今、ここにこうしていることに、感謝しています。
1年前、私は自分のことで精一杯でした。
きっと今日は1年前の映像がテレビでひっきりなしに流れていることと思います。
普段からテレビを見ない私ですが、今日は特に見たくないです。
被災者でもないのに…と思いますが、あの頃の気持ちまで蘇ってしまうので。
多くの方が犠牲になってるのに、「私も娘も記憶もなにもかも消えてしまいたい」と思っていたあの頃。
自分のその不謹慎な気持ちに罪悪感だけ感じながら、ただ1日1日が過ぎていくのを待ってました。
23時頃になると、「やっと今日が終わる…」と思うとともに、「また明日がくるのか…」と思っていました。
また明日も生きていかなきゃいけないのか…と。
新聞には、今でもそんな気分で過ごしている方々が毎日載ってます。
規定の地域から数メートル離れてただけで、補償されない農家とか、
自分の子を守ろうと、高いお金を払って他県の食材を買い、お弁当を持たせて、給食を食べさせないようにしている母親とか、
風評被害で安全なはずの作物が売れず、必死に売ろうとしているのに、隣の奥さんさえ信用してくれなくて他県の食材を買ってるとか、
親が東電に勤務していたから肩身の狭い思いをしている子どもとか、
てゆーかこんな具体的な例書いてたらキリがないのですが。
今も、どれだけ辛い思いをしていることかと思います。
私はあまりここに時事問題とか書かないので、無関係な顔をしていますが、やっぱりなにも関係ないことはないんです。
1年前の今日、隣の家に住む私の父は、今頃の時間「大地震緊急対策会議」を開いていました。
私の住む市は、名前は伏せますが被災地のある市と友好都市提携をしているのです。
その市への支援物資の収集方法などを会議していました。
そして夫は電気関係のメンテナンスをする会社に勤務していますが、扱っている中に原発のモーターもあります。
夫は名古屋支店勤務ですが、東京支店には福島原発のモーターに関する図面があります。
ないとは思いますが、いつ「転勤しろ」と言われてもおかしくありません。
そして、いつも私が迷うことは、毎日の食材の出どころです。
少し数値が高いものが出ると、それ以外は安全なのに、他のものまで危険だとされる…それが風評被害だと思います。
でも、それ以外は安全なのに…って、どうしてわかるのでしょうか。
すべての出荷物を計測するわけにはいきません。
実際、新聞には連日のように出回った品の「規制値超え」の記事が載っています。
それらは今のところ「健康に害はない」とされてますが。
どうして、健康に害はないとわかるのでしょうか。
誰が、どれだけ食べるのかもわからないのに。
そして、情報を伏せたり、捏造とまではいかなくても安心させるために一部だけ公表した…そんなことはしょっちゅうです。
なにか問題が発覚すると、マスコミはよく揚げ足を取るように「信じられない!」と書きたてますが、私はそもそもそんなに全面的に信じていません。
あんなに「安全」と言われていたものが、とても危険でした。
それだけでも、充分、不信です。
今公表されているどんな情報も、ある程度の目安にしかならないと思っています。
それでも、きっと私だけなら、どこのものでも気にせず買っていました。
産地がどこでも、口にしていました。
でも、娘に食べさせることを考えた時に、迷いました。
残念ながら、「自分はいいから、娘を守りたい」という立派な母親心からじゃ、ありません。
娘は、まだ自分でモノを選べないのに、危険かもしれないものを食べさせていいのだろうか、という迷いです。
娘が物心ついて、たとえ「食べるプラスチック」と言われるマックのポテトをたらふく食べたとしても、それは自己責任です。
まぁ私にもきっと責任の一部はあるでしょうけど(^_^;
本当はマックのポテトよりはるかに安全かもしれないけど、もしかしたら危険を孕んでるかもしれない野菜やお米…娘は、自分で選択できません。
大きくなったら「私気にしな~い。大丈夫だって」と言うような子になるかもしれません。
私の娘なので、その可能性大です。
それとも「東北を応援したいもん。なるべくそっちの産地を選んで買う」と言うかもしれません。
夫の娘なので、その可能性もあります。
が、今はただ「あー」とか「んーまっ」とか「だーだーだだだーっ」しか言えません。
娘も一人の人なのに、私の感覚で「危険かもしれんけど、まぁいっか~」と食べさせるのは、いけないんじゃないかな…と思いました。
そして以前からなるべく地産地消を…と心がけていたのもあって、最近は専ら愛知付近のものばかり食べてます。
でも、迷いますけどね…やっぱり。
今、娘が寝ています。
その寝顔を見て、1年前のことを思うと、やっぱり自分の気持ちのことになっていまいます。
いろんな意味で、この状況で子育てできるって、とても幸せだなぁと思います。
そして子育てだけじゃなく、私は今とても幸せだと思います。
つい誰かと比べて…となってしまいますが、被災地の方のような、切羽詰った不安や心配もなく、毎日平凡に暮らしていける…当たり前の生活ができる…とても、幸せです。
私の命があることに、周りの人の命があることに、あの人の命があることに、感謝します。