明日はとても寒く、雪が降るよう。せっかくの土曜日、センター試験に行く学生さんが困ることのないよう、お祈り致します。
最近、ブラッシュアップのために各地のワイン産地の勉強をし直しているのですが、私がワインエキスパートの勉強をしていた10年前より、フランスの試験範囲がとても狭くなっていることをちょっと残念に思っています。これは、嗜好の問題なのでそんなことを思っても世界は広いので仕方がないのですが、今はニューワールド...アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリなどが品種の個性や味を大事にしたワインを作って成功していますので、それぞれの国を学ばなければならない風潮なのです。
バルザックの「谷間の百合」というフランス文学がありまして、美しい人妻が、近くに居候している若い男性と我慢に我慢の末、とうとう恋に落ちる内容のものなのですが、ストーリーの背景であるその地方の自然描写がとても美しくて「ここはどこなんだろう?」と読みながらうっとりしていたことがあります。
そこが「ロワール」です。
10年前はブルゴーニュの次に試飲をしていたのがロワールのワインでした。シノンやブルグイユを愛飲していて、カベルネフランという2の次の品種で作られているので、田舎臭い味でしたが、そこが「フランスの庭」と呼ばれているロワールらしくて気に入って飲んでいました。また、ビオワインがとても発展しているという場所でもあり、サヴニエールというワインを飲んで、ビオの味の力強さにひっくり返りそうになったということもあります。
そんな自然派のロワール。数々の古城が立ち並んでいる観光名所でもあります。昨年行ってきました。月並みですが、風光明媚なロマンティックな中世さながら。姫君の絹ずれの音が聞こえてきそうでした。
今はもう、ロワールのワインを置いているお店は少なくなってしまっています。どんどんニューワールドのリーズナブルな、最先端技術の主張の強いワインにおされてしまっているのです。
チャイコフスキーの「眠りの森の美女」のバレエミュージックを聴きながら書いています。you tube。この物語の舞台のモデルになったのは、ロワールのユッセ城です。
写真はロワール川。10年前にワインの勉強をしていた時に、「ロワール川ってどんな川だろう?」と、想像しながら勉強していたのですが、実際行ってみたら想像通りの風景だったのでびっくりしましたので、びっくりついでに載せておきます。