読者の皆さまには、いつも私のお話を楽しみにしてくださいまして、ありがとうございますひらめき電球


さて、「彼恋」のFinalのアップ、1000000hit達成と、大きなイベントが続いて、先延ばしになって

いたイケメンstoryの最終話が出来上がりましたので、どうぞお読みください。


いやぁ~初めて書いたお話からこんなに飛ばしちゃってあとがもつんでしょうかはてなマークってくらい、今

書きたいことをてんこ盛りで盛り込みました(≧m≦)ぷっ!・・・

ぶっちゃけ、「彼恋」を書きあげてまだ日も浅いのに、再び燃え尽きて燃えカスになってます。


まずは、みなさんが(*'▽'*)わぁ♪っと喜んでくださるか、それとも感涙にむせんでくれるか、いや

もしかしたらなんじゃこりゃ?と呆れるかもしれませんが、とにかくキューブはかなり楽しんで書か

せてもらいました。


どうか、お楽しみいただけますように・・・音譜



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  ~Large escape of love~ ≪Final≫



  -<1>-


「お前は目立つから来なくていいって言ったろ?!」
シヌが、横に立つジェルミに向かって苦笑いを浮かべながら言った。


空港ターミナル内にあるシューズショップに立ち寄ったシヌは、ショップの入り口で警備員に止め

られて騒いでいるファン達にチラリと視線を向けた。


「そんなこと言ったってシヌさん!俺だってミニョの靴を選びたいよ」
ジェルミが、女性用の可愛らしいスニーカーを手に取りながら不満げに言った。
すると、シヌはジェルミを無視して、一番シンプルな男物のスニーカーを手に取ると、それを店員に
見せながら尋ねた。
「この靴の25センチはありますか?」


ショップ店員が、サイズを探しに店の奥に消えるとジェルミが不思議そうな顔でシヌに尋ねた。
「シヌさん?・・・ミニョの足はもっと小さいだろ?それにあんな普通の靴じゃなくてもっと可愛いの…」


「ジェルミ!声が大きいよ・・・考えてみろ、テギョンは2階の男子トイレにいるって言ったんだ。そし

てスニーカーを買ってきてくれって言ったんだぞ・・・わからないのか?」


「だから、それがなんなの?!」
ジェルミが焦れたように聞き返すと、シヌは店員が出てこないか店の奥を伺いながら声を低くして

答えた。
「たぶん、ミニョはミナムと入れ替わってるんだ。でも、靴だけはミナムもミニョのは履けなかった。

だからテギョンはスニーカーを買ってこいって言ったんだ。」


「えっ?ミナムとミニョが?」
ジェルミが驚いた顔で聞き返す。


「ミニョの足のサイズは本当はもっと小さい。でも、それじゃ店員に女物を買ったとバレるだろ?・・・」
シヌの言葉を受けて、やっと全てを理解したジェルミが顔を輝かせながら「なるほどね~」と言った

時、靴の箱を持った店員が現れた。


シヌは、靴の代金を払いながらふとレジとは反対側の壁に並べられた色とりどりのハイヒールに目

を向けた。


―テギョンの奴・・・俺にミニョの靴を買わせるなんて・・・


ユ・ヘイの策略で何も知らずにあのグリーンのハイヒールを履いたミニョの姿が浮かんだ。
シヌは、ふっと苦笑いを浮かべながら、店員の差し出した包みを受け取った。


―今さら俺の買った靴を履いてくれるのか・・・


あきらめたつもりでも、ふと振り返れば今でも心は痛む・・・
困らせたくなくて・・・苦しめたくなくて・・・そんな理由を並べても、結局は自分が臆病だったのだと

何度も後悔した日々。
それでももう、テギョンを想って涙を流すミニョを、気づかぬふりで慰めてやる必要はなくなった。
今は、ただ幸せになって欲しいと心から願っていることをミニョに伝えたいとシヌは思っていた。


