「私も大人になったな、こりゃ大変だな」なんて漠然だけど初めて感じたのは、多分職場で部下という存在ができたときだったと思う。ブカガデキテなんていうとちょっとカッコよく聞こえるけど、ようは私が初めてちょこっと昇進し、行動を共にする年下の新卒が入社してきて、彼のやったヘマを先方へ一緒に謝りに行ったとき、とうとう大人の階段をのぼらされたぜって気がしたのね
日本の男社会でさんざんもまれた私は、大人になると同時に、男になることも実践してきたわけで、だからこの頃は「大人になる」より「男になる」のに必死だった気がする。若かったからこそ誰にも相手にもされず、やっと口を利いてもらえたと思ったら「デパートで化粧品でも売ってたほうが向いてんじゃない?」とか「ゴルフのコンパはミニスカートで来いよ」とか「○○さんの横に座って笑顔でお酌をしなさい」なんて言われて、でも懲りずにトイレで息を殺して泣きながら、謙虚に仕事に打ち込んでたいじらしい私。まさに無我夢中だった中、ある日気がつくと、暴言を吐きセクハラをしていった人たちは殆どリストラされていて、そして自分の成長をちゃんと見てくれてる人がいて、ちょっとやそっとじゃくじけない、転んでもただじゃ起きない精神のもと、全てが報われていたのだったから結果オーライなのだけど
そして年を重ねていくごとに、初見でナメられることはなくなっていき、逆につまらないシモネタでも一緒に笑ってついでにもういっちょかぶせられるほど図々しくようになった。ただその頃の反動かトラウマかは自分でも定かではないのだけど、いまだにバカの一つ覚えみたいな能書きで、人の意見に聞く耳すら持たない自惚れた男尊女卑ヤローを見ると、酒臭いねちっこい息を吐きながら私に一貫性のない説教をしてきた彼らを思い出し、イチイチ戦闘モードに入ってしまうのが私の悪い癖![]()
その次に「大人になるって大変だ」って感じたのは、会社員をやめ、年間契約で自宅勤務を始めると共に、税金の申告を自分でやらなくちゃいけなかったときだけど、思わず愕然としたのが、私はなんてお金に無頓着なんだろうということ。
もちろんお金がなくちゃ生活できないのは重々承知してるし、一生懸命寝る間を惜しんで長い間働いてきたし、貯金なんかは人並みにしてたけど、あまりにもお金の知識がないことに自分でもびっくりしたわけで。
ぶっちゃけ、私は裕福なおうちに育ったわけではないのね
こんなこと書くとびっくりされちゃうかもしれないけど、先日UPした『リンカーン涙のミッドナイトドライブ』
を観た人ならすぐ分かる、ダウンタウンの松本が作詞した涙を誘う「チキンライス」という歌があるのね。その歌詞に「小さいときに外食して高価なものを頼むと二度と連れてきてもらえない気がして、いつもチキンライスを頼んだ」という節があるのだけど、私に言わせれば「っつーか、外食できてたんでしょ?」って感じ
いや、誤解してもらっちゃ困るのだけど、だからといって外食したかった記憶もそんなにないし、私は日々美味しいご飯を食べて暮らさせてもらってたし、そりゃ欲しいものはそれなりにあったけど、本当に必要なものは与えてもらっていたわけで、余分なものはいつか自分で稼いで買おうぐらいの物欲しか持ち合わせていなかったんだと思う。それにどういうわけか、本だけは買ってもらえてたから、そういうものだと思って今でも覚えているような不平不満は別になかった。
だから、1杯の掛蕎麦を家族で分け合って・・・なーんてシチュエーションは、実際にあったのかもしれないけど、私には分からないようになっていた。逆に高校生ぐらいのとき、親戚のおじさんと練馬にあるお寿司屋さんへ行った際、おじさんが嬉しそうに「中学生になった娘は俺のツケで、ここの寿司をいつでも食べられるようになってるんだ」と言ってるのを聞いて、すごいな~と羨ましく思いながらも、ひとりぼっちでお寿司を食べるより、おうちで親とナイターでも観ながら一緒にカレーなんかを食べられる方が十倍いいやって、黄色い西武線の電車を見ながらぼんやり考えてたことを思い出すほど。
「お金のあるところにお金が生まれる」なんてのは誰でも知ってる事実なわけで、じゃあお金に縁のない人はどうやってお金を管理すれば?ドナルド・トランプなら、なんて答えるんだろう。
私の仲の良い友達に、自分の旦那に「ケチワイフ」と呼ばれ「ケチワイフの唄」まで作詞作曲された女性がいるのね。その恐るべき歌詞の内容を簡単に和訳すると「出かけるとき~、家中のコンセントを抜かせるから~、いつも電化製品の表示が点滅してる~」とか「俺はいつも同じ使い捨てのカップで何かを飲んでいる~」とか、それはもう爆笑に告ぐ爆笑で、是非CD化して欲しかったほどなのだけど、そんな彼女、実はなんと元エリート外資系銀行員。極論お金に詳しい彼女は、お金の増やし方を知ってるわけで、頼めば株や投資の話をしてくれるのだけど、どうもお金に慣れていない私は勉強する気が起きず、結局もらったお給料をそのままの状態で貯金し続けるという、知ってる人に言わせれば「ありえない!もったいない!」というアクションを取り続けて今日に至っているわけであります。ま、給料を円で貰ってる私なので、日本に帰ったら銀行のお姉さんに相談しようとは思ってるけど・・・お金は苦手だわ![]()
責任を持って生活していく=お金の管理って図式がどこかにあるから、私は思い出したように時折自分の未熟さにあたふたするわけだけど、実際私を困惑させているのは、お金だけじゃないのだ。
こんな大人になれない私を「こ、これが大人の世界だぜ」と思わせた出来事のひとつが、最近会った人に、いきなり「あなた、子供いないでしょ」と言われたときのこと。「お子さんいますか?」じゃなくて「子供いないでしょ」と言われたの。語弊がないように説明するけど、こう言った彼女はそれは明るくフレンドリーな人で、決して嫌味とか悪気があって言ったわけではないの。だから私も「はあ?」とは微塵にも思わなかったわけで、だから「いないよー」と笑顔で答えたわけだけど、その理由が、私はネイルの手入れをしてて、小ギレイにしてるからというもの。小ギレイにしてて「子供いないでしょ」って言われたことが今まで一度もなかった私は、なんか妙に大人の世界でジャッジされた気がして「私も大人の世界に入ったなあ」っと家に帰ってしみじみ考えていたわけなのであります![]()
そしてちょうどその夜、カリフォルニアに住む大好きな友人と電話で話してたら、何気なく彼女が「会社の愚痴とか、恋愛の相談を聞いたりとか、たまにはそんな話したいよ」っと言ったの。彼女はすごくしっかりしてる女性だから、そんなことを思うのかってちょっとびっくりしつつ、妙に共感してしまって、そうか、私もそう思ってもいいんだって
住宅ローンについてだの子供の大学費用についてだのオットの立場だの、大人として考えなくちゃいけないことは山ほどあるのだろうし、そうやって堅実に生きてる人たちに尊敬の眼差しを送る自分がいるのは確かだけど・・・それなのに「ま、なんとかなるでしょっ」って安易に思っちゃってる自分が、妙に愛しく、そして可笑しくてならないのでした。だってね、今更そんなにお金だの何だのって心配するぐらいだったら、自分で稼ごうなんて意思はさっさと捨てて26歳ぐらいのときに、大金持ちだったナントカ君と結婚して、今頃子供のお受験してるわっつー話よね.。だめだめ、私は所詮貧乏ケセラセラ体質![]()
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