ブロガーさんから昨今のマンガについて質問を受け…
真面目にお答えしたのと…
ウチのチーフアシスタントが入院してしまったので思い出したことが一つ…
その昔…
まだオーバーレブ!を連載していた時のこと
有能とは言い難いけど漫画家の資質的にはいいものを持っている若いアシスタントの男の子が
仕事中に腹痛を訴え 近くの病院へ担ぎ込んだ…
診断は盲腸
甘くみてはイケナイだろうが とりあえずは安心…
手術後に見舞いへ行ったら そのアシスタントさんのお母さんが病院に居て 挨拶がてらお話しを…
「ウチの子がお世話になってます」
「いえいえ、こちらこそ…」
「ちゃんと仕事は出来てますでしょうか」
「仕事は…そうですねちゃんとやってますよ…」
「先生には感謝してるんですよ!前に東京へ行くのを止めてくださいましたでしょ…」
「え…なにが…ですか」
「ウチの子は一人じゃ何も出来ないし…東京なんか行ってしまったら、もう…」
過保護ですか…ってか そんな理由で引き留めてないですけど…オレ
「お母さん…ボクが彼の上京を引き留めたのは理由が少し違います…彼はなんというか危機感みたいなものがまだ認識できてなく…」
少し まどろっこしいと思いながらも丁寧に説明した
「なんて言うか…プロになる人間ってすごくハングリー精神を要求されるんですよ何がなんでもプロになってやる…みたいな」
「自分なんて本家の長男ですので親戚からは 反感 買ってましたでも…自分としては夢なので 必ず漫画家になって見返してやるぞっていう強い気持ちが…とくに東京なんかへ行ってしまうと必要なんです…彼にはまだ その気持ちが」
…と説明していたら
「先生は本家の長男さんなんですね…ウチはあの子が漫画家になると言うのを家族全員で応援してるんです…そこがダメなんでしょうか」
いや違う そんな話ししてないっ
「なんか…ウチのアシスタントの仕事で満足しちゃってるのか自分のマンガを描いてないんですよアシスタントの仕事なんて月に15日程度です あとの15日に普通だと自分のマンガを描かなきゃならないんです 漫画家を目指している人たちはみんなそうなんです」
少しヒートアップした自分はなおも続ける
「漫画家を目指して頑張っている人は世の中に何百、何千といます勝ち残るのは一つの雑誌で何十人です一日サボればライバルたちに差をつけられちゃうんです福岡で実家に居て家族の協力もある環境にあるから危機感が持てないのかもしれないけど…この環境で描けなきゃ東京なんてもっと無理…と彼に言ったんです」
「あの子は昔から争いごとが苦手な子ですから…」
な…なにが
「いつも二番手でいいって…そういうタイプなもので」
「お母さん…彼…二番手じゃないですよ…前に新人賞を受賞したかもしんないですけど…今は作品を描いてないただの漫画家になりたいと語るだけの若い輩…です…二番手どころか…まだエントリーさえされてませんよ」
今から十年ほど前の話し…その後 彼に質問してみた
何故 漫画家になりたいのか…と
すると
「オレ…絵しか描けないし、それしか取り柄がないから漫画家にならなきゃ何になるんすか」
…それだけ…デスカ
時代が違うとはいえそんなモチベーションだけでプロを目指しちゃうもんなのか
当時…それで愕然としたのを思い出しました…
昨夜のメッセージに マンガは日本の文化です 現役でマンガを描かれる以上 その文化を継承し、これからも 素晴らしいマンガを後世に残してください…と
それでこの時のことを思い出したんです…
どんでん返し
彼はその後…上京して大手出版社の週刊誌にてデビュー
現在も漫画家として活躍している
お互い 文化を継承していかねばならない同士なのである…
真面目にお答えしたのと…
ウチのチーフアシスタントが入院してしまったので思い出したことが一つ…
その昔…
まだオーバーレブ!を連載していた時のこと
有能とは言い難いけど漫画家の資質的にはいいものを持っている若いアシスタントの男の子が
仕事中に腹痛を訴え 近くの病院へ担ぎ込んだ…
診断は盲腸
甘くみてはイケナイだろうが とりあえずは安心…
手術後に見舞いへ行ったら そのアシスタントさんのお母さんが病院に居て 挨拶がてらお話しを…
「ウチの子がお世話になってます」
「いえいえ、こちらこそ…」
「ちゃんと仕事は出来てますでしょうか」
「仕事は…そうですねちゃんとやってますよ…」
「先生には感謝してるんですよ!前に東京へ行くのを止めてくださいましたでしょ…」
「え…なにが…ですか」
「ウチの子は一人じゃ何も出来ないし…東京なんか行ってしまったら、もう…」
過保護ですか…ってか そんな理由で引き留めてないですけど…オレ
「お母さん…ボクが彼の上京を引き留めたのは理由が少し違います…彼はなんというか危機感みたいなものがまだ認識できてなく…」
少し まどろっこしいと思いながらも丁寧に説明した
「なんて言うか…プロになる人間ってすごくハングリー精神を要求されるんですよ何がなんでもプロになってやる…みたいな」
「自分なんて本家の長男ですので親戚からは 反感 買ってましたでも…自分としては夢なので 必ず漫画家になって見返してやるぞっていう強い気持ちが…とくに東京なんかへ行ってしまうと必要なんです…彼にはまだ その気持ちが」
…と説明していたら
「先生は本家の長男さんなんですね…ウチはあの子が漫画家になると言うのを家族全員で応援してるんです…そこがダメなんでしょうか」
いや違う そんな話ししてないっ
「なんか…ウチのアシスタントの仕事で満足しちゃってるのか自分のマンガを描いてないんですよアシスタントの仕事なんて月に15日程度です あとの15日に普通だと自分のマンガを描かなきゃならないんです 漫画家を目指している人たちはみんなそうなんです」
少しヒートアップした自分はなおも続ける
「漫画家を目指して頑張っている人は世の中に何百、何千といます勝ち残るのは一つの雑誌で何十人です一日サボればライバルたちに差をつけられちゃうんです福岡で実家に居て家族の協力もある環境にあるから危機感が持てないのかもしれないけど…この環境で描けなきゃ東京なんてもっと無理…と彼に言ったんです」
「あの子は昔から争いごとが苦手な子ですから…」
な…なにが
「いつも二番手でいいって…そういうタイプなもので」
「お母さん…彼…二番手じゃないですよ…前に新人賞を受賞したかもしんないですけど…今は作品を描いてないただの漫画家になりたいと語るだけの若い輩…です…二番手どころか…まだエントリーさえされてませんよ」
今から十年ほど前の話し…その後 彼に質問してみた
何故 漫画家になりたいのか…と
すると
「オレ…絵しか描けないし、それしか取り柄がないから漫画家にならなきゃ何になるんすか」
…それだけ…デスカ
時代が違うとはいえそんなモチベーションだけでプロを目指しちゃうもんなのか
当時…それで愕然としたのを思い出しました…
昨夜のメッセージに マンガは日本の文化です 現役でマンガを描かれる以上 その文化を継承し、これからも 素晴らしいマンガを後世に残してください…と
それでこの時のことを思い出したんです…
どんでん返し
彼はその後…上京して大手出版社の週刊誌にてデビュー
現在も漫画家として活躍している
お互い 文化を継承していかねばならない同士なのである…