いまや世界各地に日本食のレストランが存在し、土地土地でさまざまな食べ方で楽しまれています。
ただ日本酒の種類は、まだそれほど多く海外にはでていないようです。

このたび秋田の酒造元が集まり、オーストラリアに秋田日本酒の売り込みを企画しました。海外でどのような日本酒が好まれるのかも、興味があるところです。

オーストラリアといえば、ラム肉。
オージーラムと日本酒のマリアージュはどのようなものかが体験できる試食会におよびいただきました。

渋谷鉢山町のブラッスリー「ADENIA」入江オーナーシェフのフレンチベース、銀座「なまはげ」橋本料理長の和食ベースのお料理が順番にサーブされます。


「オージーラム、フレンチラックのソテー、白みそとふきのソース 菜の花添え」
白みその塩分とふきの苦味がラムの脂を中和させます。



「オージーラム ショートロインのロースト 茄子とフェタチーズのディップ 大葉の香り」
茄子のほのかな香ばしさとフェタチーズの酸味、菜の花のやわらかい苦味。とても立体感があり、ローストしたショートロインのどっしりとした美味しさと好バランス。


「オージーラム レッグと筍の日本酒煮込み 木の芽と共に」
全体的に甘辛く仕上がっています。
日本酒で煮込むとラムがかなり日本的な味付けになるのですね。
とても日本的な組み合わせの筍と木の芽が添えられ、入江シェフの3皿の内で、最も日本的な一皿です。

ここからは橋本料理長のお料理です。


「オージーラム レッグの朴葉焼き 秋田ばっけ味噌」
ふきのとうからつくられたばっけ味噌。
牛肉とあわせたことはありますが、ラムのように主張が強いお肉の方が、ふきのとうの個性にまけず、双方が引き立ちます。


「オージーラム ショートロインの串揚げ がっこタルタルソース」
タルタルソース以外に、右上の串揚げにもいぶりがっこが、包まれています。
秋田のがっこはラムとの相性がなかなかよいです。

これらのお料理を、オーストラリアを始め海外で日本酒とあわせて出したら、
そのマリアージュのよさに驚くと思います。
海外の「舌」にあわせて、あまり複雑ではない味の構造の日本酒なら、日本人でなくても楽しめるのでは、という意見もありました。

秋田日本酒なので、やはり秋田の伝統料理も。


「ハタハタしょっつる干し ハタハタ寿司」
しょっつる干しは、塩分控えめ。
ハタハタ寿司は、発酵の中に爽やかさ、フレッシュさを感じます。



「きりたんぽ鍋」


芹根もたくさん入っています。

芹根がなければ作らないといわれているきりたんぽ鍋。
ふきのとうなど、さわやかな「苦味」も秋田料理の特徴なのかもしれません。
鶏出汁をたくさん吸い込んだきりたんぽの滋味深さがたまりません。

あわせた日本酒は、
・山本 黒
・まんさくの花 吟丸
・出羽鶴 自然米酒 松倉
・福小町
・吟子物語 有機純米原 酒生酒
日本酒度は3~5です。
海外の「舌」を意識して工夫してある作品です。

今回は秋田でしたが、日本各地の郷土料理と日本酒は、立派に世界に通じるものだと実感できた試食会でした。

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