本日のしつけミニコラムはこの時期、
誰もがうきうきするはずの クリスマスプレゼント
にまつわるお話しです。クリスマスプレゼントにワンちゃんをプレゼントする、というのは、もちろん日本でもよくある出来事ですが、
欧米諸国のほうが広く行われているようです
新しく家族となるワンちゃんをプレゼントされて、大喜び！
とってもハッピーな時間、幸せなクリスマスです。
しかし、すべてがハッピーにはいかないようです。イギリスでは、毎年クリスマス近くになると、
「犬は生涯のものであり、クリスマスだけのものではない」といった主旨の
ポスターがあちこちに貼られるそうです。
さらには、ポーランドではこのようなテレビコマーシャルも流されています。
なんとも衝撃的なこのコマーシャル。
「毎年、考えなしのプレゼントの結果として、2000もの犬が虐待されたり、殺されたりしています。
犬はおもちゃではありません。プレゼントとして贈らないで！」といったことを啓蒙するCMです。
さらには、イギリスのRSPCA（王立動物虐待防止協会）は以下のような文を発表しています。
愛くるしい子犬をプレゼントされたときの子供の顔の輝きはすばらしいものです。
それは認めますが、コインの裏表のようです。子犬は実に大変です。
噛む、汚す、眠りを妨げる、遊んでくれとまつわりつく。子供が一人増えたようなものでありましょう。
子犬はすぐに大きくなりますが、しつけは長い道のりです。
いくら頭のいい犬でも、根気よく冷静に教えていかなければならない。
もしあなたがかんしゃくをおこせば、子犬は混乱してまた最初からやり直しです。
雨の日も嵐の日も雪の日も散歩に連れていき、えさを与え、身体を綺麗にし、排泄の後始末をし、
一緒に遊んであげなければなりません。病気になれば獣医に連れていかなければなりません。
あなたには毎日そんな時間がありますか？
子犬の販売元はもちろんクリスマス商戦に乗り出します。
あなたが迷っているときに｢誰か他の人も欲しがっているのですよ」と
あなたの気持ちをあせらせます。もちろん、他にだれもいないのです。
あなたにこのチャンスを逃したらもったいないと思いこませたいだけなのです。
クリスマスは楽しいときなので、子犬がおもらしをしたりいたずらをしても笑い飛ばしてしまいます。
しかしそれから半年たったころ、子犬はすっかり身体が大きくなりますが、
まだ子供なので時々粗相をしてしまいます。子供たちはとっくの昔に飽きています。
ＲＳＰＣＡに多くの子犬が持ち込まれるのはこの時です。
そして何も悪いことをしていない、ただ誰も欲しくないという理由だけで
子犬や子猫が処分されてしまうのです。
さらには、春頃になると、クリスマスプレゼントとして贈られた犬たちが
多く、愛護団体や保護施設に持ち込まれるため、
子犬をそこから引き取りたい人はそのことを見越して、春頃に、子犬譲渡のアポをとるのだとか・・・・
実際に日本でも、クリスマスセールと称して、
生体価格を大幅に引き下げる商戦をするペットショップは多く存在します。
また、サプライズとしてプレゼントされてしまうと、非常に困ったことにもなりかねません。
犬や猫は生涯お金がかかります。
犬ではその金額は200～300万円以上
また、しつけや日々のお世話にも手間がかかります。
わたしのところにも実際に、
「ジャックラッセルテリアをプレゼントされたが自分は高齢なので、しつけを教えてほしい」ということで
お電話いただいたこともあります。
ジャックラッセルテリアは一人暮らしのご年配の方に、おすすめできる犬種ではありません
「一人暮らしではさみしいだろうから」と、プレゼントしたワンちゃんが負担になってしまっているのです。
犬や猫はプレゼントとして贈ってよいものではありませんし、
衝動買いをしてよいものでもありません。
幼稚園児が一人増えるものだと思って、ご家族でよくご相談なさってから
飼うことを決めてください。
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