読者の皆さまには、いつも私のお話しを楽しみにしてくださいまして、ありがとうございます![]()
さて、3週に渡ってお届けしてきましたAfter story「”愛してる”のチカラ」もいよいよFinalです。
ホント、テレビドラマのように毎週木曜日のアップとなりましたね~(≧m≦)ぷっ!
今回は、正直2つに分けても良いかな~と思ったくらい結構長い作品になっています。
まぁ、上手く切れなかったからそのままアップしちゃったって感じですが、読みごたえだけはある
と思います。
このお話しに込めたキューブの想いなどは、またあとで・・・![]()
それでは、どうかお楽しみいただけますように・・・![]()
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~”愛してる”のチカラ~ ≪Final≫
-<1>-
「おや?・・・直樹君じゃないか!」
駅前を歩いていた直樹は不意に背後からかかった声に振り向いた。
「お義父さん!・・・今日は店は休みですか?・・・」
「ああ、まぁ臨時休業ってとこだな・・・琴子がなんだかわからんが塞ぎこんでるから、何か美味い
物でも食わせてやろうかと買い出しに来たところだ」
重雄は、少し照れたように笑いながら、両手に持ったスーパーの袋を持ち上げて見せた。
「直樹君は今ICUに詰めてて忙しいって聞いたぞ。こんなところで何してるんだい?」
重雄は、不思議そうに尋ねた。
「いや、実は今からお義父さんの店に行こうかと思って・・・」
直樹は、重雄の持った袋をひとつ受け取りながら答えた。
「店に?・・・わしに何か話しでもあるのかな?・・・ああ、琴子のことか・・・」
重雄は、直樹に向かって首をかしげたあと、一人納得して微笑んだ。
「いえ・・・それが・・・」
直樹は、あらためて話しがあるのかと聞かれて返答に窮しながらふと思った。
いつになく淡々とした琴子のメールにふと不安を感じた時、まるで計ったように現れた一条紗江子。
矢も楯もたまらず、夜中には病院に戻る約束をして一旦家に帰ることを決めた。
しかし、本当なら一刻も早く琴子の顔を見て安心したいのに、なぜか直樹の足は重雄の店を目指
して歩き出していた。
込み上げてくる愛おしさも、喜びもいままでとは違う・・・それよりも厄介なのはその感情に戸惑う自分。
どう言葉をかけてやればいいのか、何を言ってやればいいのか見当が付かない・・・
それは、本当の自分と医者である自分との狭間で揺れる想い・・・
この1週間を振り返って直樹は思った。
いつものように冷静でいられない気持ちを抱えたまま琴子と向き合うことを、あえて避けていたかも
しれないと。
―情けないな・・・
言い淀む直樹を見て、重雄は目の前の横断歩道の向こうに見えるカフェを指差した。
「直樹君、あそこに入ろう。たまには外でコーヒーでも飲んでみるか・・・それともこっちの方がいいか?」
重雄は、杯をあける仕草をしながら「まぁ、まだ昼間だ。そうもいかんかな。あはは・・・」と笑った。
サイフォンから湯気が上がり、香ばしいコーヒーの香りが漂う店内。
天井から床までの一枚ガラスのはめれた窓から外を見ると、行き交う車や人の群れが見える。
しかし店の中には静かにジャズが流れるだけで、外の喧騒は入ってこない・・・
直樹と重雄は店の片隅に向かい合って座った。
淹れたてのコーヒーがすぐにテーブルに運ばれ、二人はそれぞれカップを手に取るとまずはひと口
飲んでほーっと息を吐き出した。
「ああ、美味いな・・・琴子の淹れたコーヒーも美味いが、やっぱりプロが淹れると違うな・・・」
重雄は、当たり障りのないことを言いながら直樹の様子を伺った。
それでもカップを持ったまま何か物憂げな直樹を見て、重雄は穏やかに語りかけた。
「もしかしたら、仕事を抜けて琴子のために帰ってきてくれたのかい?・・・」
「えっ?・・・」
少し驚いたように顔を上げた直樹に向かって、重雄はさらに言葉をつづけた。
