アタシ、リストラされたこと1回あるの。
会社(店)が無くなったって事は2回もあるの。
ギリギリバブルに乗れなかった世代だからね・・・みんなもいろいろあるのかしら。
最近だと、内定しといてわざと辞めるようにしむけたり、ヒドイ話聞くもんね。
今日はアタシのそんな変な会社の思い出。
「初めての就職」の次に働いた会社。
その会社、なんかいろいろ変だった。
今も生き残ってるみたいだから会社名は出せないけど。
アルカリイオン浄水器とか作ってる会社だったんだけど
バブルが終わってから盛り上がった会社で、工場員と事務員を大量募集してた。
急に大きくなった会社だから、採用されて入ってみると、みんなほぼ何日差の入社。
中途採用者だらけ。昔からいた人はごく一部みたいな。
だから派閥はあったけどみんな仲良かったしアタシ個人的には楽しい会社だった。
そぉそぉ、一時だけど、有名な女優さん使ってCМもやってた。
変なエピソード① 週刊誌
ある日回覧板がまわってきた。
「これは真実ではありません。」っていう文章と一緒に週刊○○のコピー。
週刊誌の掲載内容は手形詐欺。
社長の実名が載ってたけど、内容がサッパリわからなかった19歳のアタシ。
(今読んでもわかんないかも;;)
とりあえず自分の印鑑を押して隣の人へ。
うさんくさい会社だなぁ~とはちょっと思いはじめた。
変なエピソード② 街宣車
仕事中、いきなり軍歌の大音量とスピーカーからのどなり声。
絶叫してるから声が割れてて内容はサッパリわからなかったんだけど、
すごい音量だから、みんな仕事がまったくできない。
誰とも会話できないくらいの大音量だからみんな仕事を中断して顔を見合わせるだけ。
当然電話も出れない。(ってか電話の音に気づけない)
しばらく会社の前で右の翼のお方の活動のそれが続いた。
でも若かったアタシはちょっとワクワク。
するといきなり正面玄関から、一人の迷彩服っぽいのを着た人が
敬礼をしながらの入場。
「○○の○○に対しての~~~~抗議文を持ってきました!!」って
なんだか忘れちゃったけど、言葉づかいはとても丁寧。
ってか軍隊式。
スネ夫タイプの課長がいそいそとそれを受け取る。
「確かに渡しました!!」みたいな事言ってさらに敬礼して退場。
出ていくとまた大音量の軍歌とスピーカーからの怒鳴り声。
それから後は○○駅前に行って延々この会社の悪行をスピーチしてたらしい。
・・・やっぱりこの会社はおかしいと思った。
変なエピソード③ マ○チ商法
19歳で入社してそのまま20歳になったある日。
友達から電話で「アタシはくぴとと一緒に頑張りたい!!」と興奮状態。
これって・・・もうわかるよね?あれよね?あの商法よね?
でもアタシにしたら一番信用してる友達だからそれはないと思ってたんだけど
当時の彼氏に言ったら「そんなのマ○チにきまってんだろ」と言われた。
「いや、あの子だけは絶対違うから行ってくるね。」
と張り切って呼ばれた所に行くと・・・
やっぱりマ○チの説明会。
「では、まずこの会社の説明をします。ちゃんとした会社という事をわかってもらいたいので」
と、ホワイトボードに書かれたその会社名は・・・アタシが働いてる会社だった。
「○○市にあるこの○○という会社は・・・」
知ってるよ。今働いてるし。
例の如く最後は数人に囲まれて、やんやの説得。
「アタシ○○の社員ですから」と断ると「じゃあ自分の会社の堅実性は知ってるよね♪」
とまったく気にせず勧誘を続ける。
「いや、欲しかったら社割で買えますし・・・」と断るも、
「でもここで買えば自分の収入になるんだよ?
