今日は、阪急芦屋川で人と待ち合わせのついでに料理教室Protéger(プロテジェ)のチラシ配りをしてみた。

 チラシ配りの人…というと、私自信が常に素っ気なく対応してしまう人のことである。美容院、エステ、飲食店etc... ところが、私が今日、そのチラシ配りの役をやらねばならないのだ。私自身に命じられて。

 私は、自分が日頃そのように素っ気なくしているものだから、冷たい対応をされても仕方がないものとして気丈にふるまおうと心に決めていた。好きな仕事をやらせてもらえる喜びに勝る物はない。だから、どんな仕打ちに合っても気丈に...ね、とは日頃自分に言い聞かせていることだ。ところが...である。この方...!と思う方のそばにツツツと近寄って、「失礼致します。今度山手町で...」と、話しかけてみると、なんと立ち止まって下さる。「お料理教室を開くことになりました」と、ここまで話してもまだ聞いて下さっている!「もし、ご興味がおありでしたらこのご案内、受け取って頂けませんか?」と案内を渡そうとするまでちゃんと聞いて下さる。そのあとは、「私はこの辺の者じゃありませんので...」とか、「結構です。」という返事が返ってくるのは仕方がない。当たり前である。でも...と思った。この調子なら...と、何時間立ち続けてても、それにかなう手応えがあった。もちろん、(この方、こんな方に来て頂きたい)と思って渡させて頂いた方は、阪急芦屋川の駅に集まる人の何十分の1である。だから、今日受け取って頂いた数はほんの5、6通。でも、そのことよりも、この街、やっぱり素晴らしいなと思う感激の気持ちの方が強かった。お渡しした時に、両手で受け取って下さる。「え、頂いてもいいんですか?」とまで言って下さる方もいらっしゃった。決して怪しい者を見る目つきでは見ない(内心はそう思っていらしたかもしれないのに)。それが皆である。

 思えば、芦屋という街に生まれ育ってきたものの、この街を知るという機会にはあまり恵まれてこなかったのではないかと思う。この街の学校に通い、この街の友達を得、この街で日々の用事を済まし...というだけでは知り得ないことが多い。芦屋って、いわゆる高級住宅地ではあるが、私はセレブな方々の知り合いはいない。又聞きはあるが(笑)。
 この街の美しさは目に見えるが、この街を美しくしている何かというものは目に見えない。目に見えないからわからない。わかるはずがないと思い込んでいた。今日までは...。この街に住む人の心、なんですね。

 私は臆病でトロイので、渡したかったけれども声をかけそびれてしまった方も多い。だから、生徒様を集めるのには相当時間がかかるであろう。でも、この街の素晴らしさを噛み締めながら、チラシ配りを明日も、明後日も、何日かかっても阪急芦屋川駅に立って、やり遂げようと思います。今日のチラシ配りで私は討ち死にかしらと覚悟していたのが一転、皆様の優しさに包まれたように過ごせたのだから。



大切な人に美味しい時間を HP↓
フランス家庭料理教室 Protéger
阪急芦屋川より徒歩8分