「本当に琴子はどうしちまったんだろうな・・・ほんの2,3日前はあんなに喜んではしゃいでたのに、昨
日と今日はなんだかしょんぼりしちまって、母親になるってことはそれだけいろんなことがあるんだろう
な・・・まっ、心配することはないよ・・・君もいてくれるし、その内誰よりも強くなる。母親ってのはそういう
もんだ」
「はあ・・・そういうものですか・・・」
直樹は、重雄の話しに苦笑いを浮かべながら答えた。
「それよもやっかりなのは父親だよ・・・」
直樹の返答に少し含みを込めたように重雄が言った。
「父親?・・・」
「ああそうさ、父親だ。ちなみに直樹君は父親になった実感はあるかい?・・・」
直樹は、その質問にドキリとしながら一瞬ためらった後、小さく首を横に振った。
すると、突然笑いだした重雄は「だろう?・・・」と言いながら大きく頷いた。
「母親は10か月もの間どんどん膨らんでいく腹を抱えながら、重いのや苦しいのを我慢して命が育っ
ていくのを自分の体で実感して行くんだ。そして最後はものすごい痛みに耐えてそれをそれをこの世
に産み出す。でもな父親は違う。自分の体は何も変わらないからな。痛みも苦しみもないからつい見
逃してしまうことも多い」
―確かにそうだ・・・今だってすでに。
直樹は、重雄の話しに頷きながら心の中でつぶやいた。
「私も女房が琴子を妊娠していた時のことを思い出すと、いつも放ったらかしにしてばかりで、反省す
ることばかりだ・・・でも、こんな話しを今、直樹君に出来て良かったと思うよ・・・どれ程天才の君でも、
父親になるのは初めてなんだから戸惑うのがあたりまえだ・・・」
重雄は、穏やかな笑みを浮かべると、身を乗り出して直樹の肩に手を乗せながら言葉を繋いだ。
「結局は、ママさんたちや私が何を言ってもダメだろう・・・子供は夫婦2人で育てて行くんだ。だからあ
いつを本当に支えてやれるのは直樹君だけってことだな。まぁ、あいつは直樹君がそばにいてくれるだ
けで幸せなんだから随分と安上がりだ・・・弱虫で泣き虫な奴だけど、どうかよろしく頼むよ。」
―オレがそばにいるだけで?・・・
直樹は、胸が熱くなるのを感じながらしっかりとした声で「はい」と返事をした。
その声にほっとした表情を浮かべながら、心なしか潤んだ瞳を隠すように重雄は小さく頷いた。
「それはそうと、直樹君の話しは何だったのかな?・・・私ばかりしゃべってしまったね・・・」
重雄は、照れくさそうに言った。
「えっ?・・・あはは、もういいです。今のお義父さんの話で十分ですから。さあ、帰りましょう。琴子が
待ってる」
直樹は、重雄の傍らに置いてあるスーパーの袋を両手にひとつずつ持ちあげると、晴れやかな笑顔
を見せて立ちあがった。
「お、おい。直樹君!ひとつは私が持つよ・・・まだまだ年より扱いはしないでくれ・・・」
さっさと支払いを済ませて出ていく直樹を、重雄が慌てて追いかけて行った。
-<2>-
<ちょっと見て、こんなに簡単なのに、まだ解けてないのは入江さんちの子だけよ・・・>
<あらあら、お父さんはすごい天才なのにね~!>
<ホント、完全に母親に似ちゃったのね~あら、入江さん聞こえちゃった?ごめんなさい。悪気はな
いのよ・・・>
「それのどこが悪気がないのよーーー!!」
琴子は、自分が言った寝言の声で目を覚まして、ベッドの上に勢いよく起き上った。
―なんだ良かった・・・夢だったんだ・・・
小学校の授業参観にでも行っている夢だったのか、教室のような部屋の片隅に立って小さな背中が
沢山並ぶのを見ていたような気がした。
窓の外に目を向けると、夕焼けが空の雲を赤く染めていた。
―もう夕方だ・・・帰って来てから随分寝ちゃったんだな・・・
ベッドの上に手を這わせて携帯を探す・・・枕の下で手に触れたそれを引き出すとすぐに開いてみたが
直樹からの着信はなかった。
琴子は、ベッドから降りると部屋の隅に置かれたソファに身を沈めて深いため息をついた。
天井を仰ぐように顔を上げて目を閉じると、今日の一条紗江子との会話が脳裡に蘇った。
