私はいわゆる「赤毛もの」と呼ばれる舞台が非常に苦手。
何故か?
私の舞台好き、映画好きの理由のほぼ99%がこれなのですが……
「非日常」に浸りたい!
特に舞台は開演のベルが鳴り、劇場内が暗くなり、緞帳が上がる。
その瞬間から、その舞台の世界に自分の身を置きたい。
金髪のかつらを着け、彫りの深いメークを施して「チャーリー…」なんて呼んでも、呼ばれた人間も呼んだ人間もどこをどう見ても正真正銘の純然たる日本人なのだから…
浸れないし、どこか冷めて見ている自分が居る。
同様に邦画も殆どお金を払って見たことが無い。
特に題材がほぼ日常に直結するから、映画は特に……
そして何よりも赤毛ものミュージカル(こういう言い方は有るのだろうか?苦笑)は苦手。
せりふが歌なんて、それだけでも普通では無い世界なのに、プラス純然たる日本人がチャーリーだったりマイクだったりするのだから。
気恥ずかしくて見てられないというのが正直な気持ち。
そんな私が青山劇場の『ファントム』 に行って来ました。
私を良く知ってる友人は「へぇ???。。。。。。。」の反応でしたが、実はアーサー・コピットとモーリー・イエストンの作詞作曲コンビのファントム が見たかったのが最大の理由。
ロイドウェバー版のファントムは非常に有名で、今この時でも世界中の何処かで公演されているし、映画にもなりジェラルド・バトラーを一躍スターにもした。
劇的なストーリーと凝った舞台装置、何よりも楽曲が素晴らしい。
私はこのロイドウェバー版ファントムは大好きで映画も何度も見たし、ロンドンでは体調不良を押して劇場にも足を運んだ。
では、このコピット&イエストン版はどうなのだろう…
その興味と一度はソルドアウトで諦めたチケットが偶然にも手に入ったことも有り、劇場に足を運びました。
歌…
つまり歌声、歌唱法を含めて、音楽というのは非常に個人の好き嫌いがはっきりとでるものです。
個人差がとても有るということ。
それをふまえて、以下は私の個人的、極個人的な意見です。悪しからず
「感情を込めて強く激しく歌う」と言うことと「叫ぶ」ということは違う。
一幕最初から気になり、結局最後まで耳についてしまい、耳障りだった。
特にクリスティーン役の女優さん。
高音域が狭いのか、そろそろ辛そうだなぁ~と思うと歌が叫びになってしまう。
感情的に盛り上がって来た時も叫んで歌っている。
と、私には聞こえた。
ゆったりとしたバラード調の曲はとても丁寧に歌い、良い声で聞かせてくれる。
だから惜しいなぁ~と感じた。
しかし、どうも一幕、二幕と聞いているうちに、彼女だけでは無いのだと気が付いた。ほぼ全員がそんな感じで歌っている。
これは演出家か音楽監督の好みなのだろうか?
主演の男優さんもこう…なんと言うか搾り出す様な歌い方をする。のどから搾り出す様な歌声。
ファントムの辛く悲しい気持ちを表すとこういう歌い方になるのかも知れないけれど、これは長くやっているときっと喉と声に悪い。
そんな中、フィリップ役のパク・トンハは歌声に余裕があり、1曲しか歌わないもののとても存在感が有る。ルカス・ペルマンを聞きたかった私は配役を見て少しがっかりしたのだけれど…彼の歌はユッタリと気持ち良く聞けました。
さて、一幕最初の歌から引っかかってしまいましたが、このコピット&イエストン版ファントムはとてもナイーブで傷つきやすいファントム。悩み、苦しみとても人間味を感じる。
地下で世間から隔絶されて(自ら隔絶して)生きてきた彼がクリスティーンへの愛を通じて、明るい世界に出ようとするけれど、受け入れらず、また自ら受け入れず、悲劇的な死を迎えるのですが、父や母の愛、クリスティーンの愛に包まれた死でもありました。
愛を知り、愛に囲まれて穏やかな世界へ、無償の愛で守ってくれた無き母の元へ旅立って行くという…見ている側に救いのあるストーリーでした。
これはもう見る側の好みの問題でしょうが、私はやはりロイドウェパー版が一番と思う。劇的な舞台運びと救われないファントムの方が好きかな~
さて、私の赤毛ものミュージカル嫌いは。。。。。。。
少し年齢と共に改善されているのかも??? 以前より違和感は少し減ったような気もしますが。
歳かなぁ~ 丸くなったのかも★苦笑