着物ブームの到来によって、成人式やお正月といったイベントだけでなく、普段のお出かけにも着物を楽しむ方が増えている様子。

 

でもその分、「出先で着物を汚してしまった…」というトラブルのお声もよく聞かれるようになっています。

着物の素材や染色は洋服とは異なるため、いつもの感覚でシミの対処をするとお着物自体をダメにしてしまうことも…。

 

そんなことにならないように、シミやハネのトラブル時の対応を知っておきたいですね。

 

今回はシミや汚れができてしまった時の応急処置や、ご自宅でできる対処法等についてご紹介していきたいと思います。

 

1.ハネやシミが付いちゃった!すぐにできる応急処置は?

「レストランや喫茶店等で、気をつけていたつもりがハネさせちゃった!」こんなことって意外と多いですよね。

 

また七五三や入学・入園式等で小さいお子さんが着物を着た場合等にも、食べこぼしや泥ハネ等の汚れが付いてしまいがちです。

 

しまった!」と思っても、慌てないことが大切。シミ・汚れの原因に合わせた応急処置をしておきましょう。

【飲み物類等の「水溶性」の汚れの場合】
コーヒーや紅茶・ジュース等の汚れは、油を含まず水に溶けやすい「水溶性」の汚れです。

 

これらの場合には、できるだけ水分を取り除き、布に付いた色素を別の布へと移らせることが重要になります。

  1. タオル・ハンカチ等を汚れが付いた箇所の裏側に当てます。
  2. もう一枚のタオル・ハンカチで汚れが付いた箇所を優しく抑えて、水分をできるだけ吸い取ります。
  3. ぬるま湯か水にタオル・ハンカチを浸し、よく絞ってからシミの部分を軽く叩いていきます。常にタオルのキレイな面がシミ部分に当たるようにして、汚れをタオルへ移すようにしましょう。
  4. 乾いたタオルかハンカチで、水分を再度吸い取ります。
  5. 色素が抜け切らない場合には、3)~4)を何度か繰り返します。


ガーン シミ範囲が広範囲の場合や、色素が強い飲み物で抜け切らない場合には、それ以上無理に布を擦ったり叩いたりせずに水分のみを吸い取ってください。摩擦で着物が傷んでしまう可能性があります。


えーん 着物に水を多量に染み込ませないようにしましょう。輪染み等の原因となる恐れがあります。


ショボーン 血液シミの場合には、ぬるま湯を使わないでください。血液が固まってシミが取れなくなります。

 

【口紅・マヨネーズ等の「油溶性」の汚れの場合】

 

お食事や口紅・ファンデーション等のお化粧品には、「油分」が多く含まれています。

 

そのため水溶性の汚れのように「水分」を含ませても汚れが取り切れず、却って汚れを広げてしまう可能性が高いです。油分汚れの場合には、水を使わずに汚れを軽く吸い取ります。

  1. マヨネーズ等の固形物が残っている場合には、ティッシュ等を使って優しく取り除きます。
  2. タオル・ハンカチ等を汚れが付いた箇所の裏側に当てます。
  3. ティッシュ・ハンカチでシミ部分を上からごく優しく抑えて、汚れを吸い取ります。
  4. 常にティッシュ・ハンカチのキレイな部分をあてるように動かしながら、汚れをできるだけ吸い取っておきましょう。強く叩いたりこすって広げないことが大切です。


びっくり 特に喪服等の濃い色の生地の場合、「叩いて落とす」は厳禁です。生地自体にスレ(擦れ)が発生し、クリーニングの際に色抜け等を起こす可能性があります。

 

【泥ハネの場合】

 

泥ハネに含まれる土や泥・砂などの成分は、水や油などには溶けません。そのため無理にその場で落とそうとすると、汚れの範囲が広がってしまうことがあります。静かに水分のみを取っておきましょう。

  1. 土・砂等が残っている場合には、ティッシュ等を使ってシミを広げないように取り除きます。
  2. シミに水分が多い場合には、裏側からタオル・ハンカチを当てて、上からキレイなタオル・ハンカチでごく優しく水分を吸い取ります。


プンプン 水分を含んだタオル等で濡らさないようにしてください。汚れ範囲が広がってしまいます。


ガーン 擦ると砂の粒が生地を傷め、修復が困難になります。擦ったり叩いたり、強い刺激を与えないようにしましょう。

 

2.帰宅したら汚れを全部チェック!

