父が亡くなる3日前の2羽の小鳥は、このことだったのか。

近々、何か起こるけど大丈夫だよーというメッセージ。

 

思い返すと本当に大丈夫で、まったく後悔がない。

満足感と達成感。

 

ここ数ヵ月、父の症状が進み介護保険の上限を軽く超えていた。

お金がどれだけかかってもいいのでとケアマネさんと相談して毎日のスケジュールを作成してもらい、鉄壁の守りを展開していた。

何かあっても必ず誰かがすぐ気づき駆け付けられる仕組み。

 

宅配弁当も味に飽きるだろうからと合計4社来てもらった。

もちろん私も温めたら食べられるセブンイレブンの食品やおやつを毎週持参。

 

亡くなる10日前からは、もう年だし好きに過ごさせてあげようと思い立ち、ノンアルビールから本物ビールに変更。

好きなお酒を飲ませてあげられてよかったー。

 

亡くなる前日には高熱を出して病院ですとケアマネさんから電話があり早退して実家に駆け付ける。

車いすの母一人になってしまう恐れがあるからだ。
 

運よく入院にならず翌朝もう一度受診することになったので、最後に父に会うことができた。
 

早朝、お風呂から出てこないからと母から私に電話があった。

うん、救急車だね。

 

脳内出血だった。

既に亡くなって数時間。

 

いくらお風呂が好きとはいえ、ちょっと長風呂だわなぁ。(笑)

母は、いい湯だなぁ~と幸せそうに全く苦しむことなく眠るように亡くなったことに「羨ましい」と言う。

看護師だった仕事柄、多くの方の看取りをしてきたけれど、こんな亡くなり方は本当に幸せだと言う。

 

父、運が良い!

亡くなることを自分で分かっていたんじゃないかと思うくらい色々とタイミングよく上手く進んでいる。

前日に突然熱を出して私を呼び寄せるなんて、やるじゃないかと思ったわ。

 

そーいえば、自宅や外出先で何度か転倒したけれど、不思議なことに骨折はもちろん怪我一つしなかった。

かすり傷すらないのだ。

今から思うと実に不思議である。

 

ふと、神社にお参りするたびに両親の介護のことをお願いしていたことを思い出した。

神様に感謝だ。

喪が明けたらお礼に行かなくちゃ。

 

葬儀の日の朝、そんなことを思いながら母を迎えに施設に行く途中、急に海を見たくなった。

うん、気持ちの整理をつけたい。

 

目の前を走る車のナンバーは9999。

エンジェルナンバーだよと直感がささやく。

瀬戸大橋を見渡す場所についてから調べてみると、生活環境が大きく変わり、新しいステージに入ったらしい。

 

約2年半のダブル介護が終わった。

母はこれからはずっと施設で過ごすことになる。


2羽の小鳥のメッセージは本当にその通りで、後悔のない穏やかな笑顔が溢れる葬儀だった。

喪主の私に、母が「とってもいいお葬式だったねぇ。私もあんなのがいい。」と言ってくれた。

 

夫が「よくやったね。」と労わってくれた。

言葉が心に沁みて、全然泣かなかったのにうっかり泣きそうになった。

 

神様はもちろん、支えてくれた多くの方に感謝だ!