<今、その中に溜まってること、全部私に話しちゃいなさい・・・>
一条紗江子が琴子の胸の真ん中を指差しながら言った言葉・・・
この言葉を聞いた途端に、それまで胸の中で悶々と思い悩んでいたことが一気に吹き出した。
今思い返してみても、その時一条紗江子に対して何を話したのか良く覚えていない。
ただ一条紗江子は、涙と一緒に堰を切ったように思いを吐き出す琴子の言葉を、最後まで何も
言わずに聞いてくれた。
「どう?・・・少しはすっきりした?・・・」
息を切らしながら話しを終えた琴子に、一条紗江子はちょっと小首を傾げながら尋ねた。
「えっ?・・・ああ、そういえば・・・」
琴子は、少し気持ちが楽になったような気がして答えた。
すると、一条紗江子は「でしょう?・・・」と言って笑った。
「さっ、これで応急処置は終わり!・・・とりあえず家に帰るまでは効果が持続すると思うわ」
一条紗江子は、少しおどけたように言った。
「えっ?・・・」
「このあと、あなたに必要な処方薬は”入江直樹”ってとこかしらね・・・入江先生ここのところ忙しくて
話しをする暇もないんじゃない?・・・」
「は、はい、そうですね・・・」
「それなら少しでも早く入江先生に家に帰ってもらわないとね・・・”処方箋”は私が出しておくから、琴
子さんは家でよく体を休めて・・・ねっ!」
琴子は、狐につままれたような気持ちで病院を後にした。
病院の玄関まで来て見送ってくれた一条紗江子は、琴子が振り返るたびに温かな笑顔で手を振って
いた。
―一条先生って、ホント不思議な人・・・
琴子は、見慣れた処方箋の用紙に「入江直樹×1」と書かれているのを想像してみた。
あの一条紗江子ならやりかねないと思うと、自然と笑いが込み上げた。
―入江君、早く帰ってきて・・・
話したいことや聞きたいことがたくさんある・・・
それは、一条紗江子に話しをしたことであらためて気付くことが出来たこと。
本当は、周りの期待が重いとか、天才なんて産めるはずがないとか、そんなことはちょっとしたきっか
け、言い訳でしかない。
―ねえ、入江君は女の子がいい?・・・それとも男の子がいい?
そんな他愛のないことを聞いてみたい。
”どっちでもいいよ”・・・ぶっきらぼうに答える直樹の顔が浮かぶ。
―それでもいい。そうしたら私が言うから・・・
”私はね~入江君に良く似た男の子!・・・あっでもお義母さんは女の子がいいんだ。どうしよう・・・”
直樹がそばにいてくれさえすれば、たとえ返ってくるのが呆れ顔でも、こんなに悩まずに済む。
―違う・・・
何も言わなくてもいい、何も聞いてくれなくてもいい・・・
ただひと言子供が出来たことを喜ぶ言葉が聞きたい。
―ただ、ぎゅっと抱きしめてくれたらそれだけで、私はきっと幸せな気持ちになれるのに・・・
琴子は、携帯電話を握りしめたままソファの上で抱えた膝の上に顔を伏せた。
-<3>-
直樹は部屋のドアをそっと開けて中を覗きこんだ。
―やっぱり・・・
部屋のソファにうずくまるようにしている琴子を見つけて、直樹はあまりに想像通りの姿に切ない微
笑みを浮かべた。
「おい、なにしてんだよ・・・」
直樹は、努めていつもと変わりなく声をかけた。
―ああ、とうとう入江君の声の空耳まで聞こえる・・・
琴子は、心の中でつぶやきながらゆっくりと顔を上げた。
しかし次の瞬間、みるみる琴子の目が見開かれ、まるでバネ仕掛けの人形のようにピョンと立ち上
がった。
「入江君!!・・・どうしたの?・・・」
「着替えを取りに帰って来た。また夜中に病院に戻る」
直樹は、ぶっきらぼうに答えながら琴子の隣に腰掛けた。
「そ、そうなんだ~私はてっきり処方箋かと・・・」
「なんだ?処方箋って・・・」
「う、ううん・・・何でもない。それより、良かった。すごく会いたかったから・・・」
「ああ、知ってる・・・」
「えっ?・・・」
琴子は、いつになく堅い表情で返答する直樹に戸惑いを感じながらその顔をじっと見つめた。
「まったく・・・あんなメールして来やがって・・・」
