今日はだれの作品か不明のものです。
まあ、アンティークなので当たり前なんですけど。

この皿はキュノアール(cul noir)と呼ばれるものです。
南フランスで1900年ごろに作られたものだと思います。


器な生活-尻黒1


キュノアールのculは「尻」、
noirは「黒」とを意味するので
日本語だと「尻黒」です。

何が黒いのかというと、
皿の裏が黒いのです。


器な生活

皿の表だけに白釉をかけています。

裏が黒くなるのはたぶん、
鉄分の多い土だからでしょう。
なんとなく薩摩黒のような色調です。

この皿の絵付けはとても素朴です。
日常の皿として使用されたのだと思います。


器な生活

柔らかい白地に無数の貫入が入り、
なんともほっこりとした雰囲気を出しています。

私とこの皿との出会いは、
パリ最大の蚤の市、
クリニャンクールでした。


器な生活-クリニャン

このお店で無造作に置かれていました。

じ~っと見ていると、店のおばさんに「何人?」と聞かれました。
「日本人」と答えると、「ああ、日本のバイヤーだね」と言われました。

ちなみに私、職業不明のようです。

wad cafeやIRIE Cafeで何度が顔を合わせていた、
45Rというショップの方は、実際に話をするまで、
ずっと私をショップのバイヤーだと思っていたそうです。

ミッキー絵本 をスイスのチューリッヒで買ったときも、
古書店の人から「バイヤーか?」と聞かれたので、
国境を越えても間違われます。

極めつけが、京都で茶筅を買ったときで、
店の方から「茶人ですか?」と聞かれました。
そんな職業があることすら想像したことありませんでしたが・・。

話が逸れましたが、
その時、店のおばさんから、
「この前、日本のバイヤーが買った皿には、
欠けがあったけど、これは完品だよ」
と言われ、思わず買ってしまいました。

Tシャツでグルグルにまいて、
PC用のかばんに詰め込んで、
帰国したのでした。