第10戦で今季7勝目を挙げ、第11戦で2位に入った17歳のサラ・ヘンドリクソン(米国)が今季2戦を残して総合優勝を決め、初代女王となった。
高梨以外の日本勢では、第10戦で18歳の岩渕香里(長野・飯山高)が7位、17歳の伊藤有希(北海道・下川商高)が8位に入った。4日は第12戦が行われる。
◇一人100メートル超 視線の先にソチ
約2000人の観客の大きな期待を背負い、151センチ、43キロの体が鳥のように滑空した。鋭く飛び出した高梨は、バレエで磨いたバランス感覚でぴく
りとも動かない空中姿勢を保ち、ぐんぐん前へ。着地で尻餅をつきそうになり、飛型点は低かったが、ただ一人100メートルを超える飛距離で圧倒。「地元で
勝って初優勝も重なり、本当にうれしい」と、あどけない笑顔を見せた。
W杯の「サラ対沙羅」対決では、常にヘンドリクソンの後塵(こうじん)を拝してきた。直前の第10戦も僅差の2位。それでも、国内初開催のW杯で「いつもより集中した」ことで助走姿勢や課題の踏み切りのタイミングでミスがなく、W杯で初めて強敵を破った。
98年長野冬季五輪金メダリストの原田雅彦さんと同郷。小学2年生で競技を始め、元ジャンパーの父寛也さんの指導で力をつけた。昨年、札幌での大会で男子顔負けの141メートルをマークし一躍脚光を浴びた。
今季は寛也さんとビデオを見ながらタイミングの修正に取り組んだ。「遅れがなくなり、安定感が出た」と寛也さん。「人一倍気が強くまじめ」(日本代表・渡瀬弥太郎チーフコーチ)な性格と高い向上心で頂点に立った。
ユース五輪金メダル、世界ジュニア2冠に続き、W杯でも勝利し、着実に階段を上っている高梨。見据えるのは13年世界選手権、14年ソチ冬季五輪での勝利だ。【立松敏幸】
○…W杯女子の最初の総合優勝者となったヘンドリクソンは「とても幸せな気分」と喜んだ。強さを見せつけたのが第10戦。1回目に99.5メートルを飛
んでトップに立つと、2回目も全くぶれない空中姿勢と安定した着地で高梨を抑えた。続く第11戦は高梨に敗れたものの、2位に入り、初代女王の座に就い
た。逸材として早くから注目を集め、今季は「メンタルが強くなった」と勝負強さを身につけて急成長。14年ソチ冬季五輪金メダルの本命と呼ばれるまでに
なった。「(高梨と)2人で競っていきたい」とヘンドリクソン。「サラと沙羅」で女子ジャンプを盛り上げていく。