シューズショップを出たシヌとジェルミは、警備員と共にテギョンとミニョがいる2階の北側のエリ

アへ向かった。


シヌは、追いかけてくるファンと距離を取りながらテギョンに電話をかけた。
「今、靴を買った。この後のシナリオは?」


携帯電話に向かって相づちを打っていたシヌは、最後に「わかった・・・もう間もなく到着する」と言

って電話を切った。




  -<2>-


シヌに靴を買ってくるように言ったあとも、テギョンは何件かメールを打っていた。
その間、テギョンはもう片方の手でミニョを抱き寄せたまま離そうとはしなかった。
そして、最後にシヌからかかって来た電話を切ると、やっと両手でミニョを抱きしめながらほっと息

を吐き出した。


「結局、こうやってみんなに迷惑かけちゃって、ホントにごめんなさい・・・」
ミニョは、テギョンの肩にあごを乗せてそっとつぶやいた。


「謝るのはこの局面を無事に抜け出せてからにしろ・・・今お前はここにいるんだからそれでいい」
テギョンは、ミニョを離して顔を見合わせると、優しく微笑みながらそう言った。


「テギョンさん・・・」
ミニョの瞳にまた涙が浮かんだ。


「ミニョ。泣くのはまだ早いぞ。今シヌと話していたことを聞いただろ?あいつらが来たら社長が手

配してくれたVIPルームへ向かう。それもお前はA・N・JELLのコ・ミナムとしてここを出ていく。」


「はい・・・」
ミニョは口元を引き締めて返事をした。


「俺たちが空港に来てることはバレてる。もうファンやマスコミに囲まれることは避けられない・・・

だからメンバーでミニョを見送りに来たことにしてこの状況を乗り切る。」
テギョンは、険しい顔で抑揚なく言い終えると、もう一度ミニョを抱き寄せて耳元に囁いた。
「お前とミナムが入れ替わるのは、もうこれきりにして欲しいもんだ」


テギョンの肩に額を押しつけて、ミニョが小さく「はい」と答えた時、急に外が騒がしくなって曇りガ

ラスのドアの向こうに人影が見えた。


「テギョンさん!いるの?・・・」


「ジェルミだ」
テギョンは、ミニョを離してドアを開けた。
細く開けた隙間から、ジェルミとシヌが素早く中に入ってくると、ミニョはうつむき加減に2人に顔を

向けた。


「ミ、ミナム?・・・じゃなくてミニョ!!」
ジェルミが、泣き笑いのような顔でミニョに駆け寄って両手を広げる。
テギョンは、今にもミニョに抱きつきそうなジェルミの襟首を掴んで引き戻しながらシヌに視線を送

ると、シヌはすぐに持っていた包みを開けてミニョの前に真新しいスニーカーを差し出した。


「お前たちを巻きこんでしまってすまない・・・でも、俺はミニョをマスコミの前にさらすのだけは絶対

に避けたいんだ。協力を頼む」
テギョンは、シヌとジェルミの顔を交互に見ながら言った。


「何をあらたまってるのさ・・・」
ジェルミが、そんなことはあたりまえだと言わんばかりに大きくうなづきながらテギョンを見た。
すると、シヌは自分が被っていた帽子を取ると、靴を履き終えたミニョの頭にかぶせながら言った。
「万が一のために少しでも写真に写りにくくしておいた方がいい・・・時間がない。行こう。」


シヌの言葉を合図に4人は同時に頷くと、外の騒ぎの中へと出て行った。




  -<3>-


「きゃー!A・N・JELLよ!!」
誰かが発したひと声で、空港の2階のフロアに歓声が湧き上がった。


ファン・テギョンがステージ上で愛を告白していた相手を取材しようと、空港内を探しまわっていた

レポーター達もA・N・JELLが4人揃って忽然と現れたことに首を傾げながらも集まって来た。


あっという間に出来た人だかりの中を、警備員に守られながらA・N・JELLのメンバーが颯爽と歩

いて行く。


「テギョンさん、昨日告白をされた女性はどちらに?」
「お二人はいつ知り合ったんですか?」
「ミナムさん、テギョンさんの恋人はミナムさんの妹だということですが本当ですか?」
「ツーショット会見の予定は?」
「メンバーの皆さんも、お二人のことはご存じだったんですか?」
「結婚のご予定は?」
「恋人が外国に行く理由を教えてください!」


警備員の包囲網を掻い潜って差し向けられるマイクに向かってテギョンは「公表するつもりはあ

りません」とだけ答えて歩き続けた。
シヌとミナムになり済ましたミニョは沈黙したまま歩き続けた。
やっとVIPルームに続く通路の前に到着し、<関係者以外立ち入り禁止>と書かれた札の前でレ

