不登校に入院は必要か | ピッピスタイル☆

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今朝の新聞に、

「不登校で悩む子どもの専門的な入院診療に取り組むための病棟が4月に開設される」

という記事が出ていました。

 

 

まだ始動してはいないので、

成果がわかるのはこれからです。

 

 

ただ、私が少し懸念したことがいくつかあります。

(杞憂に終わればいいです。)

 

 

「不登校になったら入院して直してもらえばいい」と安易に考える親御さんが出てしまわないかということ。

 

「不登校なんだから入院させるべきだ」と、本人や親御さんに、安易に意見する第三者が増えないかと言うこと。

 

「不登校はやはり矯正すべき問題なんだ」という、現在の流れに逆行する動きが出るのではないかと言うことです。

 

 

なお、誤解のないようにこれは先にお伝えしておきますが、

入院治療そのものに反対しているわけではありません。

 

今日お話ししたいのは、「不登校用の病棟」という言葉が一人歩きして、

入院の意義をよーく考えることなく、

安易に「入院させよう」「入院させたら?」なんて言われるようになることの懸念です。

 

(また、統合失調症・摂食障害などの疾患のため入院が必要なケースや、虐待ケースは除きます。)

 

 

不登校は本人側だけの問題ではない

 

 

まず最初に、この病院は、「不登校の一因となっている精神疾患」に着目して入院診療に取り組むとのことなので、不登校=入院するという話ではありません。

 

 

不登校の相談を受けたら、診察で原因となるような精神疾患が隠れていないかや、発達障害等が影響していないかどうかを評価し、入院治療が適切と考えられた場合に入院を勧めるという形なのだろうと思います。

 

 

なので、全ての不登校の子たちが入院の適応になるわけではないでしょう。

 

 

ですが、「不登校に特化した専門病棟」と聞けば、「不登校を治すための入院治療をしてくれる」と早合点する方も少なくないでしょう。

 

 

不登校がどうして生じているかというと、

その子自身と環境とが合っていない、ミスマッチがあるからです。

環境側を改善する取り組みは不可欠です。

 

 

・いじめに遭った。

・感覚過敏があって、学校の環境がしんどい。

・勉強についていけないのに、理解できない授業を受けさせられ、叱られ続けた。

・特性による衝動性は自身でコントロールできないのに、叱られたり、クラスメイトにばかにされたりし続けた。

・繊細で不安が強いので、例え自分が叱られたわけではなくても、大声を出したり叱ったりする先生がいると怖くて学校に入れない。

 

 

いじめの例などはわかりやすいと思います。

いじめで不登校になった子が、「不登校を治しなさい」なんて言われたら、

どうしようもなくて追い詰められるだけです。

 

 

特性に対する配慮もしてあげなくてはなりません。

感覚過敏も衝動性も、特性がある子自身が困っており、

どうしようもできずにいます。

薬で治るものでもありません。

(改善させるには、次で述べますが、脳を成長させていくのが最良の手段です。)

 

 

環境の改善に着手することなく、子ども側にだけ負担をさせて改善を図ることはあってはなりませんし、効果も出ないでしょう。

 

 

 

 

治療よりもすべきことは「脳を成長させること」

 

 

発達障害(ASD)やADHDなどの特性からくる困りごとは、

脳の一部に成長が遅いところがあることが原因です。

なので、困りごとを減らすために必要なのは、「脳を成長させること」です。

 

 

脳を成長させるためには、脳を使うこと。

筋トレと同じように、脳も使えば使うほど伸びていきます。

行動をすれば脳の色々な部分が使われますので、

行動量を増やしていくことが大事です。

 

 

たくさん行動させるには、何をすればいいか。

好きなことをどんどんさせるのが一番です。

 

 

宿題を好んでたくさんやる子はなかなかいませんが、

サッカーの好きな子は何時間も練習に打ちこみますし、

お料理好きな子は、作り方を調べて、お買い物に行き、料理をしますから

たくさん脳を使います。

 

 

 

行動できる子になるためには「肯定のシャワー」

 

 

叱られ続けて自信がない子は、行動力が落ちてきます。

自信をつけるためには、周りの対応が大事です。

 

 

その子の存在を丸ごと認め、できていることやがんばっていること、

なんならそこにいてくれることそのものを肯定することが大切。

この自信の土台なしでは、その上に何かを積み上げていくことはできません。

 

 

なので、一緒に過ごしている家族が肯定のシャワーを浴びせてあげることが

いちばん脳を伸ばすことになります。

 

 

よく知らない専門家のおじさんおばさんお姉さんより、

大好きなママの褒め言葉の方が、ずっと嬉しいです。

 

 

週に数回、数時間だけの療育よりも、

毎日毎日、何時間も一緒にすごすママの声かけの方が

量もずっとずっと多いです。

 

 

お子さんの脳を伸ばせるのは、

専門家ではなく家族なのです。

 

 

 

 

不登校の子にいちばん自信をつけられるのは家族

 

 

こういったことから、

 

ご家族がお子さんの特性を理解し、適切な対応をマスターされて

 

お子さんは、安心できる場所で、大好きな家族と一緒に過ごし、

好きな活動をすることで、脳を成長させていく。

 

それが子どもにとってベストな環境だと考えています。

 

 

ですが、「不登校に特化した入院病棟」という言葉が一人歩きしてしまい、

「親が見ていないで、入院して専門家に任せるべきだ」なんて安易に言う人が出ないか、

私はとても懸念しています。

 

 

 

 

そもそも学校に行くべきなのか

 

 

それと、「不登校に悩む子ども」と新聞には書かれていましたが、

本当に悩んでいるのはお子さんでしょうか?

「学校は行くべき」という常識に縛られた大人たちでしょうか?

 

 

行きたいけど行けない子もいるでしょう。

もう二度と行きたくない子もいるでしょう。

もっと違う学校なら行きたいという子もいるでしょう。

 

 

「学校にいくのが正常」「学校に行かないのは異常」

と言う考え方は、

だんだん変わり始めています。

 

 

長くなったのでここでは省きますが、

一律の学校教育の是非については、色々な方が意見を述べられています。

改めて「学校にいくこと」の意味を考え直す時期に来ていると思います。

 

 

 

本当に必要なことを、立ち止まって見つめ直す時期

 

時代は変わっています。

教育も変わっています。

子どもたちも変わってきていますし、

子どもたちを取り巻く環境も変わってきています。

 

 

一度「常識」を手放して、

本当に大事なこと、本当に必要なことを

先入観なしに考えるために立ち止まる時期がきているのかもしれませんね。