飲みたいものは?
「在宅ターミナルケア」 は、医師と看護師の訪問を組み合わせて行われる。
医師による訪問診療のとき
「好きなものを何でも食べたり飲んだりしていいですよ。お酒は飲まれるの?」
と訊かれ、「好きだったんですけど、病気になってからはねぇ・・・」 とご家族。
ご本人は耳が遠く、その会話は聴こえていない。
しかしその晩、ご本人が「ワインを飲みたい」とおっしゃった。コップ1杯飲んだ。
次の日は日本酒、また次の日はビール
固形の食物はまったく喉を通らないけれど、水分だけはなんとか摂れていた
お酒も順調?に、ビールなら1缶飲めた
初めは、コップにお酒を注いで ストローでチョビチョビと飲んでいたが、その
うちストローから吸う力もなくなってきた。吸飲みは準備していたが、どうも抵抗
があるらしく、使おうとしなかった
ご家族には我儘を通し、イヤと言ったら絶対使わない
「では私が一度ためしに吸飲みを使用してみて、その方が楽だと実感して
いただきましょう」 訪問看護の際、そう提案した。
吸飲みで 氷水をお口に注ぎ、スムーズにごくっと飲むことができた
次の訪問のとき、「あれから吸飲みを使うようになりました」とご家族の笑顔。
しかも吸飲みにビールを入れて飲むようになった、と
「それ初めて聞きました!吸飲みにビール、泡が立つんですね!」 と一緒に
笑った。味わいたいものは何でもOK!それが在宅ターミナルケアの良い所だ。
ご本人とご家族の心の安定があるように バックアップを心がけた。
