赤坂ACTシアターで栗山民也演出『THE SEAGULL かもめ』を見て来ました。
栗山民也の演出もかもめも初見です。
19世紀末、帝政崩壊間近のロシアが舞台。
幕が開くと夕景の湖のほとり。
大女優を母にもつトレーブレフ★コースチャ(藤原竜也)が自作の戯曲を上演するために湖畔に仮舞台を作り、公演の準備にバタバタとしている。
コースチャの母アルカージナ(麻実れい)が年下の恋人、著名な作家トリゴーリン(鹿賀丈史)を連れて、この湖のほとりの兄ソーリン(勝部演之)が所有し、息子コースチャが住む屋敷に帰って来ているのである。
コースチャは母に、そして母の恋人で作家のトリゴーリンに自作の戯曲を披露し、自らの存在を認めさせたい。
そして、この舞台の主役は対岸に住む女優志願の美しい娘ニーナ(美波)。
コースチャはニーナに恋している。彼女の足音が聞こえるだけで身が震え出し、狂喜し、その場にジッとしていられない程愛している。彼はニーナを主演にすることで彼女の気をも惹きたいのである。
アルカージナを愛す(もしかして昔の恋人?)医師のドルン(中島しゅう)と退役軍人でソーリン家の管理人シャムラーエフ(藤木孝)と妻のポリーナ(藤田弓子)。ポーリナは夫のいる身で医師ドルンへの熱い思いを胸の奥に隠している。そして、その娘でマーシャ(小島聖)もまたコースチャへの熱い恋心を黒衣に包んでいて、彼女を心から愛し、毎日6kmの道を通う教師のメドベジェンコ(たかお鷹)の誠意を受け入れられずにいる。
全ての観客が揃って、コースチャの舞台が始まる。
コースチャの母アルカージナは根っからの女優で、何をしていても「私が…」であり、「私は…」で「私なら…」の人間。息子の素人劇でも黙っていられずに女優の顔が出る。ああだ、こうだと茶々を入れ、芝居を中断させてしまい、結局コースチャの芝居は失敗に終わるのである。
その上、愛するニーナの心を掴んだのは母の恋人、作家のトリゴーリンだったのだ。
女優志願であり、有名になることに執着し、セレブに憧れる上昇志向の強いニーナはコースチャの気持ちを知りながらもトリゴーリンに惹かれ、愛してしまう。
コースチャは非常に傷つき、落胆する。医師ドルンの賞賛の言葉にも耳を貸さない。
挙句に自殺未遂を起こしてしまう。
アルカージナは落ち込んで自殺未遂まで起こした息子の原因はトリゴーリンと考え、彼から引き離せば全てが解決するとばかりにモスクワに帰ると宣言し、帰り支度を始める。
ニーナはアルカージナとモスクワに帰るトリゴーリンを諦めるかに見えたが、全てをすててトリゴーリンを追いかけ、モスクワに行くことを決意する。
二年後
コースチャは人気作家の地位を得ている。すっかり大人になり落ち着いている様子に見える。
そこに再び母アルカージナがトリゴーリンを連れて帰ってくる。また賑やかさを取り戻す湖畔の屋敷。
トリゴーリンを前にすると作家としての才能に自信が無いコースチャ。
そんな彼の気持ちに気がついているのか?相変わらずノンビリと構えたトリゴーリン。
コースチャは客に問われるままにニーナの二年間を話して聞かせる。「モスクワでトリゴーリンと同棲し、子供を授かるが死んでしまった。またトリゴーリンもアルカージナとの関係が切れずに中途半端なまま2人の間を行ったり来たりしていたが、結局ニーナを捨て、アルカージナの元に戻ってしまった。女優としても鳴かず飛ばずで… 今、この町に戻って来ているが、両親はニーナを許さず、ホテルに泊まっているらしい」
コースチャは冷静に話す。
でも彼の中では“ニーナは自分を頼って来るかもしれない、頼って来るだろう”という期待が大きく膨れているのである。
周りの人間は若者2人の生活に関心を示さず、カード遊びに忙しい。
そんな夜にニーナが屋敷の庭をウロウロとしているのに気がつき、コースチャは喜びに溢れて向かえ入れる。
みすぼらしい姿。疲れはて、食事もろくに取っていない様子の変わり果てた姿のニーナ。
「やっと僕の元に帰って来た」
でも絶望的な状況の中でもニーナは諦めない。「私は女優よ」と希望に溢れた言葉を口にする。
そして賑やかな部屋の奥を探るように「トリゴーリンは来ている?私は彼を愛しているの。ずっと愛しているの」
コースチャは初めて気が付く
「ニーナはトリゴーリンを追いかけてこの町に来たのだ」と……
帰るニーナの後姿に「庭を歩いているのを誰かに見られたら、ママが気分を悪くするだろう……」とつぶやくコースチャ。
届かない思い… 絶望感がコースチャを襲う。
カード遊びに興じる大人たちの耳に爆発音が届く。
様子を見に行った医師ドルンがトリゴーリンに囁く。
「アルカージナをここから連れ出してくれ。コースチャが自殺した」
★あくまでも私の目線、感情でのストーリーです。悪しからず…
「ワーニャ伯父さん」 「三人姉妹」 「桜の園」 そして「かもめ」 これがアントン・チェーホフの代表作、4大戯曲と呼ばれる作品。
中でもこの「かもめ」は一番最初に書かれた作品であり、物語最後の青年トレーブレフ★コースチャの選択は非常に重く、悲劇的であるのに、なぜか“喜劇”といわれているのです。
さて、どこが喜劇なのか?
つづく。。。。。