前回も書きましたが、肉腫患者が首を長くして待っている治療薬のピンチについて、患者、家族の会3団体の共同の陳情書を持って大阪に行ってきました。
今回は仮処分申請を出されている移転先地域住民の方々と、まったく同じ内容の質問状を大阪府立成人病センターに出し、翌日までに回答を求めるなどの行為で、仲間の診察予定がキャンセルされるなど、T先生の診療に大きく影響を及ぼしている自民党大阪府議団に対して、質問内容であるのウイルス研究所の先には私達肉腫患者がおり、一刻をあらそう治療を求められている事、またT先生のコントロールがなければ手術も受けられない事などを訴えにあがりました。
冒頭、今回の訪問主旨を伝えると、自民党大阪府議団幹事長から「同府議団からの質問状と地域住民からの仮処分申請はまったく関係の無いものであるし、自民党としては逆に支援している」との見解をいただきました。
また、質問に対して「安全基準を満たした研究室内で行われており、地域住民に危険が及ぶことはない」との府からの回答の記事に対して了解された旨の意思表示が無い事を質問すると、
「了解している、選挙前なのでHP等へは記載できないが、何らかの方法で公表する」とのお言葉を頂戴しました。
そして一刻を争う私たちの病気に対して、これらの報道や、自民党大阪府議団からの質問状に対する回答作りのためにT先生が翻弄されて治療予約が延期されたり、「溶解性ウイルスをつかった標的遺伝子療法」が絡めて論じられ、治療薬の完成が遅れることは私たちの生命に関わることを訴えさせていただきました。
幹事長からの「成人病センターはがん治療の拠点病院であり、将来的にみてウイルスレベルの高い研究を行えるP3レベルの施設が必要」とのご意見を拝聴しましたが、これに関しては将来の患者さんが助かる研究が可能な施設の建設はその苦しみを知る患者にとっては大賛成であり、ありがたい事だとお伝えしました。
しかしながらT先生の研究は、ヘルペスウイルスを使った治療薬の研究であり、P2に該当するとの事で、今回論じられているP3施設とは何ら関係の無い研究だといった話しもなされ、ご理解いただきました。
今回の大阪府立成人病センターの移転に関しては賛成、反対、色々な意見があり、さらには新施設に関しても論議する点は多々あることは充分に理解できます。
しかし、その議論の狭間に患者の命が振り回される事があってはならないと思います。
今回は自由民主党大阪府議会議員団の幹事長と言う要職につかれている方が、忙しい合間をぬって私達のためにお時間を作って患者の気持ちを聞いてくださり、今後の治療薬の完成に向けて更なる支援も理解いただけた事は、日本全国の肉腫患者・患者家族にとって何よりの励みとなりました。
心より感謝申し上げたいと思います。