昨年10月に来日したオランダの穀物商社ニデラのトップは、日本の大手商社に相次いで25%程度の資本参加を持ちかけた。ニデラは将来、世界の“食糧倉庫”に成長する南米の生産地に大きな影響力を持つ。ある大手商社は幹部がオランダまで出向き、出資について膝詰めで談判したほどだ。
しかし、ふたを開けるとコフコが1200億円超とされる破格の買収額でニデラ株の51%を取得し、子会社化を決めた。日本勢は蚊帳の外だった。
業界内ではコフコの新たな買収の噂もささやかれる。歩調をあわせるように中国政府は4月、ブラジル産トウモロコシの輸入解禁を発表した。大手商社幹部は一連の動きを「中国企業の動きは国策そのもの。人口増加を背景に争奪戦になる食糧資源だけに、日本の民間1社の力では限界がある」と嘆いた。
これまで世界首位の大豆生産国ブラジルでは、穀物メジャーに続いて日本の大手商社が先行していた。三井物産は同国最大の農業生産法人と提携し、バイア州などで大規模な大豆農場を経営。三菱商事は穀物集荷会社を子会社化した。
このほか、丸紅はブラジルの港湾施設会社を子会社化し穀物輸出ルートを押さえたほか、双日も農業生産法人に参画し、4月に本社から8人を送りこんだ。南米戦略で先行していた日本勢だが、中国はニデラの買収で出遅れを一気に巻き返した格好だ。
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