とてもとても好きだった。
あれから何年もたって、
いいかげんに思い出も不鮮明になっていって、
一言一言交わした言葉もだんだん思い出せなくなって、
どうして忘れなくちゃいけないのか
あなたは誰かに恋をして
私もまた誰かに恋をして
受け取った心に嘘はなくそこには変わる事無い想いさえあるのに
きっと忘れてゆくのだろう
いつまでも覚えていられたらと思う
ついでにいつまでも変わらなかったら良かったと思う
天高くに立ち上る煙の様に
これから愛に変わっていけるわと
こぼれでそうな言葉を飲み込んで言ってみる
長い昼に、永い永い夜に、
あなたを探す事はもう無く
傍にいて欲しいと思う事も無いけれど
忘れた事は一度だって無いよ
あなたもきっと同じだと思うから
それは恋よりずっとずっとすばらしい。