応急処置をして帰宅したら、着物についた汚れをしっかりチェックしましょう。

 

「汚れが付いた!」と気づいたところ以外にも、知らないうちにハネやシミができていることも。また食べ物・飲み物等の場合、気になる箇所以外にも小さくハネが飛んでいることもあります。

 

お部屋の中の明るい場所で着物を広げ、着物全体の汚れを詳細に確認しましょう。

 

特に以下の箇所は、お着物の中でも汚れが付きやすい箇所。入念にチェックをしておいた方が安心です。

 

【汚れのチェックポイント】

  1. 襟元・襟周り:ファンデーション等の化粧品汚れが付きやすい箇所。また髪をおろしたダウンスタイルの場合、ヘアケア・ヘアセットのための製品の汚れが付くこともあります。
  2. 胸の周辺:食事の時に最も汚れやすい箇所。ジュース等の飲み物のハネ、食べ物のハネが付いていないか確認します。
  3. 袖口:特に裏面が意外と汚れやすいです。チェックは袖の裏側までしっかりと。
  4. 裾周り:特にお天気の悪い日や雨の翌日のお出かけ等の場合には、泥ハネが付きやすい箇所です。

 

3.ジュースやコーヒー…水に溶けるシミの染み取りをするには?

 

シミ取りを応急処置だけで済ませてはNG!残った色素汚れが後からシミとして浮き出してきたり、カビの原因となってしまうこともあります。

 

自宅で対策ができる着物で水溶性のシミの場合には、ご家庭にある中性洗剤を使ってシミ取りをしておきましょう。

 

≪水溶性のシミ・汚れの取り方≫

  1. 中性洗剤を10倍~15倍に薄めて希釈した溶液を作ります。
  2. 溶液にタオルを浸して、着物の裏側等の目立たない部分で色落ちチェックを行います。
  3. 別のタオルをシミの裏側にあてます。
  4. 溶液に浸したタオルでシミ部分を軽く叩き、シミ汚れをタオルへ移していきます。
  5. 汚れが取れたら、再度ぬるま湯に絞ったタオルでシミを叩きます。
  6. 最後に乾いたタオルで水分を吸い取ります。
  7. 和装ハンガーにかけて陰干しし、水分をよく飛ばします。


えーん アルカリ性洗剤(通常の洗濯洗剤等)は使用しないでください。色落ち・変色の原因となります。


ショボーン 中性洗剤でも原液は使用するのをやめましょう。洗剤液の成分が残り、新たなシミの原因となる可能性があります。


プンプン 色落ちチェックで色落ち・変色が見られた場合には、それ以上は自宅で対策せず、専門のクリーニング業者に依頼しましょう。


びっくり 血液シミの場合には、ぬるま湯を使わず水を使用してください。

 

4.口紅やマヨネーズ…水に溶けない油シミは?

油分を含んだ化粧品・食品等のシミの場合、一般的な「洗剤」では対処ができません。

 

油分を溶かし出す作用を持つ「ベンジン」を使用して、汚れを別の布へと移していきます。

 

≪油溶性のシミ・汚れの取り方≫

  1. ベンジンをガーゼに含ませて、着物の裏側等の目立たない部分で色落ちチェックを行います。
  2. チェックをクリアしたら、シミの裏側にタオルをあてておきます。
  3. ベンジンを別のガーゼに含ませて、シミ部分をごく優しく叩いて汚れをガーゼに移していきます。
  4. 汚れが取れたら、シミの外側から内側に向かって叩き、ベンジンが付着した箇所の周辺部をぼかすようにします。ぼかすように叩くことで、ベンジンによる輪染みを防ぎます。
  5. 和装ハンガーにかけて陰干しし、よく乾燥させます。
  6. 油ではなく「色素」の残りが見られる場合には、前述した「水溶性汚れ」の対処を引き続き行います。


