棒銀の定跡の中で四間飛車側(元四間飛車側か?)の▽43金という手がある。
この手に代えて上図のように▽53金が面白そうな手だ。
実際、定跡の中での▽43金は▽53金であっても問題なく、先手から▽53金を咎める手順はないはずだ。
ただ、後手としては▽43金の方が”型”であるため見た感じの安心感はある。
とすると後手に一方的に以下の選択肢が増えることになる。
上図以下▲44歩▽55歩▲同角▽44金▲88角▽33桂↓
手順中▲55同角ではなく▲55同歩は56地点に空間が開き、先手の角道が閉じるため先手はあまり▲55同歩は選ばないかもしれない。ただ、別に▲55同歩はない手ではないので調べておく必要はある。
下図は定跡手の▽43金の場合。見比べてみると上図の方が後手にメリットがあるような気がしてくる。
- 5筋の歩が切れている。 それにより後手の底歩や57地点のたたきが生じる。
- 後手は先手の26銀が陣形に引っ付く前に▽33桂から攻勢を取れている。
- 見方によるが、44金は43金よりこの場合▽55歩などを見て良い位置。
ただ、44金は怖い形でもあるため、ちょっとやってみよう程度のノリではやりずらい。
今回はアイデアまで。 研究したらまた手順を追加していく。
そしてもう一つ別の話題を。こちらは裏定跡として少し知名度がある。
上図は定跡の通り▲45歩と打った局面。
定跡では以下▽43金▲37銀~だが、ここで後手に別の手がある。
それが上図以下▽37歩。
これに対して先手には▲同銀を推奨する。
仮に上図で▲同飛は、以下▽36歩▲39飛▽45金▲46歩▽26角▲45歩▽37歩成↓
互角。
- ▽36歩に対して▲同飛は▽45金で後手優勢。
分岐元再掲
上図以下▲同銀は▽45銀▲46歩▽34銀▲28飛▽33桂▲24歩▽同歩▲同飛▽23歩▲28飛▽35歩↓
互角~先手指しやすい
定跡と似た感じの落ち着いた局面になる。
- ▲46歩に代えて▲24歩▽同歩▲28飛は以下▽55歩▲24飛▽22歩(図は省略)で互角。これもある。 ※▲28飛に対して▽22飛は▲35歩▽同銀▲45歩で先手勝勢。
上図で後手は先手の2筋歩交換を許してしまっているため、上図以降は34銀44金の形から先手陣に具体的なアクションを仕掛けることがができるかどうかが焦点となる。
以上。
今回研究してみてこの▽37歩は実践でも使えるような気がしてきた。
互角で微妙な変化だが、先手が▲同飛▽36歩▲同飛などと引っかかってくれれば後手が優勢になる変化を含むため、相手を選んで試してみるのも一考だろう。