ポーターやファン達は警備員によってそれ以上追いかけることを止められた。
ところが、一番後ろを歩いていたジェルミだけが、他の3人が奥に入って行くのを見ながら一人残

って振り返った。
一斉にレポーター達のマイクがジェルミの前に集まった。


「彼女はこの奥にいるよ。彼女はテギョンの恋人だけど僕達A・N・JELLの大事な妹でもあるんだ。

でも一般人だからみんなには紹介できなくてごめんね。じゃあ、見送ってくるよ・・・バイバイ!」
ジェルミは、あえてレポーター達の向こうにいるA・N・JELLのファンたちに視線を向けながら言うと

背伸びをしながら手を振った。
そして、得意の無邪気な笑い声をあげながら先に行ってしまった3人を追いかけて行った。


ジェルミの言葉に黄色い悲鳴が上がり、いつの間に集まったのか何百人ものファン達に囲まれて

睨まれたレポーター達はその視線に後ずさりしながら三々五々その場から散って行った。




  -<4>-


VIPルームに入った4人は、まずは作戦の成功を讃え合った。
そして、やっと部屋の中を見回したミニョは隅に置かれた物を見つけて目を見張った。
「あっ!私の旅行バッグ!・・・そういえばあのトイレに置きっぱなしで、全然忘れてた!誰が持っ

てきてくれたんですか?」
ミニョは、オレンジ色の旅行バッグに駆け寄りながら誰にともなく尋ねた。
すると、部屋の奥に置かれたパーテーションの陰から現れた2人の人物に気が付いて、ミニョは

声を上げた。


「マ室長!・・・ワンさんも!!」
ミニョは、2人に駆け寄ると、手を取り合って再会を喜んだ。


「テギョンからのメールでな、みんながフロアに出るのを待ってすぐにこの旅行バッグを持ち出し

たんだ。・・・なんだすっかり忘れてたのか?」
マ室長は、笑いながらミニョに説明をした。
そして、すぐにテギョンに顔を向けて言葉を続けた。
「テギョン、お前の指示通りミナムは呼びもどした。確かにここを出る時3人じゃおかしいからな。

もう間もなくここへ来るだろう・・・ミニョの出国手続きは、これからワンに行かせる。お前たちは安心

してここで別れを惜しめ・・・」



マ室長達が出て行くのを見届けると、ミニョはあらたまった顔でテギョン、シヌ、ジェルミの前に立った。
「結局はいろいろ迷惑かけちゃってごめんなさい。でも、最後にこうしてみなさんに会えて本当に良

かったです。」
ミニョは、マ室長に会った時からずっと潤んでいた瞳から大粒の涙をこぼしながら頭を下げた。


ジェルミがテギョンの様子を伺いながら一歩前に出て言った。
「何言ってんだよ。ミニョのためなら何でもするさ。俺はお前が大好きだからね・・・」


「ジェルミ・・・」
ミニョがジェルミを見上げる。
「ねえ、しばらくお別れなんだ・・・最後くらいハグさせてよ」
ジェルミが少しはにかみながら言った。そして、おもむろにテギョンを振り返ると「邪魔しないでよ」と

言うが早いか両手を広げてミニョをその腕の中にしっかりと抱きしめた。
「元気でがんばれ・・・そして、必ず俺たちのところへ帰ってこいよ」
ジェルミは、ミニョの柔らかい髪に頬を押しつけて耳元に囁いた。


―大好きだった・・・ホントに大好きだった。


ジェルミは、あの循環バスの中で立ち切った想いも全て込めてミニョを力いっぱい抱きしめていた。


「お、おい!!」
テギョンは目を吊り上げて声を上げたが、すぐに目をそむけてふっと笑った。
すると、今度はシヌがいつまでもミニョにしがみついているジェルミをひきはがしてミニョの前に立っ

た。


沖縄での出来事もあって、ミニョは複雑な気持ちでシヌのことを見上げた。
ここであの時のことを謝るのもおかしい・・・それでもずっと見守り続けてくれたシヌの想いには感謝

