「そっちに行っていい?」

受験のために夫と一緒に東京に引っ越した子供たちから連絡がきた。

 

こちらで一緒に暮らしたいと言う。

「別にいいけど、受験は?」

 

子供たちの口から出てくる言葉にビックリ!

「お父さんとお祖母ちゃんと暮らしてみて、どんな人か分かった。。。」

「このままだとどこにも進学できない。」

 

引っ越し先の学区の中学校は毎日お弁当が必要だそうで、それを自分で作っている。

姑は料理ができないので、学校の帰りにスーパーによって買い物をし、子供たちで何とか料理に挑戦しながら頑張る毎日。

まだ下の子は小学生なのに。

 

「え?お父さん、料理出来るのに?」

そう、夫は子供のころから調理師がいる家庭で育ったため、見よう見まねで覚えた料理の腕は実はすごい。

 

「学校の鞄にネギを入れて帰ってるのって私だけだよ。もう嫌だ。」

部活もできない、友達とも遊べない。

家事に追われ勉強できない。

 

「それに。」と言葉が続く。
「先生が不登校の子の家に毎朝寄って一緒に連れてきてって。」

その子が登校しなければ、プリント類をまた帰りに持って行かなければならない。

 

転校したばかりで地理に不案内なため、迷子になってしまい2時間もさまよったそうだ。

「ドンドン暗くなってきて、本当に怖かった。」

 

塾にはかろうじて通っているが成績は急降下。

ここにいるとお祖母ちゃんとお父さんにいいようにされて、学校に行くことができない。

そう言った。

 

以前の私を見ているようだ。

実家の両親に事情を話し、すぐに子供たちを引き取ることにした。

 

人間関係は三角にしてはいけない。

私は夫や姑の悪口を子供たちに一度も話したことはない。

大好きなお祖母ちゃんとお父さんでいてほしかったから。

 

でも、二人は私の悪口を子供たちに何度も言ったようだ。

もちろんご近所にも。

 

子供たちを迎えにいった時に、隣の方にお土産を持ってご挨拶をしたらいきなり泣かれた。

うちの姑にいじめられているそうだ。

亡くなったご主人の葬儀を家族だけで済ませたところ、まともにお葬式も出せないのかと近所に言いふらされてとってもつらいとさめざめと私の前で泣かれた。

 

何てことを!

肩を抱いてお話を伺って、謝罪して。

こうやって以前も私のママ友たちや保育園の先生に悪口を言いふらしていたのを思い出した。
一緒に涙が出てきちゃいそうになるのをこらえて、子供たちが引っ越すことを伝え、お元気でと辞去した。

 

今でも思い出すと心が痛い。