『切磋』2012年7月8日投稿の即興詩より — 田村隆ー風第2弾 — | 貞次郎(ていじろう)の即興詩

貞次郎(ていじろう)の即興詩

『ぎゃぐぽりす』の〝なう〟から誕生した即興詩に題名をつけてみました。

『切磋』

 

 

 

 

僕は

 

もっと早く

 

君に出逢い

 

感応されていればよかった

 

 

 

同じ暁に

 

生まれ

 

若さのまま

 

掻き乱し

 

 

 

若さのまま

 

切磋する

 

芸術家の端くれで

 

居たかった

 

 

 

互いに

 

血を分け与え

 

 

 

互いの

 

皮膚で裹(つつ)む

 

 

 

空頼みを

 

ほざいていると

 

思われても

 

しかたあるまいが

 

 

 

同じ

 

夕映えに

 

涙したかった

 

 

 

————————————————————————

 

『あとがき』

 

小生の家には、田村隆一の詩集なるものは、一切ない。

有るのはゲーテの詩集と二十歳ごろに手に入れた高村光太郎

詩集の2冊しかない。どちらも新潮文庫より出版された本で

当時、画家を目指す者たちの、ステータスシンボルのような

ものだったのだが、『道程』以外ほとんど目を通していない。

田村隆一に至っては、図書室で貸し出しした現代詩について

の本からコピーした1篇くらいだ(機器の出始めの頃だから、

トナーが劣化すると、紙どうしがくっつき…写真はハーフ

トーンが黒くなるので、指名手配犯人のような形相になって

それはそれは笑いぐさとなった…)

 

話がそれたので本題に戻すと、田村隆一の洗礼を受けた

最初の詩は『水』という作品。

エンズイ切りをくらったというか、深層深く脳裏に刻まれ、

四十年の歳月が流れても沁みついている、強烈すぎる詩だ。

 

実をいうと最近、ネットサーフィンで田村隆一の代表作『帰途』

を発見し感銘を受け、偉大なる詩人として再認識したばかりだ。

 

高校生の頃の審美眼は正しかったというわけか…。