昨日の続きです。
 
 
次の日、私は相変わらずツアーTシャツを着ていましたが、Mさんは違いました。
それに少しガッカリし、なぜ好きじゃないのならあのTシャツを着ていたのだ、と改めて
疑問を感じました。
 
まずリハーサル(タイミングが難しいところや不安なところなどを確認しながらみんなでやること)をして、
ゲネプロ(本番とまったく同じように最初から最後まで通してやること)までの間、
お昼休みを兼ねた休憩(+自由に作業できる時間)がありました。
Aさんは作業をしていましたが、Mさんは休憩していました。
 
私はすかさずそこへ行き、また話しかけました。
私:「お疲れさまです」
M:「お疲れさまです」
私:「あの、昨日、BUCK-TICKのツアーTシャツを着てましたよね?」
M:「え?あぁ、そうでしたね」
私:「B-T・・・好きじゃない、んですよね?」
M:「あ!CUBEさん、B-T好きなんですか?」
私:「はい、好きです」()
M:「だからB-TのツアーTシャツだってわかんですね」
私:「あ、はい・・・」
M:「いや、昨日のやつは貰ったんですよ」
私:「え、貰った? B-Tファンから??」
M:「いや、俺あのツアー、ピンで入ってて」(注:ピン=ピンスポット=可動式の一人用スポットライト)
私:「えぇーっ!?
M:「で、売れ残ったやつを貰ったんです」
私:「えぇーっ!?」
当然、驚く私・・・。
M:「でもよくわかりましたね~B-Tって書いてないですよね?」
私:「え、え、え、あの、あの、え、え・・・ピンってあの・・・○○ツアーのスタッフだったってこと、
ですよ、ね?」
M:「はぁ、まぁ・・・」
私:「え、え、B-Tって、あの△△さんとこの・・・?」
 (B-Tの照明さんは△△だと聞いたことがあったので)
M:「あ、そうです。△△さんに頼まれて」
私:「え、Mさんって△△さんのとこの人なんですか?」
M:「あ、違います。その時たまたま頼まれて」
私:「じゃ、いつもB-Tやるわけじゃ・・・」
M:「ツアースタッフだったのは、その○○ツアーの時だけで、あとは仕込みやバラシ(撤去)の増員で
行ったりすることはあるけど」
私:「そうなんだ・・・」
 
というワケで、MさんはB-Tファンではなく、そのツアーのスタッフだったのです。
 
私:「え、え、え、え・・・ピンって、誰の?」(まさかあっちゃん!?)
M:「下手側のギターの・・・」
私:「今井だっ!」
M:「そうそう、今井さん」
やっぱり、ファンじゃなくスタッフとして知っているので、「さん」付けです。
私が呼び捨てにするのが失礼な気がしました。
私:「えぇ~・・・えぇ~・・・すごい~~~~」
実際、彼は照明さんなので、べつにスゴイということはないのですが、私にとってはスゴイことでした。
 
明日へ続く・・・