自分の会社の宣伝もできるし利益も上がるよ?」って。
別にいいし。
なんだかんだ「とりあえず考えてきます」と脱出に成功。
なるほど、これであの会社は大きくなったのね。と納得。
次の日会社の仲良し組にさっそく話したけどね。
「そぉいうわけかぁ~!!やっぱり、この会社ちょっとおかしいと思ってたんだよね。」とみんなも納得。
変なエピソード④ リストラ・・・長い一日
前々から「髪の毛が茶色い」と言うだけで、
本社の本部長から目をつけられていたのだけど
どぉしてそこまでされたのかよくわかんないけど、本社へ異動させられた。
これ、栄転じゃないよ?普通本社なら栄転なんだけど。
俺の監視下に置く。って意味の移動ね。
これがアタシの戦意喪失。
ってかアタシが働いてた工場&事務所と本社は目と鼻の先。歩いて1分の場所。
仲良く楽しく働いていた工場事務と違って本社はシーンと静まっていてお堅い場所。
若かったアタシはもうそれだけで辞めたかった。
ついでにこの頃のアタシ、夜は水商売のバイトをやっていてクタクタ。
ついでに新しい恋をしていて、遅くまで車の中で彼と話たり、とにかく睡眠不足。
やる気のなさと睡眠不足で頻繁に遅刻しはじめていた。
そんなある日、やっぱり遅刻した。もう本気で辞めたかったアタシはだいぶ適当になっていて
元いた工場事務所に寄って友達としゃべってから本社に行こう♪と
お気楽に工場事務所の窓をのぞいてみると・・・・(今にして思えば虫の知らせ?)
なんだか様子がいつもと違う。
この時間なら工場に出払ってなきゃいけない作業着のオジサンたちが事務所にあふれかえってる。
オジサンのイモ洗い状態。
そんでなんかパニックになってる。
膝ついて泣いてるオジサンもいる。
ボーゼンと何が起こったのか見ていると、一人の友達が覗き込んでいるアタシを発見。
走ってドアまでやってきたその顔は泣いていた。
「ヒドイ。EちゃんもKちゃんも解雇。クビだよクビ!!信じられない!!」
その言葉を聞いてアタシがまず最初に思った事は・・・
アタシもクビなはず。だって茶髪で嫌われて本社行かされたくらいだから。
ならば一緒にこのパニックを楽しみたい!!
能天気な若者だったアタシ。
「じゃ、アタシもクビだから、今、本社行ってクビになって戻ってくるから
待っててって2人に伝えて!!すぐ戻ってくるから~♪」
と言って本社にダッシュ。
本社は、工場事務所と違っていつものように静か。
何事もないかのようにみんな仕事をしている。
今の、夢だった?って思うくらい。
本社の人間は誰もクビじゃないのかぁ~と悟った。
案の定、目の敵の本部長にすぐ呼ばれた。
今までは散々(といっても面と向かって言われた事はなかったけど)アタシの文句を言ってた人が
「まず。本当に君には今まで済まなかった・・・本当に申し訳ないのだが・・・」
「クビですよね?わかってます。今工場行ってきましたから。」
言いにくい告知をアッサリ受け入れたアタシに本部長もビックリ&安心したみたい。
いやいや、こちらこそ、遅刻の言い訳考えないで済みました、みたいなね。
ウダウダと言いわけを聞く気もなかったのでサッサと会議室を出て
一緒に組んで仕事をしていたベテランオバサマIさんの所へ行って
「アタシ、クビになったんで帰ります。」と机の私物だけを取り出すと
「そんな急に言われても困るわよ!!どぉいう事よ!!」とアタシに逆ギレ。
「さぁわかりません。でももうアタシには関係ないんで。」
今だったらちゃんと引き継ぎも、もういいってくらいしていく大人なアタシだけど、
何度も言うけど当時のアタシはなんせ若かった。責任感がまるでなかった。
そこでIさんとひと悶着していると
バーン!!!!と正面玄関の扉が勢いよく開いた。
「くぅおらぁぁぁぁぁ~~!!
