手はいつまでも歩交換ができない。 また、後手は54銀まで銀を上げたいところだが、▽54銀の瞬間からいつでも

 

上図以下▽43銀▲58金▽54銀▲74歩▽同歩▲同飛▽73歩▲54飛▽同歩

 先手良し。

結果図以下は▲42角成や、局面によっては▲65桂などが厳しい。

のような変化が先手の権利になる。

 

 したがって、先手がその気になれば後手は2.4筋の連続歩交換はできない。 4筋すら歩交換できない。

 ただし、実戦では三間飛車側は57銀や67銀で銀を中央に使ってくることが多いため、いつかは76飛の横利きは消える。 そのため局面によるが、経験上は多くの場合で4筋の歩交換はできる。

 

 この2.4筋連続歩交換には注意点がある。 上図の変化を避けるなら54銀ではなく32銀の形で42飛の利きを通しておく必要があるが、後手が▽72玉と指してしまった場合は以下の順がある。

 

上図以下▽72玉▲74歩▽同歩▲同飛▽73歩▲34飛

 後手不満。

 

後手から手得を活かす順があればいいが、ない。

 

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最後に歩交換は諦めて▽44角~▽22飛とする構想を調べる。

上図以下▽43銀▲66歩▽44角▲67銀▽22飛▲56銀▽33桂▲65歩▽54銀

 一局。

 

 ▽72玉~▲34飛と一歩損する手順を嫌って▽72玉を省略し、▽43銀。 先手も▽43銀を見てから▲66歩と76飛の横利きを消す。これ以前に▲66歩だと後手に2,4筋連続歩交換を許してしまう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーまとめーーーーーーーーーーーーーー

 相振り四間飛車は三間側に許してもらわないと歩交換できない。  歩交換できない場合は▽44角~▽22飛で向かい飛車に振り直してから▽54銀と出る。 42飛のまま▽54銀は▲74歩~▲54飛~▲42角成の筋がある。 また、▲74歩~▲34飛と一歩かすめ取られる筋にも注意が必要。

 よって、できるだけ62玉のまま待機しておいた方が良い。

 

次回は後手が矢倉を目指す展開を検討する。