メトロポリタン美術館正面入口


階段の一番上でジェーコブがナタリーに銃を突きつけており

階段の下から警察官とSWATが銃を向けて囲っている緊迫した状況が続いていた


「爆発を止める方法は1つ、5時までに500万ドル用意するんだ出来なければ……あと1時間しかないぞ」
ジェーコブはそういうとナタリーを連れ美術館の中に入っていった










メリッサ宅


「ジョンが自ら来るって言うのはこれか…ウォルターめ汚いやり方しやがって!」
テレビを見ながらアルバートは頭を抱えた

「…君はメリッサを頼む、俺はメトロポリタン美術館に行く」
ジョンは計り知れない怒りを抑えきれない様子だ

「待て!それじゃあウォルターの思う壺じゃないか、第一どうやってナタリーを助ける?」
アルバートは今にも助けに行きそうジョンを必死に止めた


「ウォルターが欲しいのはナタリーじゃない俺の命だ…」
ジョンはアルバートの目を真剣な眼差しで見た


「それじゃあ命を捨てに行くようなものだ」


「…それでも構わない」
ジョンはコートを着て玄関に向かった

「待てよ!これ」
アルバートはジョンにハンドガンを手渡した

「FBIは頼んだ、メリッサの命も」
ジョンはハンドガンをショルダーバックにしまった

「あと1時間しかない俺もすぐにFBIに行く、録音データもあそこからじゃないと本部に送れないしな」
アルバートは録音データを入れたUSBをポケットにしまった


「アルバート!くれぐれも死なないでくれよ、お前はもう死んでるけどな」

「ジョンも無茶はするなよ」


「あぁ」
ジョンはメリッサの車でメトロポリタン美術館へと向かった









メトロポリタン美術館


ナタリーは美術館を少し入った所に椅子に縛り付けられていた
「どういうつもり!FBI捜査官のフリをして、あんたは何者」

ナタリーが叫んでいる方向にはウォルターが座っていた


遡ること15分~



ウォルターの車はナタリーを乗せて
メトロポリタン美術館へと近づいていた


その中でメリッサはニュースでやっていたジョンの事件について心配をしていた

「ジョンは無事なんですか?あのニュースは潜入捜査の一貫何ですよね!」

ナタリーは運転しているウォルターを覗いた

「はい、今詳しく説明はできませんが、もうすぐ会えますよ今から行く所に少ししたら彼も来ますし。」
ウォルターは面倒くさそうに言った

「もうすぐ着きますよ」


ウォルターは携帯電話を取り出して
誰かに電話をかけた
「もしもし私だ」

「ウォルターさん、もう手筈は整ってます建物の南で待ってます。」







~数分後~

メトロポリタン美術館の南側




ウォルターは車を止めた
その道の先は美術館に近づいけないよう警察官が道を封鎖していて、緊張した空気感であった


「さぁおりてください」
ウォルターは辺りを見渡している

「ここ…ですか?」
ナタリーは車から降りた




そこへ1人の警察官フランクがやって来たが少し様子がおかしい

「ウォルターさん」

「フランク時間がだいぶ押してる急いでくれ」
フランクは2人について来るように言って
歩き始めた

少し歩くとある建物に入った

「ここですウォルターさん、後は…」
フランクはウォルターへ投げかけた

「あぁ大丈夫だご苦労さん」
ウォルターはフランクの肩を軽くたたいた
そして、フランクは帰って行った

ナタリーは何かおかしいと感づき始めていた
「ここが隠れ家?」

「違うもう少し歩く」
ウォルターは奥の部屋に行った
その部屋の床には大きな穴が空いていた
「ここを行く…さぁ降りるよ」

その穴は人が余裕で通れる大きさだが、下は暗くて見えない

「ここを」
ナタリーは穴を覗いた
「あぁ」
ウォルターは迷わず下へ降りた
穴は深く無く地下水路へ繋がっていた









2人は地下水路をもう100m以上進んでいた

「まだ歩くの?」
ナタリーは疲れた様子だ

「もう着いた」
ウォルターは上を見て、金属の板を持ち上げた

すると間から強い光が差し込んできた

そこにはアブラハムとジェーコブの姿があった

地下水路を歩いて
メトロポリタン美術館の地下まで来ていたのだ


「さぁ上がってください」
アブラハムはウォルターに手を貸した

そして次にジェーコブがナタリーを引き上げた
「どうぞ」


「さぁ着いたぞ」
ウォルターはナタリーを見た

「ここが隠れ家?」
ナタリーは見回した




「違う、ここは美術館だよ」
ウォルターはアブラハムから銃を受け取った





FBIニューヨーク支局


メリッサは手錠をはめられ小さな部屋に看守付きで監禁されていた

そこに支局長ブライアンが入ってきた

「少し外に居てくれ」
部屋の中に居た警備に目を睨みながら言った

すると警備の男は小さく返事をし部屋を出た
部屋はブライアンとメリッサ2人だけになった





「メリッサ…」
ブライアンはメリッサの前に座った

しかしメリッサは表情ひとつ変えず黙って座っている



「…君がどれだけ私の事を知っているのか、正直私には分からない」


下を向いていたメリッサは少しだけ顔を上げた


「しかし、君が私の通話記録を盗んだ事は知っている………ジョンと繋がっているのか?」