ハゲはどこじゃぁぁぁ~~!!」
本社一同ビックリ。みんな手を止めて正面扉に注目。もちろんアタシも注目。
見ると、とある倉庫の責任者の50代のオジサンと、違うS工場勤務の30代男性。
ちなみにこの50代のオジサンは、噂では社長の友達で働いているだけのチンピラ風の人。
その倉庫に行った時に1,2回お見かけしたけど、特に仕事をしている様子はなかった。
そしてこの30代男性も、S工場に行った時とか社内イベントで1,2回お見かけしただけなんだけど、
とても無口でおとなしい人。
だけど彼、木刀(か、廃材?忘れちゃった)を持参して来たのよ!!
しかも漫画に出てくる不良みたいに肩にかついで。
ちなみに怒鳴ったのがこの50代チンピラ風で、チンピラの後ろに30代男性。
ふと、その正面玄関の端っこを見ると、クビになったアタシの友達2人が立っていた。
解雇の手続きをしに来たんだろうけど絶妙なタイミングで男2人が乱入しちゃったから
とりあえず火の粉がかからないようにおとなしく立ってた。
そして目が合った。
そして吹き出しそうになった。
こんな緊迫した状態なのに、笑いそう。
笑いを堪えるため3人がそれぞれ不自然に下を向く。
「大変な事になっちゃってるけどぉ???しかもハゲとか言ってるし?」
「言ってた言ってたハゲだって!!!でも、なんか楽しいわね♪」
っていう一瞬の目と目の会話だった。
その場にいた一番偉い、なおかつ唯一の男、スネ夫課長が
「ハゲっていったい誰の事を言ってるんだ!!」
と、勢いよく50代チンピラオジサンの元に行くと
バッコォォォーン!!!
速攻チンピラオジサンにグーで殴られてた。
「キャァァァァァー!!」女子数名の悲鳴。
振り向くと本社勤務女子数名が固まって泣いていた。
ピクリとも動けずに、目を見開いたまま、ドラマのように涙がボロボロ流れてた。
で、殴られたスネ夫は
「す、す、す、すいまひぇん・・・
わかりまひぇん・・・」
と、さっきの勢いはどこへやら。
急に別人のように弱々しく手で頬を抑えてヘナヘナと座り込む。
でもね、アタシは知ってたの。そのハゲがどこにいるか。
ハゲとはアタシの事を嫌い、アタシに解雇を告げた本部長の事。
アタシと一緒に会議室を出て、アタシがIさんと揉めている時にトイレに入ったのを目の端で見てたから。
そしてトイレは、今スネ夫とチンピラおじさんのちょうど真横のドア。
多分今頃、出るに出れなくなって、ドアの向こうで固まっているに違いない。
アタシはもう「そこのドアの向こうにいる!!」って言ってやりたかったわぁ~
ドリフみたいに「志村!!後ろ!!うしろぉぉぉ~!!」って言いたかったわ。
(昭和)
アタシを散々苦しめた、その本部長が殴られるとこ見てみたいって思った。正直。
でも、さすがにそれはやめておいた。木刀持ってたし。
そしてその場で「ハゲはどこにいる」「知りません」の会話が続き、
「探しに行くぞぉ!!あのハゲに逃げられると思うなって言っておけやぁ!!」
と捨て台詞を吐いて退散。
アタシは正面玄関の端っこで居場所なさそうに、申し訳なさそうに、でもちょっと楽しそうにしてた
けど解放された友達のとこへ行って「今クビになったから一緒に帰ろう♪」と言うと
「手続きしてくから駐車場で待ってて。
ってか、もっとスゴイ事あったみたい。後で話すから。」と言われた。
駐車場で待っていると、クビになった仲良し男子社員数人がいて
「今日は頭に来た。みんなでメシ食ってこうぜ。」
クビになっていない社員も一緒に数十人でファミレスに行く事になった。
みんなで集合して面白い話って言うのを聞いてみると
あの本社襲撃事件よりも前に、車で数10分の近所のS工場にもすでに
チンピラ50代と普段無口な30代男性が大暴れしたらしい。
木刀(廃材?)で机の上の物やらなんやらすべてをなぎ倒し
事務所の中をメチャクチャにして、大暴れ。
