【がん患者の治療ブランクないよう支援を- 国立がん研究センター支援団が報告】
東日本大震災を受け、国立がん研究センターが宮城県に派遣した医療支援団と、福島県に派遣したスクリーニング支援団が3月20日、現地での活動を終えて同センターに戻り、報告会を開いた。医療支援団の島田和明団長(外科医)は、支援に入った国立病院機構宮城病院が診療体制を維持できない中診療支援に当たり、今後は抗がん剤の投与や手術の予定が入っているがん患者のブランクがないよう支援することなどが課題となると述べた。
両支援団は、17日から20日にかけて派遣された。
医療支援団は、医師2人、看護師3人、事務職2人の計7人で、国立病院機構宮城病院(宮城県山元町)に滞在して支援に当たった。島田団長によると、山元町は津波による被害が大きかった地域。医師、看護師なども被災者になっており、宮城病院は320人の入院患者の診療体制を維持するのがやっとで、外来は2人の医師、2-3人の看護師で軽症の救急患者に限って診ている状況だった。また、周囲の避難所16か所、救護所1か所に計3931人が滞在(17日時点)していたが、現地の開業医が避難所3か所を巡回しているだけだった。
支援団では、宮城病院の負担を軽減するため、17,18日に医師、看護師が交代で夜間の救急外来診療に参加した。また、2班に分かれて避難所や救護所などを巡回し、患者を診療したり、各施設の代表者や保健師に感染予防策を指導したりした。
これからの課題として島田団長は、▽インフルエンザなどの感染症の予防▽慢性疾患の患者の薬がなくなった時のバックアップ体制▽抗がん剤の投与や手術の予定が入っているがん患者のブランクがないようにする支援―の3点を挙げた。特にインフルエンザは、迅速診断キット陽性の患者が出るなど流行の兆候があったという。
がんの診療体制については、「高度ながん治療は、高度な病院でないと不可能な治療が多い」とし、「東北大病院などで十分な体制が取れない場合は、近県や都内(の病院)に送るバックアップ体制が必要」との見解を示した。
今後、第2陣を派遣する時期について、同センターの嘉山孝正理事長は「今は(被災地に)医者が集まってきている」とし、「少し間をおいて、抗がん剤が尽きたころに現地に行く」と述べた。
■被ばく状況、周囲に影響なし―スクリーニング支援団
一方、スクリーニング支援団は医師1人、診療放射線技師1人、事務職1人で編成。主に福島県内の避難所で、住民の被ばくの状況調査などを行った。団長の伊丹純医師によると、1130人の放射線量を測定したところ、「全身除染」の対象と同県で定めている10万cpm(カウント毎分)を4人が上回った。ただ、いずれも服を叩いたり、ウエットティッシュでふき取ったりすれば基準値を下回ったといい、伊丹団長は周囲に影響を与えるような人はいなかったと説明した。
i医療・介護CBニュース
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