それはひとりごとのように小さな声で、それでいて強い口調で琴子の耳に届いた。
「メ、メールに私何か変なこと書いた?・・・」
琴子は、昼間直樹のオフィスから打ったメールの内容を思い出そうとしながら尋ねた。
しかし、直樹は琴子の質問には答えずに聞き返した。
「何かあったのか?・・・」
「えっ?・・・」
琴子は、そのあまりに低く優しい声に思わず込み上げてくるものを感じて立ちあがった。
涙を気付かれないよう直樹に背中を向けて窓の前に立つと外を眺めながら答えた。
「べ、別に何もないよ・・・ただみんながね、私の赤ちゃんに期待してるんだって。入江君のような天
才を産まないといけないからちょっとプレッシャーかな・・・」
懸命におどけたように話そうとしても、自然と声が震えてくる・・・
琴子は振り向いて直樹の表情を見たい衝動を堪えながら、直樹の言葉を待っていた。
直樹は、琴子の小刻みに震える肩を見つめながら、自分の中に湧き上がる感情と相対していた。
それが悪いクセだとわかっていても、素直に思いのままを伝えられないもどかしさを感じながら。
―何をためらっている?・・・思いを告げられるのは今だけかもしれないのに・・・
直樹は、立ち上がると、琴子を背中からゆっくりと抱きしめた。
正面を向いたままの琴子の顔に手を当てると、頬が涙で濡れていた。
不意のことに一瞬身を固くした琴子は、それでもすぐに力を抜いて直樹の胸に寄りかかるように身
を任せた。
「天才なんか産まなくていい・・・お前に似た元気な女の子がいいな・・・家の中がいつも華やかで賑
やかで・・・」
直樹は、自然と口からこぼれる自分の言葉を聞きながら不思議な気持ちになっていた。
―そうか・・・これが本当のオレが望む未来なんだ・・・
「本当に?・・・」
琴子が、泣き顔のまま振り向いて直樹の顔を見上げた。
「ああ、本当さ・・・何か不満でも?」
直樹は、琴子の涙を指で拭ってやりながら聞き返した。
「ううん、ううん・・・嬉しい。やっと入江君が子供が出来たことを喜んでくれてるってわかって・・・」
琴子は、体ごと振り返って直樹に抱きついた。
―バカだな・・・嬉しくないわけがないだろ・・・
直樹は、言葉のかわりに琴子を抱きしめる腕に力を入れた。
「ねえ、私のお腹の中にいるのは私と入江君の愛の結晶なんだよね・・・入江君!私をママにしてく
れてありがとう」
琴子は、直樹の胸に頬を押し付けたまま上目づかいに言った。
「愛の結晶か・・・」
直樹は、ふと胸の奥がキュッと締めつけられるような思いに駆られてつぶやいた。
自分とは違い、素直に思いを伝えられる琴子を羨ましいとさえ思った。
―オレは、たぶん思っていることの半分も言葉にはできない・・・
「ん?・・・どうしたの入江君?・・・入江君もそう思うでしょ?」
琴子は、直樹の鼓動が急にドキドキと速まったのを不思議に思いながら言った。
「ああ、オレもそう思うよ・・・琴子、ありがとう・・・愛してる」
直樹は、柄にもないことを言って照れている自分を感じながら、琴子をさらに抱きしめた。
すると、琴子は抱きしめられている腕を無理やり外して直樹を見上げた。
「ねえ、今”愛してる”って聞こえた・・・」
「ああ、そう言ったけど・・・」
琴子のあまりにらしい反応に、すぐにいつもの自分を取り戻した直樹はさらりと答えた。
「ええ~~!!」
琴子が驚きの声を上げる。
「な、なんだよ・・・その反応は・・・」
直樹は、吹き出しそうなのを堪えながら琴子をじろりと睨むように見降ろした。
「だ、だって、突然のことでちゃんと聞いてなかった・・・」
「そんなの知らねえよ」
「ねえ、もう一回言って。今度はちゃんと耳を澄まして聞くから・・・」
「やだね・・・もったいなくてそう簡単に言えるかよ・・・」
「ええ~もう一回!!おねが・・・」
琴子の懇願は、不意に降りて来た直樹の唇に塞がれて止められてしまった。
―琴子、愛してる・・・
この世にこれ程愛おしい存在はない。
そして、その存在がもう一人増えることになる・・・それはこの上ない幸せだと直樹は実感していた。