の気持ちを伝えたい・・・
上手い言葉が浮かばずに黙っているミニョに向かって、シヌが手を伸ばした。
その手は、ミナムだった頃によくそうしてくれたように髪をくしゃくしゃにしながら頭を撫でてくれた。


「シヌさん・・・私・・・」「何も言わなくていい」
ミニョが言い淀む唇にシヌの人差し指が当てられて、シヌはただ優しく微笑んでミニョを見つめ返した。


「気をつけて行ってくるんだよ。俺もジェルミと同じ意見だ・・・必ず俺たちのところへ帰っておいで。」


テギョンは、腕を組んで口を尖らせながらジェルミとシヌがいつまでもミニョとの別れを惜しんでいる

場面を見ていた。すると、不意に部屋のドアが開いて誰かが入って来た。


「兄さん!・・・」
ミニョが声を上げる。


シヌもジェルミもその声に振り返った。
ミナムはメンバー達の顔を見まわしながら、目深に被っていた帽子とサングラスを外して「よお!」と

声をかけた。
そして、ミナムは真っ直ぐにミニョの前に進むと、その肩を抱き寄せながらテギョンに目を向けて言った。
「ミニョ?・・・ホントにあいつがいいのか?」


テギョンはミナムの突然の言葉に驚いた顔で寄りかかっていた壁から体を浮かした。
シヌもジェルミも、唖然とした顔で2人のことを見つめていた。


「えっ?・・・兄さん、いきなり何言うの?」
ミニョは、兄の言葉に焦りながらテギョンを見つめた。


「あのまま帰っちまおうと思ったのに、せっかくこうして戻って来たんだ・・・兄としては妹の心配をす

るのは当然だろ?」
ミナムは、どこか茶化すような言い方でミニョの顔を覗きこんだ。


「おい、ミナム・・・この俺をあいつ呼ばわりするな!」
テギョンが目を吊り上げて怒りをあらわにしても、ミナムはそれを無視してミニョへの言葉を続けた。
「ホントにあいつがいいのか?・・・あいつを好きでいるってことは、これからもこういうことがたくさんあ

るってことなんだぞ!」


すると、ミニョはミナムの腕を肩から外して向き合うと、真っ直ぐにその目を見つめながら答えた。
「うん・・・それでも私、テギョンさんが・・・」
言葉に詰まるミニョに「好きなのか?」とミナムの言葉が追い打ちをかける。
そして、ミニョはミナムに向かって大きく頷いて見せた。


「ふん、それなら仕方がない・・・」
ミナムは、そう言うとおもむろに手に持っていた袋を差し出した。
「お前がさっき着てた服だ。まずはちゃんと女の姿にもどれよ・・・いつまでもその格好じゃ、自分がも

う一人いるみたいで気持ち悪い・・・」


ミニョがパーテーションの陰で着替えている間、テギョンはミナムの意図を計りかねて尋ねた。
「お前、俺とミニョのことに反対なのか?」


「ミニョは俺の妹だぜ、相手が誰であろうと気にいらないさ」
ミナムは鼻で笑いながら答えた。


「お前、俺にため口きくな」
テギョンはお角ちがいなことを言った。


「ふん、俺がミニョの兄貴だってこと忘れるなよ・・・」
ミナムは、挑むような目でテギョンを見返した。



一触即発のテギョンとミナムに向かって「2人ともやめて!」と言いながらミニョが出て来た。
女の姿に戻ったミニョは、困り切った顔で睨み合っている2人を見つめた。


「ねえねえ、これからミニョは旅立つんだぜ、恋人と兄貴が険悪な仲じゃ安心して出かけられない

じゃないか!」
ジェルミがおろおろしながら間に入った。


「兄さん、さっきはテギョンさんはいい奴だって言ってたじゃない?・・・どうして急にそんな風に言う

の?」
ミニョが、また目に涙をためてミナムに尋ねる。
すると、ミナムはふうっと息を吐き出すと「わかってるよ・・・」と言いながら、ミニョの後ろに回った。
そして、テギョンに向かってニヤリと笑ってみせると「絶対に幸せにしろよ!」と言いながらミニョの

