車椅子の男が自分の定位置に戻りベッドが傾く音を確認した僕は、すこし躊躇しながらナースコールを押した。隣も既に介護完了であったので静かだった。すぐに看護師があらわれた。僕は脚のあがる、装置を座った状態で真っ直ぐ前に固定できる椅子を要求した。この、ベッドからの移動はとても難儀である。まずその重さ。到底自力で左足はあがらない。かといって腕で持ち上げようにも杭の刺さりに尻込みして上部のバーに手がかけられない。看護師に頼むとかかと側のバーを掴んでもらった。ズリズリとお尻や右足を引きずり出しベッド横に平行して置かれた車椅子へと移行する。一々看護師と声をあわせる。ようやく座れても、次の段階がある。脚の高さ調整だ。ベッドでは横になったままであるが故脚は真っ直ぐに近い状態で30度ぐらいの角度を保っている。しかし、椅子は30度の角度を持っていても座った状態であるがために骨盤と付け根への負担が尋常ではないのである。僕は脚を少しあげては固定、下げては固定を繰り返し痛みの少ないポジションを確保しようと試みていた。
看護師は術後すぐに車椅子に乗ろうと言う意気込みはすばらしいが実際に乗る人はほとんどいない事を伝えて、少しでも無理をさせまいと気遣ってくれていた。
ベッドの上にあった棒状のクッションをとってほしいと僕は伝えて今度はそれを装置の下側と車椅子の脚台の間に挟んだ。
なるほど車のバネや電車のバネに よく木を挟ませる工夫があるがよいクッションになるのだと感心したものである。
僕は部屋からでて、外を徘徊することにせいこうしたのである。
看護師は術後すぐに車椅子に乗ろうと言う意気込みはすばらしいが実際に乗る人はほとんどいない事を伝えて、少しでも無理をさせまいと気遣ってくれていた。
ベッドの上にあった棒状のクッションをとってほしいと僕は伝えて今度はそれを装置の下側と車椅子の脚台の間に挟んだ。
なるほど車のバネや電車のバネに よく木を挟ませる工夫があるがよいクッションになるのだと感心したものである。
僕は部屋からでて、外を徘徊することにせいこうしたのである。