ブライアンの核心を突いた質問にメリッサは生唾を飲んだ


「あなたがこんな所でそんな事言っていいの?自分の罪を認める事になるわよ」

メリッサは部屋の隅にある監視カメラを見ながら言った


「カメラは全て切ってある、この会話誰も聞くことは出来ない」


「最低ね、けどいつかバレるわよ」




テテテ…テテテ
テテテ…テテテ


その時ブライアンの携帯電話がなった
それは、さっきメリッサが盗聴器を付けた電話だ

「もしもし」


「今大丈夫ですか?」
電話の相手はウォルターであった


「あぁ大丈夫だ、今FBI内部の裏切り者を捕まえた所だ」


「FBIに裏切り者が?」


「そうだ、お前がジョンを野放しにしてる間に奴が仲間に引き込んだんだろう、まぁコイツもここと一緒に潰れるだけだ」
ブライアンは携帯電話片手にメリッサを見た


「今、仲間がそっちに向かってるどうにか中に入れさせてくれ」


「あぁ手筈は整っている、決行の時間は?」



「17時ピッタリに」



「わかった、でジョンは捕らえたのか?」


「捕らえる必要も無いですよ、ジョンは自ら私の所に来る、必ず」


「そうか…まぁ今度へましたらお前をしょっぴくだけだ」


ブライアンは携帯電話を切りポケットに閉まった



そしてブライアンは帰り際メリッサの耳元で小さく囁いた

「あと1時間もすればここも瓦礫の山だな…」




16:00






「アルバート!今の録音出来たんだろうな?」
ジョンはアルバートに言った


「あぁ完璧だ、それより爆発まであと1時間しか無いぞ」
メリッサのお陰でブライアンとウォルターの会話の盗聴に成功したのだ


「嘘だろ・・・」



「嘘じゃない!今の会話聞いてただろ、早く支局に行くぞ」
アルバートは振り向きざまに言った


「そうじゃない…」

アルバートはジョンの目線の先にあるテレビ画面を見た


するとそこにはメトロポリタン美術館襲撃立てこもり事件のニュースが流れていた

そして、そこに武装した男に美術館の入口で
頭に銃を突きつけられているナタリーが映っていた







メトロポリタン美術館正面入口


ジェーコブがナタリーに銃を向けながら美術館を包囲している警官に怒鳴っていた

「5時ピッタリにこの美術館を爆破する。あまり近付き過ぎるなよ、すぐにでも爆発出来るんだ」





ジョンを一番愛しているが、彼が濡れ衣を着せら逃走して居ることを全く知らない女性はどこかの公園に居た



閑散としたとある公園内をジョンの妻ナタリーは1人歩いていた


公園の噴水の前でナタリーは足を止め時計を確認した


15:20


「少し早く着いてしまったわ」
ナタリーは噴水のふちに腰を下ろした




「カーターさん?」
後ろから自分を呼ぶ声が聞こえナタリーは振り向いた


「こんにちは」

ニヤリとにやつくその顔はジョンを狙う男ウォルター・ワーナーであった







メリッサ宅


ジョンはアルバートと、ブライアンの携帯電話が彼の元に戻っている事を願い
固唾を飲んで
彼が誰かとあの盗聴器付きの携帯電話で通話するのを待っていた

「ダメだな、そもそもメリッサはブライアンの元に携帯電話を戻せたのか」
立っていたアルバートは椅子に深く座った

「今はメリッサを信じよう、アルバートFBIのパソコンに侵入する事はもう出来ないのか」
ジョンはカーテンの隙間から外を見ている



「リアルタイムの情報を見るのは無理だがデータベース位なら見れる」


「少し調べたい事があるんだ」
ジョンはパソコンに向かって調べ始めた


「何を調べるんだ」
アルバートは自分の座ってる椅子を回転させた



「ブライアンについてだよ」








メトロポリタン美術館



メトロポリタン美術館の外周は州警察とFBIが連携をして完璧に包囲しており

直にSWATも到着し一段と緊張感が増していた






テロリストしか居ないメトロポリタン美術館内では

美術館の至る所に爆弾を仕掛けたテロリスト達は個々に起爆装置を持ち
いつでも爆発できる状況だった



その中ジェーコブはキョロキョロと周りばかりを見ていた

「どうしたジェーコブ」
髭の男が近づいてきた

「いいや何でもない…アブラハム」

「何だ」
髭の男アブラハムは答えた

「こ…これからどうするんだ」
ジェーコブの声は震えている

「緊張してるのかジェーコブ」
アブラハムはジェーコブに近づき背中を叩いた

「い…いや緊張何かしてない」

「もう直ぐウォルターさんから電話がかかってくるからそれを待つ」








ウォルターの運転してうる車の助手席にはナタリーが乗っていた

「着きましたよカーターさん」
ウォルターは大通りの路上に車を停めた
「本当に私は命を狙われてるんですか」
ナタリーは車を降りながらウォルターにそう言った

「えぇですからFBIとしてはご家族の安全を考え隠れ家に案内してるのです、まぁ今回は潜入捜査中で特別なんですがね」

ウォルターはナタリーを騙してどこかに連れて行こうとしてるのだ

「それでジョンは無事何ですか」
ナタリーはどんどんと歩くウォルターを追いかけ進んでいた

「えぇ無事ですよ今の所はね」
ウォルターはナタリーに見えない向きでニヤリと笑った