ひとり | all is full of beautiful love

all is full of beautiful love

beautiful days, beautiful life

暖かい春の日差しと追いかけてくる力強い南風が3ヶ月近く手入れをしていない髪をざわめかせる。
ゆっくりと飲み込むはずだったブラックルシアンを大急ぎで流し込んだ為、
意識は朦朧としてまるで宇宙船で揺られているようだ。

朝の街はビルだらけで、私の預かり知らぬ処で、旋風は狭い空に昇っていった。

空はもっと広かった。

海の近くでは空と海が一つだった。

小さな公園を抜けると花壇で埋め尽くされた古い家がある。
主にはまだ会った事は無いけれど、会えたら一言ありがとうと言おう。

ふわふわと宙に浮く心が体を見下ろして、下降するスパイラルに飲み込まれるなと忠告する。

都会の旋風は、上昇しているようで、その実、深い谷間に飲み込まれていっているだけなのだ。



レンガ造りの古い町並みが、海沿いの公園に昇る朝日が、

一人で迎えたあの夜明け前の潮騒が、

何処へ行ったのかと探している。