お店に入ると3名の方が待ってくださっていた。
おじいさんと、中年男性、そして事務員らしき女性。
まず渡されたのがコーヒーミルだった。
実はコーヒーは苦手だ。
ブルーマウンテンの豆をミルでゆっくりと挽いていく。
初めての作業に速度が速すぎると注意されたりしながら雑談だ。
今から思えば、アイスブレイクと相手の話をじっくり聞き出すためのペーシングだったんだろうなぁ。
挽き終った豆を、備前焼のドリッパーでドリップしていく。
カップも備前焼だ。
男性は、元〇〇市教育委員会の委員長だった。
色々な方のお仕事の相談に乗りながらその方に合った印鑑を作るそうだ。
おじいさんが、姓名判断の大家で、女性も姓名判断ができる。
実際に印鑑を作るのは職人さんだそうだ。
お互いに自己紹介しながらいただいたコーヒーの美味しいこと!
備前焼が雑味を吸収してくれるそうだ。
あんなに美味しいコーヒーは他で飲んだことがない。
ゆったりと流れる時間の中で、これまで取り組んできた仕事の実績の棚卸を一緒にしてくださる。
「これだけのことをやってきてすごいじゃないですか?」
「もっと自分に自信を持ってください。」
なーんて褒めてくださる。
ついつい、今の会社での役職、引き受けたくなかったーと話してしまう。
すると今度は姓名判断が始まった。
「あら、リーダー運を持っているね。それも2つも!ちょっと待って、旧姓でもみてみるから。あらまぁ、旧姓でも変わらないですね。」
「あなたはどこの組織に所属しても、知らず知らずのうちに人の上に立つ人だよ。諦めなさい。」
ううっ、諦めます。
やります。管理職!
