「吸引が必要な患者さんです」 後編
乗車して約10分経つと、やはり予想していた通りの状態が起こりました
喉元でゴロゴロとしていた音が 急激に大きくなってきたのです
申し送りでは93%だったSpO2も88~90%と低下しています
ストレッチャーで移動をしたり、車の振動を受けたりすると、病棟サイドで考えて
いる以上に 搬送中には「痰がらみ」の症状が強く出ることが多いです
さっそく 痰の吸引処置を行うことを決めました
分泌物が貯留している部位にカテーテルを挿入し、陰圧をかけて吸引します
「咳をしてくださいね~」 本人に声をかけながら、ゴホゴホと咳を促し、出てきた
痰を吸引します。4~5回続けてようやくヒット!たっぷり取れて、SpO2も上昇
してきました
本音を言うと、搬送付添いナースとしては、なるべく吸引はしたくないのです
なぜなら、喉の奥までカテーテルを深く挿入すると、嘔吐反射(吐きそうになること)、
または嘔吐を引き起こすことがあるからです。 またその吐物が気管に入ることで
誤嚥性肺炎を引き起こすリスクもあります
こう考えると、搬送中にはなるべく吸引はしたくないのが本心なのです
けれども、痰が詰まって窒息してしまっては大変なので、常に患者さんの状態を
観察しながら その辺の判断をしなければいけません
この日の受診は、外来が異常に混雑して待ち時間が長く、約3時間かかりました
受診が終わっての帰りの車内でも、同じように吸引が必要でした
個々の患者さんによって違います。その個別性を把握しながら 搬送することは
とても難しいと毎回思います
DREAM号には、
吸引器のほかに酸素ボンベ、バイタルを測定するための一式、AEDも 積んで
います。 医療依存度の高い患者さんの移動には、ぜひDREAMをご指名ください
