天 「ダメ どうあってもダメだ 終わらせられない だって赤木さん

あんたには やり残した事があるでしょうが

他の多くの大抵の人間がこの世で得て 味わって死んでゆくのに

赤木さん程の人が なぜか無縁 やってない事がある

かまけ過ぎたわ あんた 勝負にかまけ やくざに生き過ぎた

そのやくざな暮らし 放蕩が失わせた 赤木さんから家族を

聞いた事がねえっ 赤木しげるが家族について何か話してるのを

多分いねぇ そりゃあそうだって この死の際にそんな人間が一人も来てねぇんだから

そりゃあいねぇ だいいちそもそもあんたが 誰かとつるんだり

話し込んだりなんて姿を思い出せねぇ いつも距離を置いていた

親しさに限度があった 他人と深くつながろうとしなかった

今にして思えば あんた避けていたんだ

弱くなっちまうもんな 死んでもいいって人間が死ねなくなったら

でも もういいじゃないですか 引退だもの

こんな病気になったら さすがの赤木も勝負事からは引退だ

なーに とはいえ そう気落ちすることもない 次っ 次に行きましょう

赤木しげるがやり残した家族・・・ こいつを築きましょう

来てください俺んとこへ 大丈夫 うちは普通の家と違って

嫁さんが二人いるからね その分いろいろ労力っていうか面倒も1/2ってわけですわ

遠慮なく転がり込んで来てください それでやってきましょうや

少しずつ親しんでいきましょう 3年 5年 10年

何でもない毎日を共に暮らして 時には腹を立てたり面倒くさかったりしながら

そうやって徐々になってくんですわ 家族ってヤツは 時間はかかるどうしても

それはしょうがない けど 死の際には辿り着けるんじゃないっスか?

俺と俺の嫁さんたちと・・・ 赤木さん

血はつながってなくても 家族に

そうしましょう そいつを味わって死んでいきましょう でなきゃ

俺が死に切れない 俺の悔いになる

赤木しげるを独りぼっちで死なせたとあっちゃ 俺が耐えられない」


赤木 「勿体ない話だが まぁやめとこう

天・・・ だってそうじゃねえか 俺の孤立は誰に頼まれたわけじゃない

ただ俺が好きでやってきた事だ なら そのツケが回って

今・・・多少 心寂しい最期になったとしても それはそれで仕方がない

因果応報ってヤツだ 俺にはそれがふさわしい」


天 「違う! 俺だ 俺が死なせたくねえんだっ

俺っ! 俺っ! 俺のために生きてくれって言ってるんだ」


赤木 「敵わないな お前には」


天 「赤木さん じゃあっ」


赤木 「いや・・・ でも俺は俺だから

ありがとうよ天 最期に温かい言葉だった 救われたよ

家族はいずとも 俺に友はいたのだ・・・

じゃあな」


$惟神(かんながら)を噛みながら