背中を両手で押した。

押されてよろけたミニョを、テギョンが慌てて抱きとめる。
そして、ミナムは「あとは2人でごゆっくり!」と言って笑うと、呆然と成り行きを見守っていたシヌと

ジェルミを促して部屋を出て行った。




  -<5>-


VIPルームを出ると、廊下で中の様子を伺っていたマ室長が涙を拭きながら3人を迎えた。
「やっぱりミニョは、A・N・JELLをひとつにする天使だ・・・」
マ室長の言葉に、3人は何も答えずにただ頷いた。


「さあ、もう一つ部屋が用意してある・・・こっちだ。」
マ室長が先に立って歩き始めて、3人は自然とミナムを真ん中に挟んで歩き始めた。


「ミニョは素直なのに、お前は随分とひねくれてんだな・・・」
シヌが、ミナムの横に立ってからかうように声をかけた。


「でも、お前結構いい奴じゃないか!」
ジェルミは、ミナムの肩に手をかけると嬉しそうに笑ないながら言った。


「テギョンさんが、どれ程すごい人かってことくらいよくわかってるさ・・・でも、だからと言ってもし

ミニョを泣かせたら絶対に許さない!」
ミナムは、拳を固く握りしめながら両脇を歩く2人のどちらにともなくつぶやいた。


「まあまあ、お兄ちゃんとしては複雑だよな・・・相手があのテギョンさんだもんな・・・お前と入れ替

わってた時も随分と泣かされてたもんな・・・気持ち、わかるよ!うんうん」
ジェルミが言うのを聞きながらミナムがわなわなとして来たのを見て、シヌが笑いながらミナムの

背中を擦った。


その時、前を歩いていたマ室長が、ふと振り返って言った。

「あっそうだ・・・この後ミニョが無事に飛び立ったら、お前ら記者会見があるからな・・・」


「えっ?ええーー!」

3人がほぼ同時に不満の声を上げる。


「何言ってんだ?・・・マスコミを煙に巻いて空港へは来るわ、囲まれたレポーター達の質問は無視

するわ・・・それで事務所の電話は鳴りっぱなし、オフィシャルサイトのサーバーはパンクしっぱなし

だぞ・・・もう、お前らが出て話すしか沈静化は無理だ。あれこれ嘘っぱちを書かれたくなかったら、

大人しく会見の席に着くんだな・・・あとでテギョンにもきつく言ってやらなくちゃ!」



マ室長が、まくし立てるのを聞き終わると、3人は顔を合わせて思わず吹きだして笑い声を上げた。




  -<6>-


「な、なんなんだ?お前の兄貴は!・・・そんなに俺が気にいらないのか!」
テギョンは3人が出て行ったドアを睨みつけながら悪態をついた。
呆然と兄とシヌ、ジェルミが出て行くのを見ていたミニョは、自分がまだテギョンに抱きとめられた

時のままだったことに気が付いて慌てて離れようとした。
ところが、テギョンは体を離したミニョの手を掴んで引き戻すと、今度はしっかりと腕の中に抱きし

めた。


「やっと2人きりだ・・・本当なら俺だけで見送りに来るはずだったのに・・・」
テギョンは、口を尖らせながらつぶやいた。


「ごめんなさい。私が勝手なことしたから・・・」
ミニョは、テギョンの胸に身をまかせながら答えた。


「やっぱり、お前はミニョに戻っても事故多発地帯だな・・・ひとりでアフリカなんかに行かせたくな

いよ」
テギョンの言葉が切なくミニョの心に響く。


―私も本当はずっとテギョンさんのそばにいたい・・・


それでも、もうA・N・JELLのメンバーではない自分は、テギョンに甘えたり助けてもらうことなく自分

の足で立っていなければならないとも思っていた。


その時、ミニョが乗る予定の飛行機の最終案内がVIPルームの天井に付けられたスピーカーから

聞こえて来た。


「あいつらのせいで、ゆっくり別れを惜しんでる暇もなかったな・・・」
テギョンが、そう言ってミニョを離すと、驚いたことにミニョは自分の鼻の頭をおさえて涙ぐんでいた。


―はあ?・・・このタイミングですることか?