プンプン 色落ちチェックで色落ち・変色・色にじみが見られた場合には、それ以上は自宅で対策せず、専門のクリーニング業者に依頼しましょう。


ガーン ベンジンは揮発性ですので、必ず換気をした状態で作業を行いましょう。また作業中は火気厳禁です。


びっくり 質の悪いベンジンだと輪染みの原因となります。工業用等ではなくクリーニングに適したベンジンを使用しましょう。

 

5.泥ハネの処置はどうしたらいい?

汚れが「泥ハネのみ」の場合には、濡らさない・洗剤等を付けないことが大切です。

 

≪泥ハネの汚れの取り方≫

  1. 雨汚れ等が混じっている場合には、シミ部分を両側からタオルで挟み、水分を丁寧に吸い取ります。
  2. 着物を和装ハンガーにかけて陰干しし、ハネが付いた部分をよく乾燥させます。
  3. 柔らかい毛の歯ブラシを使用して、優しく泥・砂を掻き出していきます。

ガーン 着物の布地を強くこすらないようにしましょう。生地の痛みによる色抜け・変色の原因になります。

 

6.自宅でしみ抜きしない方がいいことも?

以下のような場合には、無理に自宅でシミ抜き・汚れ落としをすると着物の変色・変形等を起こしてしまう可能性があります。

 

無理に自宅で対処せず、1.の応急処置をしたらすぐに専門店にクリーニングの依頼をしましょう。
 

着物の生地が「正絹」の場合

正絹(シルク)は非常にデリケートな生地で、水を含むと縮みやすいのが特徴です。また色落ち・色抜けなども起こしやすいため、ベンジン等での自己処理がおすすめできません。万一自己処理に失敗した場合、専門店でも修繕が難しくなってしまうことがあります。
 

シミの範囲が広い場合

シミ範囲が3センチ以上ある場合、色素の汚れ・油汚れ等を自己処理で完全に取り除くのはかなり難しいです。無理に汚れを取り除こうと叩く回数等が増えた結果、布地に擦れによる変色等が起きてしまうことがあります。
 

刺繍の箇所・金箔銀箔箇所にシミがある場合

刺繍(ししゅう)が施された場所にシミができた場合、「刺繍糸」の染色や素材なども確認しなくてはならなくなります。

 

無理に水分等を与えた結果、糸が縮んで刺繍が歪んでしまう、刺繍部分の色抜けが起こるといったトラブルがあるため、無理に自己処理を行うのは危険です。

また「金箔」「銀箔」などの箔押し加工がされた部分にシミがある場合にも、同様に自己処理(洗剤使用・ベンジン使用)による変色の恐れがあります。
 

色素が強いシミの場合

ワインやブドウジュースといった色素が非常に強いシミの場合、何度か水溶性シミの対処法を行っても色素汚れが取り切れないことがあります。この場合には無理に自己処理を続けると、生地自体に傷みが生じる可能性が大です。
 

シミ原因が「インク」「墨」「マスカラ」等の場合

以下のような文房具・化粧品には、「顔料」という炭素等の鉱物由来の色素成分が含まれていることが多いです。

  • 水性ボールペン
  • ゲルインクボールペン
  • マスカラ
  • アイライナー 等


顔料が入ったシミは水にも油にも非常に溶けにくく、水溶性シミ向けの対策では色素が広がってしまうばかりか、ベンジン等でも容易に落とせない汚れとなっています。

 

上記のような文房具・化粧品等でシミを作ってしまった場合には、自己処理は一切行わずに専門店に依頼をしましょう。

この時、シミの原因になった文房具や化粧品とその成分情報を業者に提示した方が、より的確な対処をしてもらえる確率が高くなります。

 

文房具メーカーサイト・化粧品メーカーの製品サイト等を事前にチェックして、「油性インクか水性インクか」「どんな顔料が使われているか」といった情報を添えて業者に依頼をすることをおすすめします。
 

