このところ気温がかなり低くなっているパリ。
ちなみに最高気温が7~8度、最低気温が3~4度という感じです。
私の意見ですが...冬のパリは、残念ながらあまり快適とは言えません。
気温が低いのは仕方がないけれど、グレーの空や小雨が降る日が比較的多いのです。
東京の冬の澄みきった青空や、キーンと冷たく乾いた空気がとても恋しく、パリの湿気の多い寒さが骨身に染みる感じは、グレーの空と相まって物悲しい感じがしてしまいます。
ただ、「あるもの」のおかげで、パリで過ごす冬は東京よりも数倍も快適に感じられるものがあります。
それは、ほとんどのアパートにある、「セントラルヒーティング」、いわゆる集中暖房のシステム!
大体のパリのアパートには、ありがたいことにこの暖房がついています。
各世帯、各部屋に熱湯が巡回するヒーターがついていて、それが24時間稼働しているのです。
だから、1日の中で暖房をつけたり切ったりすることはなく、基本的につけっぱなしなので、常に室温は一定の温度に保たれているわけです。
日本の冬で一番憂鬱だったのは、家の中が本当に寒いということでした。
湿気の多い夏のために造られている構造上の問題もあるし、壁が薄かったりしてとにかく外気の冷たさが家の中にも容赦無く入ってくる日本の建物。
特にそれを感じるのは、キッチンやお風呂場!
換気のために窓がついているから常に寒いのです。
日本では、だいたい寝る時に暖房を切り、朝起きた時にまたつけるので、夜の間にすっかり冷え切った室内で朝目覚めた時、布団から出るのは勇気がいったな〜と思い出します。
暖房のないお風呂場や使っていない部屋などで、吐く息が白いということも普通だし...。
フランスでは環境保護と節約のため、大方の家の窓は二重になっています。
2枚のガラスの間に1cmほどの空気の層を作ってあるおかげで、熱が伝わりにくく結露も全く生じないのです!
アパートのセントラルヒーティングは、大元のボイラーが建物に設置されていて、気温がだいぶ下がってくる10月半ばから11月にかけて稼働し始めます。
大元ででしか操作できないので、例えば日が全く当たらない家の住人や冷え性の人が、もっと早く暖房をつけたいと思ってもできないのが、セントラルヒーティングの短所かもしれません。
温度は大元のボイラーで決められるので、各家庭で室内の温度が暑いと感じたら、部屋の暖房器についている元栓のようなものを閉めてお湯が巡回するのを止めるか、または少し閉めて巡回するお湯の量を減らして暑さを弱めるという操作になります。
これにかかる費用は、自分のアパートの面積に応じて、各住戸の頭数で割ったものから請求されるシステム。
例えば長期間そこに住んでいなくても、また自分は暖房を切っているという場合でも、毎月かかる費用はしっかりと請求される...というのが不公平といえば不公平かもしれません。
とかくグレーの寒々しい空と、服の隙間から入り込む湿気のある寒さがつらいパリの冬。
東京のように、太陽の光や青空があまり望めないから、せめて家の中は、どこも温かく快適に過ごせることは本当にありがたいとつくづく感じます。