昨日の続きですが、




勘定科目法は企業外部の機関

たとえば銀行などの金融機関が

融資先から入手した財務諸表を元に

固変分解を行うには非常に簡便で

使いやすいといえます。



ただ、それでよいのかというと

固変分解を含めて管理会計自体の性質として、

その企業の内部にいる人間が

意思決定を行うためのツールであるわけだから

それぞれの企業の業種・業態に則したものでなければならないわけで、

実務に携わる人間の目で見たときにこれほど大雑把でよいのか

という疑問を持たざるをえません。



たとえば中小企業庁方式では、製造業と小売業・卸売業に分けて

具体的に勘定科目が列挙されていて

それぞれ固定費と変動費という区分が明確にされています。

ですから今回は、

この方法に準じて進めた方がわかりやすいと思うので、

中小企業庁方式を例にしたいと思います。



たとえば、製造業の固定費として挙げられている電力料や水道料などは

巨大な工場での生産活動で、

それらが大量に消費される業態であった場合

工場の操業度が高まれば

それに比例して消費量は増加します。

2直、3直という感じで工場の稼働時間が増えれば

それだけ消費量も増えるとイメージしていただいても良いと思います。

要するに生産高が高まればそれに比例して増える費用=変動費

と、なるわけです。

あくまで、業種・業態によってこういうことがあるということで

こういう例を挙げ始めたらきりがないくらい出てきます。



再度、中小企業庁方式に戻ります。

今度は変動費の方を見てみます。

外注工賃は変動費の中でも代表的な勘定科目といえますが

これすらも、

例えばロットの生産が終了後に不良箇所が発見されたような場合

それら数百或いは数千個にも及ぶ製品の修理を行う場合に

そこで発生する外注工賃は変動費の性質をもちません。




業種・業態それに、その企業の状況などにより、

先ほども申し上げたとおり

勘定科目法の型どおりにいかないという現実があります。


変動的固定費、固定的変動費なる単語があるくらいややこしい部分です。


このように、費用の性質について論じた場合

最も頼りになるのが生産現場で実際に働いているヒト達からの情報です。



で、イチバン問題だと思うのは、



経理部門の立場は外部機関(銀行など)寄りで、

生産現場からの情報よりも外部の機関向けの仕事にはしりがちになります。

元々、制度会計という絶対的なものがあって

そういった会計的な処理や納税やら資金調達やら

経理部門の本来の役目はそれではたせているわけで、

それはそれで仕方がないとも思いますが


納税に関することは別として、

管理会計として内部資料が作成されていて、

しかもそれが有効活用できているのであれば、



私も元銀行員だからわかるつもりですが

銀行員の目でそういうものを見たときに

質問はするだろうけど、

それが一般論で固められた資料であるよりも

より企業の実情に照らして作成されたものであった方が

印象は良いですし、

問題なのは、その肝になる部分を

経理マンが銀行の窓口できちんと説明できないために


企業内部で育っている良い傾向のものが

管理部門の手によって

意味がないの一言で一蹴されてしまったり、

或いは廃止の方向にいってしまったり、

そういった危険性があるということです。




だから、財務諸表

特に損益計算書などは

見慣れれば仕組みを理解することは

そう難しいことではないので、


一定レベルの役職の方

特に営業や生産といった現場に携わっている方

が、そういうものを理解して、

より戦略的な志向で管理会計を導入していくことを

おすすめします。


管理会計・戦略会計といっても奥が深いです。

制度会計を理解した上でないとできないことばかりです。

経理部門と密接に連絡を取り合える関係になっておくことも

大切だと思います。