さあ 湯のしのお話いたしましょう
湯どうしとは
読んで字のとおり といいたいですが 関西方面では「ふかし」または
「地直し」とも言います
大切なことは湯どうしが着物の将来にどれだけ重要であるかです
湯どうしとは 染めや織りが完成したものを水またはお湯の中に入れ
それまでの色々な工程でつかった糊 油成分 繊維に染着されていない余分な染料を
綺麗に洗い流し出す作業です
かつては京都の風物詩といわれた かもがわ 桂川の友禅流しと表現されていました
十分水洗い(水元)をしてある染めは未染着の染料はありません
湯どうしは反物から着物になる為の大切な儀式です
特に大島紬 結城紬 等の先染め物は
織る工程で糸の摩擦と毛羽立を防ぐために
糊や潤滑用の油成分をかなり多量に加工してある
これらは織り上げるまでは 糸を守るために重要でありますが
織りあがってしまえば全く必要なありません
それどころか
◆湯どうしをせずに着物を仕立てると水だけでも
シミになり シミを落とせば際づき(輪取り)ができる
◆生地に染着されていない染料が流れ出す
◆湿気が多いとカビが生える
◆シワができやすく戻らない
◆着ては着ごごちが良くない
◇◇◇湯どうしをしていない着物は良いことは一つもないです◇◇◇
しかし 現代 販売者側にも湯どうしを知らない人がいます
湯どうしで大島紬の艶が消えたと弁償問題にまで発展した例まであります
西陣の綴れの帯 金糸 銀糸を織り込んだ帯
佐賀錦等初めから湯どうしできない物もかなりあります。
絞り物も絞りの甘いもの 濃い色で染めてある物
刺繍のあるもの
等も湯どうしできません
さて湯どうしをしなければならないのは紬類だけなのでしょうか
続く
最後まで読んでいただきありがとうございました
まるやまのりこ