パン屋襲撃し損なった息子とお母さん | CURRY THE KITCHEN

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マレーシアでカレー屋をやっていると、
いきなり人がお店に入ってきて
"vacancy?"と聞いてくることがあります。

「トイレあいてる?」という意味ではなくてですね、
「仕事無い?」って意味です。
(vacancyの前にjobが省略されてます)

そこそこの経済水準を持つマレーシアには
アジア各国から色んな人が出稼ぎに来てるという背景があって
けっこうな頻度(2日1人くらい)でそういう人が来ます。


今日は珍しくマレー人19歳の少年が来まして、
(後から無理やり見せられた履歴書に書いてあった)
なぜか後ろに、お母さんっぽい人(ざーます系)がついてきてて
ぶつぶつ言ってまして、
仕事を探してると、
この子は、パンの作り方を勉強してきたと、
なんだか後ろで演説してまして。


とりあえず僕の第一声は、お母さんらしき人に向けて







"Who is it?"
(で、あんただれ?)





に当然なるのですが、息子の履歴書を見てくれと、
パンのエキスパートなんだと、僕の質問無視して
ざーますがぐいぐいくるわけですよ。

その間ずっと19歳の少年は
背後のお母さんと、目の前の私にはさまれて
何かに耐えるようにうつむいていましたので、
ちょっと大事な事を伝えないといけないと思いまして


"This is curry house.
Japanese curry restaurant.
Not bakery."
(うち、カレー屋なんです)


と伝えた瞬間、息子はますますうつむいて、
お母さんぴたっと固まって






"Wrong shop"(違う店だわ)




っておっしゃるので、




"I'm sorry"


って言っておきました。


確かに、隣のカフェはパンを手作りしてます。


っていう話です。