木曜日
初めて受ける病気での手術が、まさかの開頭手術。
「髪の毛を剃るんですか?」と聞いたら、剃らないと言う。
それなら、髪が長くて術後に自分で扱うのが大変だから、病院の床屋さんで髪を切りたいと前日から何度か申し出たけど、スルーされた。
当日担当の看護師のUさんも、ちょっと酷かった。
手術の準備等、手伝ってください、とお願いしたら初めは快く受けてくれた。
手術の予定が3時から、自分の昼休みが1時半に終わるから、2時に病室に来ます、とのことだった。
話すと看護師さんに気味悪がられるし、人によっては患者の申し出を月曜日の担当のKさんみたいに無視するので、紙に書いて伝えようと思った。
「術後の様子を家族に知らせる際は、兄にお願いします。連絡先は○○です」
「今日は手術なので宜しくお願いします」
という内容。
Uさんは、ドクターに電子媒体上でその旨をメモに入れておくとのこと。
電話番号とか、知らないでしょ。何故こちらのメモも見ないの?
確実に伝えてほしい旨、連絡先等の情報提供を申し出ると、Uさんの顔色が変わった。
ノートに必死に書いている私の姿を見て、恐ろしくなったらしい。
Uさんの様子を見て、私は嫌な予感がした。
そのため、一人で再度、ICUに患者が持参すべきリストを見て、自分の荷物を確認した。
術後は一晩以上ICUに入る。
書いてある通りに準備した。
Uさんは、案の定、約束を破った。
1時25分に病室にやって来た。手術の時間が早まったので、あと5分で病室を出ると言う。
私の顔も一切見ない。
「確認しますね」と手術室に持って行くバッグを勝手にあさり、スマホは持って行けないのでと言い勝手に出した。
ICUの持参リストは、術後患者だけではないので、そのリスト通りに用意すると品物が多すぎるらしい。
そして、髪の毛を結べと言う。
髪の毛用のゴムは持っていますか?と言われた。
え?そんなの初耳なんですけど。もっと早く言ってください。
仕方なく、持っていた小さなヘアゴムで結ぶ。
車椅子でせわしなく連れ出される。
開頭手術を受けると言うのに、Uさんに、「だまし討ち」みたいなことをされた。
これもKさん同様、人権侵害だと感じた。
騒いでも仕方がないし、手術を受けると決めていたので、一人の看護師の失態で、手術をとりやめるのもどうかと思い、その場でクレームは言わなかった。
手術室に入る前、ドクターの一人に、髪の毛は結んだままで良いのですか?と聞くと、白い目で見られた。
Uさんをはじめ、手術中にずっと髪の毛を結んだままなのかどうか、誰にも説明を受けていなかったから。
麻酔をされ、意識を失った。
その後、一度意識が戻った。
息が出来なかった。苦しい。
え…、どういう状態?…窒息で死ぬの?
口の中から管がずるずると出る感触があり「抜けた、抜けた!」と騒ぐ人の声が聞こえた。
息が出来るようになった。
すぐにまた意識を失った。
その後目覚めた時は集中治療室だった。
一晩安静にすると言う。
開頭手術をしたので、ベッドを少し起こした状態。
それ以上起きられないし、寝返りも打てない。
ずっと同じ姿勢で腰が辛いので、態勢をかえるクッションを入れてもらったりした。
暑くなったり寒くなったりした。
私は熱が出ていたらしい。
外から色々な声が聞こえた。
主にスタッフの声。
感染症の検査をしろとか、他のICUの患者さんの悪口とか、いろいろ。
私については、不整脈があると話していた。
私の患部に軟膏を、ドクター二人と看護師さん一人で塗る機会があった。
ドクターの一人が、看護師さんに向かって、「軟膏を出し過ぎ、そんなにいらねえよ」と荒い口調で伝え、出て行った。
看護師さんが「怒られちゃった、テヘ。○○先生、今日機嫌悪いね」ともう一人のドクターに言う。
そんなことより、早く軟膏塗ってください。
と私は内心思っていた。
術後、兄には連絡がいかなかった。
待てど暮らせど連絡が来ないので、兄から病院に電話し、無事に終わったと聞いたらしい。
家族から連絡をする必要があるなら、最初からそのように伝える責任があると思う。
完全に、病院の落ち度だと思う。