テギョンは、首を傾げてミニョの顔を覗きこみながら「何してる?」と尋ねた。


「い、いえ・・・ついクセで・・・」
ミニョは、ひきつった笑いを浮かべて慌てて鼻から手を離した。


「もう、行かないと乗り遅れるぞ、俺は出国ゲートまでは見送れない・・・最後だ俺に何かしてほしい

ことはないか?」
テギョンは、カマをかけるようにミニョに言った。


「えっ?・・・何を言っても怒りませんか?」
ミニョは、テギョンの言葉にほんの少し考えてから意を決したように尋ねた。


「ああ、怒らない・・・」
テギョンは、うなづきながら答えた。


「じゃ、じゃあ目をつぶってください」
「えっ?・・・」
「いいから・・・お願い。」


懇願するミニョを見て、テギョンはそっと目を閉じた。
すると、両肩にふわりとミニョの手が掛り、次の瞬間テギョンの唇に温かいものが触れてすぐに離

れた。目を開けると、背伸びをしたミニョの泣き顔が目の前にあった。


「なんだよ・・・別れのキスなら、もっと・・・」
テギョンは、すぐにミニョの背中に手を回すと抱きあげるようにして、その唇をミニョの唇に押し当てた。
ミニョは、テギョンの首に手を巻きつけると、その力強い腕に身を任せた・・・




  -<Final>-


ミニョは、飛行機の座席に着いてシートベルトをはめると、すぐに窓の外を覗いた。
遠くに見えるターミナルビルのどこかでテギョンがこの飛行機を見ている気がした。
きっと、テギョンはこの飛行機が飛び立って、空の彼方に見えなくなるまで見送ってくれるだろうと

ミニョは思っていた。


別れのキスの余韻で少し朦朧とする頭で、ミニョはテギョンに言われた言葉を一言一句忘れない

ように思い出していた。


「この俺をいったいどのくらい待たせるつもりだ?」
「半年か、長ければ1年くらい・・・」
「なっ!半年でも十分長いぞ・・・そんなに待ってられるか!」
「そんな・・・」


しかし、テギョンはすぐに笑顔になると、ミニョの額にキスをして言った。
「待ちきれなくなったら俺が会いに行く・・・アフリカでライブをしてやるさ・・・だからお前は今やりたい

ことをしっかりやってこい」


そして、ミニョの耳元に顔を寄せると「愛してるからな」と囁いて、少し自慢げに胸を張ってみせた。


―テギョンさん、私も心からあなたを愛しています。


離陸態勢に入った飛行機が加速しながら滑走路を進んでいく・・・
機体がふわりと持ちあがった感覚がすると、窓の外の景色が斜めになりながらどんどんと遠ざかっ

て行った。


ミニョは、涙が溢れるのを拭いもせずに、窓の外に見つかるはずのないテギョンの姿を必死に探し

ていた。


―アフリカに着いたら、まず最初に夜空に一番輝く星を見つけよう・・・
―その星にファン・テギョンと名前を付けて毎日夜空を見上げてその星に話しかけよう・・・


そして毎夜、その星を見上げながらきっと思うに違いないとミニョは思っていた。
あの電気に痺れたように恋に落ちた時のテギョンの笑顔と、その温かい腕のぬくもりを・・・と。


―少しだけさよなら、テギョンさん・・・いつもどこでもあなたは私の一番輝く星です・・・



                                                END


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


さて・・・いかがでしたかはてなマーク


ドラマ最終回のその後のお話として、ちゃんと成立していたでしょうか・・あせる



まずひとつ申し上げておきたいのは、男ミナムの性格です。

これはドラマ本編では、ミナムはほんのひとことしかしゃべらなかったので、キューブが少ないデ

ータの中から想像して勝手に作り上げたものだということをご了承ください。


マ室長が、ミナムのことを「テギョンのようなカリスマ性があって、シヌのように優しくて、ジェルミの

ように明るい」と言っていたことと、最終話でどうやらユ・ヘイに迫っていたらしいというのを踏まえて

今回のお話のようなミナムにしてみました。


そして、このお話を書いていて、思ったことがもうひとつあります。

イケメンは、イタキスに比べてかなりクサイ台詞が書けるということ・・・(≧m≦)ぷっ!


さてさて、読者の皆さんは、このお話をどんな風に受け止めてくださったでしょうか・・・はてなマーク



今後のイケメン執筆の指針にもしたいと思うので、ぜひたくさんの方の感想をお待ちしていますひらめき電球



                                                  By キューブ





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