KI | 楔形文字の世界

楔形文字の世界

楔形文字を少しずつ紹介していきます。


(René Labat, Manuel d'Épigraphie Akkadienne: Signes, Syllabaire, Idéogrammes より)

シュメール語でkiと読み、「地」を意味する文字です。

この字にたくさん使われている横棒は、
シュメールの地に引かれた灌漑用の水路を表している、
という説を聞いたことがありますが、
真偽のほどは定かではありません。

ただシュメールの農業では、
少ない時でも播種量の20~30倍、
多い時には播種量の70~80倍程度の穀物を
収穫することができたといいますから、
この灌漑のシステムが、当時の世界では
他に類を見ないほど優れたものであり、
シュメール人が「地」の字に入れるほど誇りに思っていても
おかしくないものであったのは確かです。