最後にはS工場長(多分60歳くらい)をボコボコにして
救急車で運ばる大流血事件があったらしい。
それを聞いて他の工場長とかも雲隠れしたから被害はそのS工場長だけで済んだらしい。
要は、チンピラ50代は社長の友達だと思って甘えていたのに、リストラ人員に
自分が入っていた事に腹を立て、普段おとなしい30代男性を連れまわして大暴れしていたらしい。
普段無口なその30代男性も、チンピラを仲間にした事で、ちょっと勘違いというか
憂さ晴らししてしまったみたい。
でも、なんだかんだ言ってそぉいう人が一番コワいよね。
結局工場3つともほぼ閉鎖でそこで働いていたパートさんも社員もほぼ、解雇。
その日、パートさんを含む何百人の人たちが解雇になったんだろう・・・。
ファミレスで散々今日の話で盛り上がった後、
クビにならなかった人たちは会社に戻り、残ったクビ組で
車2台にわかれて、事件現場のS工場を見に行ったり、
(当然事務所には入れなかったけど、駐車場に血が点々としていました。コワッ)
なぜかみんなで仲良くパチンコしてみたり。(誰も勝てず)
最後は工場の駐車場に戻ってみんな各自分の車で帰途につくんだけど。
ご飯食べてた時に聞いた話によると「異論があるやつはみんなで集まって暴動を起こそう!!」
と言うイベントのお誘いがあったらしく、確かに帰る時に工場の裏に
何十人かのオジサンたちがワイワイ集まっているのが見えました。
一緒にご飯食べた仲良し男子社員は
「そんなのなんにもならねぇよ。俺は女房子供食わせていかなきゃいけないから
さっさと気持ち切り替えて職探しするよ。」と言っていた。
事実、後から聞いたらただ集まって文句言ってただけで行動は特に起こさなかったみたい。
そしてアタシは、その日友達に「憂さを晴らせ!!」となぜか行った事もない
遠ぉぉぉぉ~い前橋のKING&QUEENに連れて行かれ、
そこでもプチ事件があったのでちっとも憂さは晴れず(笑)
(ってか辞めたかったから憂さなんてなかった)
次の日の朝にM雄(父)に
「これから寝るけど起こさないでね。アタシクビになったから」
と起こさないように釘を刺した。
M雄 「なんで?なんでクビになったの?」
くぴ 「さぁ。頭茶色いからだってさ。」
M雄 「・・・。そぉか。お前が頭黒くする気ないならしょうがないな。」
と精いっぱいの理解を示してくれたM雄(父)。
でも、アタシやっぱりここでも運が良かったの。
リストラされてかわいそうって思いがちな話なんだけど、
アタシは睡眠不足と本社勤務がイヤでもう辞めようと思っていた時だったから
絶好のタイミングだったわけ。辞める言いわけも考えずに済んだし。
結局リストラはその後も第2弾、第3弾・・・・と続き
結局アタシの残った友達も含むほとんどの人がクビになったわけ。
残った人たちは、アタシ達がいなくなった分の仕事をこなすために連日残業。
そして1か月前に予告されて解雇。
アタシ達第1陣は、予告なしだったからある程度の金額が会社からもらえたの。
(なんていうんだっけ?そぉいうお金?)
職安に行っても「会社都合の退社」だから割とすぐに失業保険ももらえたし。
後から解雇された子は仕事が2人分3人分に増えて、なおかつお金ももらえず
失業保険貰うまでにも時間がかかった。
「くぴ達ほんと、運が良かったよ~!!」と、遊ぶたびに嫌味を言われた。
アタシ、ホント運だけはいいのよね?
ホントに運がいい人はそんな会社じたい入社しない?
うん。そぉいう考え方もあるわね。
でもさ、いい年したオジサンたちの暴動が見れて楽しかったし
なかなか貴重ないい経験させてもらいました。
あの当時はまだ、あんな大量解雇ってめずらしかったんじゃないかな。
バブルは終わってたからあるにはあったと思うんだけど。
突然解雇、その後突然倒産やらを経て、
「会社なんて明日はどぉなるかわからない」
と言う考えがアタシの身につきました。