着用後から時間が生じた場合

着用後2~3日以上が経過し、水溶性シミ・油溶性シミが完全に乾燥してしまった場合、色素が繊維に絡みついてしまい、自己処理で対処をするのが難しくなります。
 

シミの原因がわからない場合

帰宅してからのチェックで、「原因がよくわからないシミ」を見つけたら、無理に自己処理はしない方が無難です。

 

最初のシミ抜き対処を誤ってしまったことでシミが凝固・変色してしまうと、専門店でも元に戻すことが難しくなってしまうことがあります。

 

専門店に「何でシミができたのかわからない」と相談をして、的確な対処を取ってもらいましょう。
 

おわりに

着物が汚れた時の応急処置のポイントはいかがでしたか?どんなシミの場合でも、大切なのが「早めの対処」であることには変わりはありません。

 

もしも「自分で対処するのが不安」という時には、悩むよりも早めに着物染み抜きプロに依頼をされることをおすすめします。

 

染み抜きビフォア

 

 

 

画像:着物染み抜きふじぜん様より

クローゼットやタンスから出してきた服に、変な汚れや覚えの無いシミがポツポツ付いている…こんなことってありませんか?その汚れ、もしかしたら「カビ」かもしれません! 湿度の高い日本では、保管している服にカビが生えてしまうことが意外と多くあります。カビ汚れを発見したら、一刻も早く適切な対策を取ることが大切です。今回は衣類のカビのシミ抜き・シミ取りについて解説していきます。

 

外側のカビを落とす

シミの上に白っぽい綿埃のようなフワフワが付いている…こんな「白カビ」の場合、まずは外側に付いているカビ部分をキレイに落とすことが大切です。

 

ただしカビが口から肺の中に入ると健康上の問題となるので、払い落とす時にも準備や手順をキチンと踏みましょう。

 

(黒カビ・青カビは払い落とせないので、このステップは飛ばして次項へと進んでOKです。)

 

参照記事:青カビ・黒カビへの対処法

 

【用意するもの】

・歯ブラシ(古く、すぐに捨てられるもの)
・ゴム手袋(使い捨てタイプのもの)
・ティッシュペーパー
・マスク
・ゴミ袋
※作業は必ず屋外で行います。室内作業をするとカビ菌を室内にバラまいてしまうので、絶対に止めましょう。
※天気が良く湿度の低い日を選びます。

 

【カビ取りの手順】
1)マスク・ゴム手袋で顔や肌を保護します。


2)衣類はハンガー等にかけておきます。


3)カビが生えている部分をまず、ティッシュ等でザッと払います。使ったティッシュはすぐにゴミ袋に入れます。


4)歯ブラシでカビ部分を軽く叩き、繊維の奥に入っているカビ菌を落とします。使い終わった歯ブラシはすぐにゴミ袋に入れます。


5)日当たりの良い場所で、両面を日光によくあてて、日光消毒をします。

※濃色製品や赤い色味の製品の場合、直射日光にさらすと変色を起こすことがあります。この場合には最後の工程は行わないでください。
※使用したティッシュ・歯ブラシ・マスク・手袋等はすぐにゴミ袋にまとめて屋外に置いておき、早めに捨てましょう。

 

酸素系漂白剤で消毒する

表面にカビが見える状態の場合、カビ菌は繊維の奥にまで入り込んでいる状態です。そのため、外側を払うだけではまたカビが生えてきてしまいます。カビ菌を消毒するために、酸素系漂白剤を使いましょう。

 

【用意するもの】

・酸素系漂白剤(粉タイプ)
・バケツ/洗面器等の容器
・容器のフタになるもの(ラップ等でも可)
・洗濯用洗剤
※水洗いできない製品には、この方法は使用できません。
※ウォッシャブル素材でも、毛(ウール)、シルク、毛やシルク混紡品の製品等にはこの方法は使えません。
※ステンレス以外のボタンやファスナーを使った製品は、金属部が劣化するため酸素系漂白剤が使用できません。
※素材・染色によっては漂白剤による変色・色抜け・品質劣化を起こす可能性があります。必ず事前に目立たない場所に溶液を5分程度漬けたテストを行い、色移りが起きないか確認しましょう。
※白カビの場合、必ず前項の「カビを払う」プロセスを行ってください。カビを付けたままで作業をすると、カビ菌を吸い込んでしまうことがあります。

