9月5日、4日目。鄭州(ていしゅう)を出発し、商丘(しょうきゅう)から阜陽(ふよう)、蚌埠(ぼうふ)へ向かう。


6:24出発し、商丘で乗り換え、南へというルート。

列車は穀倉地帯を走り、9:00に商丘に着く。列車を乗り換えて阜陽へ。

車内では大あくびのせっきー

前日の旅の疲れが取れないのかな?


そうこうしているうちに次の停車駅でたくさんの荷物を抱え、乗り込んでくる出稼ぎへ向かうたくさんの人々。

衣類や布団など、いっぱいに袋に詰めて乗ってくる。

ひとりのおじさんが布団を見せて語ってくれた。

「目的地に着いたときに布団がないと寝られなくて困るから。でも来月は畑が忙しくなるから家に帰るんだ。」と。


まもなく列車は阜陽へ。5方向の路線が交差するターミナル駅だ。

11:21着。阜陽は安徽省の中核都市で人口185万人。

淮河と長江を結ぶ水運の街。


せっきーは旧市街地を歩く。露店がたくさん並びその中で不思議なものを焼いている店を発見した。

【煎餅】という、大豆やそば、小麦を粉にしたものを水で溶いて焼いた中国風クレープ。

中には好みでタマゴや揚げ物、ソーセージなどを入れる。価格は一枚日本円で約30円。安い。

焼き立てを購入し、思わずかぶりつくせっきー。

味は薄いがしっかりと味があるとか。うまいって言ってた。


そのうち、また人がたくさん集まってきた。一人の女性が「日本人が来たら大歓迎よ!」といってくれた。

周りもみな、笑ってる。せっきーも笑う。


次の店に行こうと道を渡る。一瞬、自転車にひかれそうになっていたが…

そして目に入ってきたものは白い大きな四角いもの。

作っているおばさんが「これは昔、兵隊さんが枕がわりに使っていたパンよ」と教えてくれた。

また「お腹が空くとこの枕がわりのパンをかじればいいんだよ。」とも言っていた。

そして一切れパンを切ってくれた。口にしたせっきーは不思議そうな顔。



「饅頭の皮みたい。味がしない。」


と困り顔(笑)

お次はジャッキのようなもので麺を押し出している姿を見つけた。

この麺もさっきのパンも阜陽名物だそうだ。せっきーもトライ。 「ジャッキ麺。」と言いながら苦笑い。

ジャッキの下から押し出される麺はそのまま鍋で茹でられる。この麺も早速いただいたせっきー。

しかしあまりのてんこ盛りに四苦八苦。


「ああやって食べるのよ。」


と言われ、指された先にはワッシワッシとかき混ぜて食べているおじさんが。

さっきもらったパンを片手に麺をすする。


「ハオチ~!」


ゴマ風味の味付けのようだった。


食べると汗が出る…

せっせとタオルで汗を拭くせっきーだが、ここでもたくさんの人垣ができている。

気を利かせてくれた人たちが店先のあった日よけをせっきーにあわせて動かし、日陰を作ってくれていた。なんと優しい。


17:40、阜陽から蚌埠へ。

夕日が川面に映り、きれいだ。

車内では早速買ってきた枕パンを試すことに。

お約束のシーンではあるが、思ったほど心地のいいもではなかった様子。

第一声は、



「硬いなっ!」


「思ったより硬いぞ、コレ。」


と笑うせっきー。

それもそうだよね。


そのうちおいしそうなにおいがしたのか(ホントかな?) 枕パンをかじり、一言。



「悲しいな~。味しないし…」



と切なそうな声。


その後、枕パンの行方が気になるところだが、列車は蚌埠へ向かっている。