”料理”とは、
以下は北大路魯山人の”日本料理の基礎観念”の一説です。
【料理とは食というものの理ことわりを料はかるという文字を書きますが、そこに深い意味があるように思います。
ですから、合理的でなくてはなりません。ものの道理に合わないことではいけません。ものを合理的に処理することであります。
割烹かっぽうというのは、切るとか煮るとかいうのみのことで、食物の理を料るとはいいにくい。
料理というのは、どこまでも理を料ることで、不自然な無理をしてはいけないのであります。
真に美味おいしい料理はどうも付焼刃つけやきばでは出来ません。隣りの奥さんがやられるからちょっとやってみようか、
ではだめであります。
心から好きで、味の分る舌を持たなくては、よい料理は出来ないのであります。】
これは日本料理のみならず、フランス料理にも、料理と名のつくものにはすべて言える土台となるもの、
基礎的な考え方だと思っています。
例えば一口にフランス料理といっても地方によって気候が違えば収穫できる素材も違い、またそれぞれに合わせる素材もまた違う。
星付きのレストランで供される食事もあれば、ママンのご飯もある。自身常々意識するところは、料理という文化を
職にしている以上、しかもそれが外国の文化であるのならなおさら、その文化的背景をより理解しなければ自分の作る料理が
上辺だけのものになってしまうだろうということ。
この料理はなぜこの組み合わせなのか。なぜ調理に際してこの食材を必ず用いるのか。この料理はなぜ。。。。
考えれば自ずと答えは出てくるし、考え無ければ空虚な料理に終わってしまう。
やはりお客様に喜んでいただきたいから、知りたいことばかりです。まだまだ足りないし、まだまだ勉強。
更に困ったことにフランス料理なのに日本の食材もちゃんと生かしてあげたい。これもう大変すぎてきりがない・・涙
でも、そんな気持ちで作った料理が皆さんの楽しい時間の一助になってるとしたら
これほど嬉しいことはないです。
料理人・サービスマンに憧れる多くの若者たちにこの仕事の素晴らしさを実感して欲しいですね。