 

1)バケツもしくは洗面器に、50℃~60℃のお湯を貼ります。(縮みが置きやすい製品の場合には、洗濯表示を確認の上、表示以内のぬるま湯を使用します)


2)酸素系漂白剤を適量入れます。適切な使用量は製品により異なるため、製品の使用説明書を確認しましょう。


3)衣類をバケツに漬け込んだら、ラップ等でフタをしておきます。


4)30分~40分程度つけ置きをします。


5)漬け置き時間を過ぎたら、カビの状態をチェックします。汚れがまだ気になる場合には、1)~4)をもう一度行います。


6)汚れが目立たなくなったら、洗濯用洗剤で洗濯機洗い、もしくは手洗いをして、全体を仕上げます。


7)日当たりの良い場所に干して、全体をよく乾燥させます。(濃色・赤色製品の場合には、陰干しをして褪色を防ぎます)


8)アイロンをかけられる製品の場合には、アイロンを全体にしっかりとかけて高温消毒もしておきましょう。

 

衣類のカビは落としにくい?

比較的新しいカビのシミの場合、ご紹介した方法で丁寧に対策をすれば、カビの繁殖を抑えられることもあります。しかし以下のような場合、繊維の中のカビ菌の量が多すぎるため、自宅でカビ菌を完全に除去するのは難しいところです。

 

【カビ菌が取り切れない例】

・干した後にも衣類がカビ臭い
・カビが生えている箇所が一箇所ではなく複数箇所である
・カビの発生範囲が直径2センチ以上ある
・カビの発生時期がわからない(3ヶ月以上様子を見ていなかった服である)
・カビによる黄変、オレンジっぽいシミ、変色が起きている

 

繊維の中にカビ菌が残っている場合、一時的にカビの汚れが目立たなくなっても、保管するたびにカビ汚れが再発したり、周囲の衣類にカビ菌が付いてしまうこともあります。

 

また自宅でのカビ取りの場合、ご紹介したように「漂白剤の使用」「高温のお湯の使用」「直射日光による消毒」等が基本的に必須となります。以下のような場合には服を傷めてしまう可能性が高いため、残念ながらご自宅で衣類のカビ取りはおすすめできません。

 

【自宅でのカビ取りに向いていない衣類】

  • ウール、カシミヤ、シルク等のデリケート素材
  • 型崩れをしやすいジャケットやコート類
  • 刺繍・レース等が使われいている衣類
  • 着物等、天然染色が行われている衣類

おわりに

カビが取り切れない、カビ取りを自宅でするのは不安、高級衣類だから大切にしたい…そんな時には、早めにクリーニング店に相談をしましょう。ただしカビが生えている場合、単なる「クリーニング」のみではカビ菌の除去ができません。カビが生えている箇所等をきちんと言い添えた上で、カビ取り対応をお願いすることが大切です。



ボールペンといえば日常的に使う道具で、便利なだけでなく無くてはならないツールの1つということができますが、厄介なのがそのインクです。

インク染み

1度洋服や肌についてしまうと落としにくく、最悪の場合は洗濯しても跡が残ってしまうなんてこともよくあります。

こうした経験はだれでもしたことがある、と言ってもいいほどスタンダードなものですから、ボールペンのインクがついた時の染み抜き方法についてはしっかりと把握しておくことをおすすめします。

