【デスカンファレンス】
デスカンファレンス(死亡症例の検討会)=亡くなられた患者様の死に至る経過を関係職員みんなで振り返り患者様や家族の思いを共有するカンファレンス
わたくしども移送サービスでは主に患者さまの移動のお手伝いをしています。
病院や施設、あるいは在宅での医療・介護のお手伝いは中々できません。
移送(転院や退院)が完了した後の患者さまの様子はまったく知ることもない。
先日、ご自宅までの退院のお手伝いをさせていただいた患者さまの病院(緩和ケアチーム)さまから
デスカンファレンスへ召集いただきました。
ドクターや病棟看護師さん、退院調整看護師さん、訪問看護師さん、在宅診療ドクター・・・・
入院から退院、お亡くなりになるまでの経緯とご家族への対応など、たくさんのお話しを聞く事ができました。
私がお手伝いさせていただいた経緯を少し紹介します。
患者さま:40代男性
末期がん
自宅での看取りを本人もご家族も希望されている。
自宅はメゾネットタイプの2階で階段があり、患者本人の体格(体重)から退院が可能なのか?不安である。
が退院調整看護師さんからの情報。
階段でもストレッチャーと担架(スクープストレッチャー)を使い安全に帰宅する方法がある。
業務の合間に病室にお邪魔して本人とご家族、ドクターや看護師さんに使用する機材をみてもらった。
患者さまのご自宅へ行き、階段やベットの位置も確認することも可能だとお伝えした(今回は写メで確認する)
この時点で退院は次週ぐらいを予定しますと決まった。
数日後、『今日の夕方に退院します。』の連絡が入り、機材を用意して病棟にあがる、
すでに夜勤帯なのに多くの看護師さんやドクターがスタンバイしていた。
退院の準備(着替え等)をしている間に、スクープストレッチャー(以後スクープ)の予行練習を病棟の階段で行った、
乗ってくれたのはドクターだ!狭い階段(折り返し)をクリアする想定もやってみた(これが正解だった)
患者さまとご家族、男性ドクター3人、看護師さん2人を乗せてDREAM号が出発した。
マンホールや歩道の段差、交差点など揺れや振動に気をつけた運転をする、いつもどうりのルーチン。
初めて介護タクシーに乗車する看護師さんからお褒めの言葉をいただく。←ドヤ顔
10分ぐらいでご自宅に到着、実物の階段とベットの位置を確認して、男性軍(ドクター3人と私)で
リハーサルをしてみる。軽いので楽勝じゃん気分なのだが本番では全員鬼面全開で無事完了。
私は直接聞いていないのだが!患者さまが『生きて帰ってこれた!』と嬉しそうに話していたそうです。
ここからは、在宅診療担当ドクターや訪問看護師さん、酸素やベットの業者さんがご家族に色々な説明を
していく。
お疲れのドクターや看護師さんを病院まで送り、私の任務も完了となりました。
急に決まった退院なのに、たくさんの業種が連携し患者さまのご希望に応えていくことが可能になって
きている現実を目の当たりにしました。
翌朝に容態が急変し、患者さまは亡くなりました。
呼吸状態が変化して訪問看護師さんが駆けつけ、親族が集まり、
お父様が来るのを待っていたかのように息を引き取ったそうです。
エンゼルケア(死後処置)を訪問看護師さんとご家族で行ったこと、
本当は元気なって会社に行きたかったからとスーツに着替えたこと、
着替えた後の顔がとても素敵な笑顔のような表情に変わったこと、
2時間ちょっとのカンファレンスでしたが患者さまやご家族に対して
どのような接遇をしてきたのか?
振り返って今後に結びつけて行けばいいのかと考える良い機会になりました。
この様なカンファレンスにお招きいただきまして感謝します。
ありがとうございました。