直樹が唇を離すと、待ちかねたように琴子が言った。
「じゃ、じゃあ次は、私が赤ちゃんを立派に産んだ時にね!・・・ねえ約束して。絶対に言ってね」
―おいおい、せっかくのムードだったのになんだよ・・・
「ああ、忘れなかったらな・・・」
直樹は、呆れながら答えた。
<あいつは直樹君がそばにいてくれるだけで幸せなんだから随分と安上がりだ・・・>
―本当ですね、お義父さん。
直樹は、重雄との会話を思い出しながら心の中でつぶやいた。
高価な宝石も豪華な食事もいらない・・・ただ、ハグとキスと時々の”好き”と”愛してる”があれば、
幸せだと言う・・・
それが証拠に、今目の前にいる琴子は、ほんの少し前までこの世の終わりのような顔をして塞ぎ
こんでいたとは思えない程幸せそうな笑顔を見せてはしゃいでいるのだから。
「ねえ、ちゃんと約束するって言ってよ~!」
「わかったよ。しつこいなあ、約束するよ!」
「やった!・・・じゃあ、約束のキスね」
次の瞬間、琴子は直樹の頬を両手で挟むと、自分の顔の前まで引き寄せてキスをした。
本当は、しっかりと耳に残る「愛してる」を何度もリピートしながら・・・
-<Final-おまけ>-
ピンという録画停止の音と共に、ウィーンというモーターの音がやけに大きく感じて、紀子は慌てなが
ら、それでも音を立てないように慎重にドアを閉めた。
―やったわ!・・・すごい感動の場面が撮れちゃった。
紀子は、あたりを伺うと足音を忍ばせて直樹と琴子の部屋の前から離れた。
思わずもらい泣きして録画もぶれそうになった2人の感動の場面に胸が熱くなる・・・
部屋に入ったままなかなか降りてこない2人を心配して様子を見に来た時、そっと開けたドアの隙間
から見えた直樹が琴子を背中から抱きしめているシーン・・・
ほとんど無意識に自分の部屋へ行くとビデオカメラを持って来ていた。
―うふふ・・・これは今までで一番のお宝だわ。だって、お兄ちゃんが「愛してる」って・・・
何に対しても無関心だった直樹の心の成長が嬉しかった。
そして、何よりも琴子に笑顔が戻ったことが嬉しかった。
―「愛してる」の力ね・・・これは。
紀子は、ひとり納得しながらほくそ笑んだ。
そして、音をたてないように階段を下りると、素知らぬふりで2階の2人を呼んだ。
「お兄ちゃん!琴子ちゃん!アイちゃんが美味しいものいっぱい作ってくれたわよ~降りてらっしゃい!」
すぐに琴子の明るい返事が返って来て、紀子はほっと息を吐き出した。
―琴子ちゃん、もしお兄ちゃんが約束を忘れちゃっても大丈夫よ。ママがちゃんと証拠を持ってるからね。
END
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて、いかがだったでしょうか・・・![]()
今回のお話しは、あえて琴子が辛い思いをしていること目が行くように書きましたが、実は直樹が父親
になったことで戸惑う姿を描こうとしたお話でもありました。
みなさん、思いっきり思う壺でしたね~v(=∩_∩=) ブイブイ!!
・・・ぶっちゃけ、コメレスが出来なかったのはそういう意味も含んでいます( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ
天才・直樹も父親になるのは初めて・・・アイちゃんパパが言った言葉がまさに全てを物語っています。
たとえ天才だって、パパになればただの人ってことで、今回の直樹はあんまりカッコよくなかったかな。
お話しの流れにキューブらしさを・・・
そして、”オチ”に笑ってもらえて、さらにイタキスらしさも感じていただけたら嬉しいです![]()
納得できないお話だったらごめんなさい・・・( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ
次回もどうぞ、お楽しみに・・・![]()
By キューブ
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