通常、染み抜きといえば洗剤などを使うのが一般的ですが、ボールペンのインクを落としたいときには除光液が一役買います。

除光液というのは油分を浮かせて落とす役割がありますから、染み抜きにはもってこいなのです。

ただし、インクが付いてしまった部分にじゃばじゃばとかけるのはあまりオススメできません。

洋服の素材によっては色が変わってしまうこともありますから、目立たない生地の裏側などで試してからトライするのが最善です。

いざシミを落とすときには、インクが付いてしまった部分ではなくその裏側に除光液をつけます。

綿棒やウエスなどに除光液をちょんちょんとつけ、ポンポンと叩くようにインクが付いた部分の裏側に除光液を染み込ませます。

またこの時、インクが付いている部分にはあて布をします。

こうすることによってあて布にインクがうつってくれるのです。

これで粗方インクを落としたら水で流す、これだけで簡単にボールペンでついたインクの染みを落とすことができるのです。

関連記事(外部サイト)
ワイシャツの胸ポケットのボールペンシミの落とし方【裏技】
口紅



口紅の染みというのは、非常に頑固ですね。

口紅には油が含まれており、さらに色も目につくため、染みになってしまうと面倒です。

口紅の染みがついた場合には諦めてしまいがちになりますが、実は簡単に家庭で染み抜きが可能なのです。

口紅の染み抜きの場合は、油性であるためベンジンを使います。

しかしながら、一般の家庭にはベンジンはなかなかないと考えるため、中性洗剤とクレンジングオイルを混合したもので代りにします。

口紅の染みになった箇所を、ベンジンあるいは中性洗剤とクレンジングオイル混合したものを含ませた染み抜き棒や綿棒で優しくトントンと叩きます。

この際、絶対に擦らないように注意しましょう。

万一、染みがなかなか落ちないのであれば、中性洗剤を直接染みの箇所につけてもみほぐします。

染み抜き棒というのは、ガーゼや脱脂綿などを割り箸の先に巻きつけ、輪ゴムなどで固定するのみなので、簡単に作ることが可能です。

口紅の染み以外にも、いろいろな染み抜きの場合にも使用することが可能なのでおすすめです。

口紅の染みになった箇所を水で軽くすすいでから、衣類に適した方法で洗濯を行います。

衣類を乾燥すると、口紅の染みはきれいになくなっていると思います。

口紅の染みは、このように簡単に家庭にある中性洗剤とクレンジングオイルで染み抜きが可能です。

うっかりして着替える際についてしまったというような場合以外にも、奥さんに知られる良くないというような旦那さんも、一度試してみましょう。
シャツの襟



襟が黄変した場合の汚れ落としについてご紹介しましょう。まず、襟が黄変した場合の汚れ落としの際に、準備するものについてご紹介しましょう。

漂白剤の酸素系のものを準備しましょう。漂白剤というのは、アルカリや熱を加えるとパワーがアップします。漂白剤の塩素系のものは絶対に使用しないようにしましょう。

重曹を準備しましょう。アルカリ剤として漂白剤に加えて使用します。

重曹は8.2の低いPH値なので心配ないですが、高いPH値のアルカリ剤を使用すると、漂白の効果が大きすぎて色落ちしてしまうそうです。

スチームアイロンを準備しましょう。お湯やドライヤーでも代用できます。

襟が黄変した場合の汚れ落としの方法についてご紹介しましょう。

1.重曹と漂白剤を1:1で混合します。

重曹を直接漂白剤の入った容器に入れると、容器が破損する場合があります。

2.不要な歯ブラシなどを使用して、シャツは濡らしたままで袖や襟が黄変した箇所に塗ります。

3.布地にアイロンをつけないでスチームを噴いて熱を与えます。

4.その後は水洗いを軽く行って、いつもどおりに洗濯機で洗うのみです。

この際に注意すべきことについてご紹介しましょう。


この襟が黄変した場合の汚れ落としの対象になるのは、生地が白いもの、白地に模様があるもので、色のついたものの場合は対象外です。シャツに『洗濯表示』があるのを確認してから行いましょう。

