『在庫をセールで捌かない』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よしTV 3月号には
株式会社ふらここ 原代表に登壇していただきました。


ひな人形・五月人形の製造販売をしており、
販売から数ヶ月で完売してしまうこともあります。

なかには1年待ちで購入するお客様もいるそうです。

顧客アンケートでは98%が満足という回答。
なかなかここまでの数字は見たことがありません。


サイズはコンパクトで、
場所をとらずにインテリアのように自宅に飾れる。

何種類もの赤ちゃん顔があり、
自分の子供に似ている顔を探す楽しみもある。


日本橋にはショールームがありますが
ここでは販売を一切していない。


様々なひな人形・五月人形が美しく並び、
私もその場でおもわず購入したくなりました。

それでもその場では売らない。
通販で購入してくださいと案内をされる。

お客様が欲しい!と思ったタイミングで
商品を売るのが鉄則のはずだが、あえてそれをしない。



「スタッフがショールームで営業をしてしまうと、
 スタッフの言葉に影響を受けて購入してしまう。
 お客様が買いたいものではなく、
 スタッフが買ってほしいものを買ってしまう」


と原代表は言います。
 
他店では、並べられた商品を
「いまなら何%をお安くします」と営業トークをして、
その場で購入を決断させるでしょう。


営業マンのトークが上手ければ上手いほど、
お客様が本来欲しいものではなく、
営業マンが買ってほしいものを購入してしまう。


「頻繁に買うものではないから、慎重に選んでほしいし、
 誰から誘導されてではなく、納得したものを購入してほしい」

 と原代表は言います。

そのため一時的に感情を煽って、
購入するということはしない。


値引きを一切しない方針のふらここさん。

いじわるな質問をしてみました。

「残念ながらその年の顧客のニーズに合わなくて、
 売れ残ってしまう商品も少しはあるはず。

 そういう場合は、少しでも安くして売り切りたいという
 考えはないのですか?」


「それは絶対にしませんね。
 売れ残るとすれば、それはお客様が求めていなかったという証。
 
 それを安くしてでも売るというのは、
 お客様は本当に欲しくないものを購入してもらっていることになる」



通常の会社では「在庫は悪」と教わる。

いろんな手段を使って、廃棄するくらいだったらと
在庫をさばくことに注力をします。

ふらここさんではそれもしない。


顧客に対して誠実である姿勢。
それが一貫していて、
どの角度から見ても嘘偽りがない。

顧客の高い満足度は、
その姿勢が作り出しているのかもしれません。