落ちる夕日が地平線で溶けて熟した果実のように広がる
遥か遠くを眺めたような振りをして今日もまた見るサンジョアンの夢
憧れのリズム、愛しい鉄弦の響き
海辺に行けば近付ける気がした
近付ける気がしたんだ
覚めぬ長い夢の様な毎日に只只募るばかりの想い
庭に生る木の実の味も知らない癖に遠くの国の食べ物ばかりを欲しがっている
憧れの言葉、美しい旋律の流れ
それは夢にまでみるサンジョアンの歌
繁華街に満ちる人々の熱気と路地裏で静かに眠りにつく老人
未だ見ぬ幾つもの昼と夜に思いを寄せて
私はきっと手の届く事のないあの音楽に憧れて今またあの夢を見ている