漂白する温度は、50℃~60℃以内にしましょう。60℃をオーバーすると色落ちがある場合があります。
カレーライス

食事をしている最中に、うっかりシミをつけてしまうこともあることでしょう。せっかくの美味しい食事もシミが気になってしまって存分に味わえなかったら台無しですよね。汗

けれどもシミ抜きの基本をしっかりおさえておけばそんな心配も不要です。

シミ抜きの基本は、シミが付いたら出来るだけ早く対処するのが一番大事です。

なぜなら、シミは時間が経てば経つほど、取れにくくなるからです。ドクロ

これはどんなシミにも言えることなので、常に心がけるべきこととして認識しておきましょう。

なので、シミが付いたらまずはすぐに対処することを心がけましょう。

その上で、シミにはいくつか種類があって、それぞれのシミにあった対処法をおさえてきちんと対処するのが大事でしょう。

いろいろあるシミの中で、特にカレーのシミはいくつかの種類のシミが混ざりあっていると言えるので、対処が難しいと言えるでしょう。

水性のシミ、油性のシミに加えて、色素も落ちにくいためです。

ただいずれにせよまずはすぐに水で十分に洗い落とすことが一番効果的でしょう。

時間が経ってしまった場合は、洗剤を用いてシミ部分を揉みほぐしましょう。

よく揉みほぐしたあとに水で流してみてシミが薄くなっているようであれば、落ちている証拠です。

しかし、カレーの場合色素が強いため、シミも薄くなったもののまだ残っているということがあります。

そんな時はさらに漂白剤を用いて薄く残ったシミを取り除きましょう。

これでかなりの部分が落ちたらあとはいつも通り洗濯をかければカレーのシミ抜きはバッチリです。

困ったら一度試してみても良いですね。音譜

カレーの染み抜き剤

洗剤

以前は、粉末洗剤だけでしたが、年々液体洗剤も増えてきて、今では店頭にはさまざまな洗剤が並んでどれを選べばいいかわからなってしまうくらいですね。
粉末洗剤と液体洗剤、どちらが性能が良くてお得かというと、一概に言えないのが事実です。

その液体洗剤は、漂白剤などを使わなくても汚れを落としたい部分に垂らして集中的に落とすことができる点、冷たい水でも洗剤の溶け残りもなくまんべんなく溶かすことができる点などのメリットがあり、一気にニーズが高まりました。

最近では、除菌効果や防菌効果、消臭効果に加え、香りが持続する効果などさまざまな機能も付加されているものが多く登場しています。

実際、コストの点でも粉末洗剤とはそれほど変わらない点もあって、これだけみると液体洗剤のほうが便利でお得な気がしますが、粉末洗剤ならではのメリットももちろんあります。

粉末洗剤のメリットは、泥や脂染み、汗染みや食べこぼし、シミなどのなかなか起きにくい頑固ないろいろな種類の汚れに対して高い洗浄力を発揮する点です。

液体洗剤はオールラウンダー、粉末洗剤は職人技的な仕事をする専門職人という感じですね。

やはり粉末洗剤は冷たい水の時などは溶け残りができてしまうので、夏やお風呂の残り湯など水が冷たくないときに使ったり、頑固な汚れを徹底的に洗いたいときに使用し、冷たい水やそれほど汚れていないときには液体洗剤など、用途や状況などに合わせて柔軟に使い分けることがおすすめですよ。
クレヨン

クレヨンには、水性の物と油性の物がありますが、
水性のクレヨンは普通に洗濯洗剤を直付けしてもみ洗いをするだけでも落ちる事が殆どですが、
油性のクレヨンの場合は水に溶けにくいため、
洗濯をするだけでは染みになってしまいます。


