『聖夜のムムム』2010年12月25日投稿の即興詩より | 貞次郎(ていじろう)の即興詩

貞次郎(ていじろう)の即興詩

『ぎゃぐぽりす』の〝なう〟から誕生した即興詩に題名をつけてみました。

『聖夜のムムム』

 

 

 

 

 

〝入口〟と〝出口〟の両方から己の中心部へと向かった…

 

[フムフム、不無不無。君がそこを〝入口〟と認識して、もう片方を〝出口〟と認識しているならば…君はまだまだ意識の領域から抜け出せてはいないということだ]

 

[シックスセンス…なまぬるい、君は俗世間というものに染まっているだけだ]

 

[たとえ、八種の識を踏まえたとて、単にそれは主観であり、客観ではない]

 

〈心頭滅却〉

 

[雑念を排しても、やさしさだけはけせぬようだな]

 

[おぬしのそのやさしさはまやかしで、客観的な慈愛ではない]

 

錯覚の渦中、心のよりしろを見失った…

 

刹那と那由他が交差した迷いの時空を進んでいたのであろう

 

〈唯ひたすら、子羊役に徹するしか術はないのか〉

 

そうすることで瑕が癒えるいや消えるとさえ思い込んでいた

 

[〝南無三、雑念が入った〟と、君の叫びが手のひらまで届いているぞよ]

 

〈無心になって無神論者に徹するしかないのか、一神教でも多神教でもまずいのか!ムムム、〇無無、〇〇無、〇〇〇…〉

 

感無量が無量大数を超越し…

 

そして不可説不可説転への未知の領域に足を踏み入れた

 

そう、それは解脱の瞬間だった…

 

 

 

 

 

八識説の概念図の一例  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)⦅唯識⦆より