「我が主人、市民検診受ける時、医者の言葉を理解しがたく」

その日は用事があったので、私と一緒ではなく

主人一人で、いつもの町医者へ行った

私が代理で書いた

問診表を提出して、検診を受けることに

血圧を測り採血をして

心電図を読み取るなど手早く進める中で

尿検査の言葉につまずいた

キョトンとする主人に

看護師さんが

「おしっこの検査をしますので」と言い換えて

紙コップを渡した感じ

たぶん採血をする時も同じで

「今から、血を取りますね」だと主人に通じた感じです

 

家に戻るなり主人が私に言った、えらいこっちゃあ

俺、医者の言う事何にも分からへん

それでどうしたの

なんやかんや言うてるうちに少しずつ

出来たけどもすごく疲れた

 

 

もう、すっかり歳を取り思考力も衰えている主人です

小学校を一年余りで終わり

そのまま家の仕事を手伝いながら暮らす

中学も飛ばして

やがて大人になった主人を

頼みの綱にして、貰いっ子の私は家を出ました

まわりの人に押されて家出をした感じ

五年生くらいから実家へ通い

お金を借りては

義母の借金払いを担っていた私を、可哀そうに思い

なんとかして今の苦しみから

救ってやりたいとの思いから、主人との結婚話を

持ちかけたのは私の上司で

主人の叔父にあたる人

遠くに離れている甥がまさか無学だとは全く知らずに

良かれと思いお世話をして下さった

後に謝って下さったが

当時の私には

家出をするには、主人が格好の星の王子様だった

 

 

運よく私は、当時、衆議院の議長を務めていた実父の

血をしっかり引いているようです

一応これでも女ですが、工場長や副社長の話など

開拓精神が大勢な上に

何をしていても、いつの間にか自分が長になっている

おばあちゃんになった今では

威力が無くなりつつあるものの、相談事を受けると

応援出来そうな事であればついつい

気軽に受けて奔走するので

大勢に喜んで頂けた

娘は、母さんの善行のお陰で

功徳が私に来ているようで、ラッキーなことばかりだと喜ぶ

本当にそうなら

こんなにうれしいことはない

時々、腹の立つ我が家の王子様も昔の事を思えば

貴方のお陰だと言えるかも

けど面倒を見るには覚悟がいりそうです

 

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。