こうした落ちにくい油性のクレヨンの染みを落とすには、
油性の汚れに強いメイク用のクレンジングオイルや薬局で手に入るベンジンを使用します。


まず、クレンジングオイルやベンジンを入らない歯ブラシやタオルで染みの部分に優しく馴染ませて下さい。


この時に強く擦ると、衣類の繊維にクレヨンの色素が入り込んでしまったり、
染みの範囲を広げてしまう事になります。


そしてその後、熱めの45度から50度ほどのお湯でもみ洗いを行います。


クレヨンの染みは、水よりと熱めのお湯の方が落ちやすいので、
このようにもみ洗いをする場合にはお湯を使用するようにして下さい。


また、これだけではクレヨンの染みが落ちにくい場合には、
クレンジングオイルに台所用の洗剤を混合して使うのもお勧めです。


一度で完璧にとれない場合でも、
この手順を何度か繰り返すことで染みは確実に薄くなっていくでしょう。


カーペットなどのもみ洗いが出来ないものの場合には、
歯ブラシで周囲に広げないように洗って下さい。


その後は、熱いお湯を含んだタオルで何度もクレンジングオイルやベンジンを落とします。


また注意事項としては、クレンジングオイルやベンジンを馴染ませる時には、
シミの付いている衣類やカーペットは、濡らさずに乾いたままに馴染ませる必要があります。


クレンジングオイルは、水に濡らすとクレンジング力が落ちるのでクレヨンの染みに馴染むまでは、
濡らさないように注意しましょう。


染み抜きレシピ
早めに処理がキーワード
スパゲッティミートソースは油性と水性の混合ですから、水洗いだけでは落ちません。ミートソースが付着した部分を水で濡らし、台所用中性洗剤をつけます。

台所洗剤には、界面活性剤とが主体なので、これが油汚れを落としてくれます。普通の洗剤でもいいのですが、中性洗剤の方が色落ちがしないでしよう。

綿素材ですと、もんだり、こすったりすればよいでしょう。他の繊細な素材の製品は、タオル等をはさんで、歯ブラシなどで上から叩いてみましょう。取れにくい場合は、何回か繰り返えしましょう。


漂白処理をする
何回か繰り返した後、シミ部分を水で洗い流して、まだシミが残っていたら漂白剤を使います。漂白剤は、市販の酸素系漂白剤を使います。

ここでも、衣類の裏にタオルなどを敷き、シミ部分に漂白剤を塗ります。小さいシミは、綿棒とかナイロン筆が便利ですし、大きいシミには、シミ抜き棒やスプレーなどを使います。

シミ部分をドライヤーの熱風で加熱します。50℃~60℃の温度が目安です。これ以上、熱くすると、脱色がひどくなることもあるので、気をつけて見ていましょう。

シミの取れ具合を見ながら、ドライヤーをあてて調整します。

少しでもシミが薄くなるのなら、これを2,3回くり返し、その部分を水で流して、あとは普通に洗濯をします。

家庭で洗えないようなものは、クリーニング店に依頼しましょう。素人が下手に染み抜きをすると、輪ジミになるケースもあり、大切な製品を駄目にしてしまう危惧もありますので気をつけましょう。
いつも自宅で飲んでいるコーヒーをついうっかりこぼしてしまい、大切なお洋服にシミを作ってしまった経験のある方は多いのではないでしょうか。

コーヒーのシミは落とせないイメージがありますが、コーヒーは水溶性のシミになるので、シミになってからすぐに処理をすると意外と簡単に落ちるんです。

ただし、シミがついたお洋服が水で色落ちする場合は自宅で洗うことができません。判断ができない場合は、洗剤をしみこませたタオルなどでシミのついたお洋服を少したたいて、色落ちするかどうかを確認します。

この時は、お洋服の目立たない部分で試すようにしましょう。色落ちする場合は、クリーニング店に依頼するようにしましょう。

色落ちしない場合は、自宅で染み抜きすることが可能です。コーヒーのシミには、台所用洗剤の使用がベストです。台所用洗剤をコーヒーのシミ部分に直接塗り、水分を含ませて手で揉みこむようにして洗います。

シミがとても小さい場合は綿棒を使用するとすぐに染み抜きできます。繊細でデリケートな素材の場合は、手で揉みこむと傷んでしまう可能性があります。

シミの部分の下にタオルなどを敷いておき、柔らかい布に洗剤を付け、やさしくトントンと軽くたたくようにしてシミを下に敷いたタオルに移すようにします。

その後、水ですすぐようにして洗い流すと、たいていの場合きれいに染み抜きができます。時間が経ってしまって、この方法でシミが取れない場合は、クリーリング店に相談してみましょう。