=トレッドミル=

気温の低い真冬は、屋外での運動に適さない日もあります。トレーニング不足を補うためには、自宅や勤務先の近くにあるトレーニングジムを活用するのもお勧めです。会員制の施設以外にも、自治体が運営するジムもあるので、ぜひ探してみてください。各施設のルールを守り、マナーにも気づかいながら練習しましょう。
走り込み不足を解消するためにお勧めなのが、トレッドミルです。ベルトコンベアーの上を走る機具で、ランニングマシンとも呼ばれます。スピードを自在に調整できるので、長距離走でのペース維持の感覚を養うこともできます。ただし、床が動いていることで着地時に足裏で地面を蹴る動作が少なく済むため、屋外よりも速く走れてしまうのですが、屋外でそのスピードで走るとトレッドミルよりも速く疲れてしまいがちです。トレッドミルでの練習は、スピードを強化するのが目的ではなく、基礎体力(心肺機能、脚の筋力)をキープしながら、鏡や窓に映る自分の姿を確認してバランスの良いフォームを長く持続させることを心がけましょう。

=エアロバイク=

基礎体力(心肺機能、脚の筋力)のキープという目的に対して、もうひとつ有効なのがエアロバイクです。自転車漕ぎのような動きを行うトレーニングマシンで、ペダルの重さ(負荷)を調整することができます。ランニングの着地のように大きな衝撃がかからないため、ヒザ関節への負担が少なく済みます。ヒザに不安を抱える人は、トレッドミルよりもエアロバイクも時間を増やすといいでしょう。負荷のかけ過ぎは禁物ですが、時折負荷を高めて運動にメリハリをつけることも大切です。また、左右のバランス(姿勢、力の入れ方)に注意しながら行いましょう。
ジムによっては、トレッドミルやエアロバイク以外の有酸素運動系マシンが用意されている場合があります。有酸素運動は単調になりやすいので、複数のマシンを順に行うのもいいですね。

=筋トレ=

ジムにはさまざまな筋トレマシンが用意されていますが、ほとんどが強化の対象となる筋肉部位が決められています。正しい選択をし、適切な姿勢やフォーム、負荷、回数で行わないと、対象の筋肉をうまく鍛えることができないばかりか、逆に傷めてしまうことにもなりかねません。必ず係員やトレーナーの方のアドバイスを受けてから取り組みましょう。最初に説明を受けるだけでなく、定期的にフォームをチェックしてもらうことも大切です。
ランニングのレベルアップを目指すのなら、体幹(腹筋、背筋を含めた胴体全体)を鍛えるマシンを中心に行うことがポイントです。太腿など脚の筋肉は屋外の走り込みでも自然に強化されるので、ジムでの練習では、体幹の強化に重点を置いてほしいと思います。具体的には、腹筋、背筋、肩甲骨周り、尻、腸腰筋(脚の付け根の内部の筋肉)などがお勧めです。これらが鍛えられることで、ランニング中の姿勢がよくなり、脚の運びもよりスムーズになります。係員やトレーナーの方に、カラダのバランスや筋力をチェックしてもらい、適したマシンやトレーニングメニューの紹介、さらには自宅でもできる補強運動の指導も受けておきましょう。
ジムでの筋トレは、冬が終わっても、定期的に行うことが望ましいと言えます。強化だけでなく、現在の体力を知るバロメーターともなりますし、屋外でのランニングへのモチベーションを高める効果もあります。